旅をする石⑤
Dear my friends,
黒いネコはお腹が大きく、そろそろ赤ちゃんが産まれそうです。と言っても放し飼いなので、自分で場所を決めて出産し、ある時期が来るまでは人の前に子ネコを連れてきません。野生のキツネや雄ネコなどの天敵も多く、たくさん産まれても残るのは1-2匹だそうで、ジョヴァンニさんは半野生の状態をそのままにネコをかっています。人慣れしてない白とまだらのネコは、2匹とも黒ネコさんの娘です。
昨日は、ミナコさんおすすめのレストランに行きました。カステルデルモンデから車で30分くらいの場所(ジョヴァンニドライブ)にある予約制のレストランで、料理で使う食材は基本的にレストランがある町の農場で生産されています。
食事前に畑を案内してもらったのですが、とても広くて驚きました。畑の中央には樹齢1000年の立派なオリーブが1本植っていて、その周りにパセリやキャベツやブロッコリーなどが数十種類育っています。各野菜にはお皿を再利用した名札に野菜の種類が書いてあり、訪問者を意識した作りになっているのも印象的でした。レストランから徒歩30秒の畑には、野菜だけでなく十数匹のニワトリや石のオーブンを備えたキッチン&テーブルスペースがあるのですが、この場所以外にもオリーブや果樹の畑があります。
レストランのオーナーは、地域での雇用を生み出すことをとても大切にしていて、契約農園だけでも5人くらいが働いているとのことです。周辺はブドウ畑が広がる他は何もない場所で、そこにレストランを目指してわざわざやってくるお客さんが多いことに驚きます。
レストランが有名になることで地元や農家に経済効果があるだけでなく、若者に郷土愛が生まれたり、レストランの農園を手伝っている事実が農家自身のブランディングやマーケティングに繋がったり、というメリットがあるとのことでした。その年の天気や気温によって味が変わるワインやオリーブオイルもレストランの特徴で、だからこそその時々の味を求めるリピーターも多く、地域に根ざした味を地域の人とともに作っているレストランです。
さて、肝心のご飯はというと、たくさんの食材を贅沢に使った美味しい料理が、それはそれはたくさん出てきました。前菜の1つだったパンの上には、畑で採れた数種類のハーブをリコッタチーズと混ぜてペースト状にしたものが乗っていて、ハーブの苦味や渋みを適度に感じつつもまろやかさがプラスされていました。お肉料理では、フォークで切れるくらい柔らかい豚肉、ソーセージ、それからドンキーの肉と続き、デザートもリコッタチーズケーキなど4種類とコーヒー酒とレモンチェロが出てきて、胃袋が2つあったらどんなに良いだろうと思いました。
滞在先のお家もですが、南イタリアならではのサービスとホスピタリティ、コミュニケーションを楽しむちょっとした時間の使い方に、幸せをたくさんもらっています。
Take care and have a sweet day!
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