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KDDIの記者会見(7/3,7/4)を聞いて思った10のこと

(このnoteは4分で読めます。約3,200文字)
2022年7月2日(土)未明からau等のKDDI回線を使っている端末で通信障害が発生しました。私もauユーザーなので通信障害の影響をもろに喰らいました。

この通信障害を受けて、KDDIは障害発生の翌日である7月3日(日)のお昼ごろと7月4日(月)の夜に記者会見を実施しました。週末の通信障害を受けて月曜日のKDDIの株価が大幅下落すると思われましたが、ふたを開けてみると1.67%の下落に留まりました。これは、記者会見での高橋社長と吉村専務の対応が好意的に捉えられたためであると思います。

このnoteでは、7月3日(日)のお昼ごろと7月4日(月)の夜のKDDIの記者会見を見て私が思った10のことを書きます。

✅1、私の状況

家では別のプロバイダーのWi-Fiを利用しているため、通信障害が発生していることに気が付きませんでした。土曜日の昼、友人とランチを約束しており電車に乗ったところで、地図アプリが開けないことに気が付きました。

地図アプリを頼りに集合場所にしているお店に向かおうと考えていたため、とても困りました。何とか駅の無料Wi-Fiに接続しながら、お店の場所をスクリーンショットして、それを見ながらお店に向かいました。

電車に乗って通信がつながらなかったときは、私のスマホ端末固有の問題だと思っていました。ちょうど、昨日ベッドの上から床にスマホを落としていたので、それが不具合の原因ではないかと思ったのです。

友達と約束していたお店に到着し、事情を話すと友達がWi-Fiルーターを貸してくれました。LINEニュースを見てみるとKDDIで通信障害が発生しているというニュースが目に飛び込んできました。

auショップに行こうか迷っていましたが、私固有の事象ではないことに安堵しつつ、いつ復旧するのか気になっていました。

✅2、7月3日(日)の記者会見

①、説明が分かりやすかった

SNSなどでも同様の意見が出ているが、高橋社長の説明は簡潔で分かりやすかったと思います。今回の通信障害の事象対応においても、通信障害発生後の早い段階から高橋社長が対応にあたっていたようです。そのため、発生している事象の詳細をよく理解されていたし、その説明は端的でした。

『えー』『あー』等の『言葉のひげ』も少なく、低いトーンでお話されている姿は聞き手に『この方は真摯に事象に対応してくれる』という安心感を与えたのではないでしょうか。

②、吉村専務は真摯に質問に対応していた

一方、吉村専務は高橋社長に比べて『言葉のひげ』が多かった印象ですが、質問者の質問に真摯に回答している姿が印象的でした。質問に回答する際に、スライドを利用する必要があった場面では、自ら立ってスクリーンに向かい、説明している姿が印象的でした。

また、誰かに回答を頼るような姿はなく、自らが回答しようとする姿勢も印象的でした。

③、通信事業者は人の命にもかかわる立場になっている

記者会見参加者からは様々な質問が多く出ていましたが、印象的な質問がありました。『119番などの人命にかかわる通話がつながらないことや、コネクティッド・カーが通信障害を起こし事故につながることなど、通信事業者は人の命にもかかわる立場になっている』と話していた記者の方が印象的でした。

医者や飛行機のパイロットはまさに人の命を預かる立場ですが、通信事業者も人の命にかかわっているのです。私も認識を改めないといけないと思いました。

④、事実検証ができていないのに再発防止策を聞きたがる記者に辟易した

7月3日(日)の記者会見では、通信障害の事象の原因はフワッと分かっている状態でしたが、その詳細な原因や再発防止策を話すことができるような状態ではありませんでした。

そのことを吉村専務は何回か説明していましたが、再発防止策について何度も質問が出ていました。

会見に参加している以上、発言して帰らないと上司に何か言われるのかもしれませんが、もう少し建設的な質問をしてほしいものです。

⑤、説明用パワポを作成した方は徹夜だったと思う

記者会見の内容には直接関係しませんが、記者会見で投影されていた資料を作成した方はおそらく徹夜だと思います。本当にご苦労様です。

記者会見が始まったのは午前11時ですが、記者会見用の資料の作成はおそらく前日の夜には始まっていたのではないでしょうか。作成したパワポを何度もレビューし、炎上することがない言葉遣いを選択し資料作成されたのだと思います。

⑥、各auショップでどこまでの対応をさせるかの判断は難しい

質問の中には、各auショップで通信障害を知らせる張り紙などを実施した方が良かったのではないかという質問がありました。確かにその通りだとは思うのですが、全国統一で共通の文面をどの段階で公開していくかは難しい判断になると思います。

正確に早く情報周知することが望ましいのは間違いないのですが、いつ通信障害が回復するか読めない状況で、張り紙を貼りだすのは難しい判断だと思います。

⑦、現状の報告だけでも実施しておいて良かったと思う

日曜日の記者会見は、現状の状況説明が主で復旧めどや再発防止策については明確に示されていませんでした。しかし、大手通信事業者であり影響が大きいため、現状の報告だけでも通信障害発生翌日に実施できた意義は大きいと思います。

これが1週間後の記者会見になっていると『なぜもっと早く説明しなかったんだ!』と炎上するでしょう。何においても『早い』ことは正義だということが示されている良い例です。

✅3、7月4日(月)の記者会見

⑧、定型文を読む対応はマイナス印象

7月3日(日)の記者会見での高橋社長と吉村専務の話し方は、自分自身の言葉で説明していてとても好印象でしたが、7月4日(月)の会見では、吉村専務の『本事象を真摯に受け止め、再発防止策に取り組んでまいります。』的な定型文の発言が多かったように思います。

記者会見の始まりと終わりに、定型文を話すのはまとまりが合って良いと思うのですが、質疑応答で定型文を多用されると、うわべで返答しているような印象を受けます。定型文を使わず、自分自身の言葉で話すべきだったと思います。

⑨、会見で説明する範囲を明確にしていた点は良かったと思う

7月4日(月)の記者会見でも、再発防止策について言及する記者がいました。この点、吉村専務は『本日は事象の詳細と復旧状況の説明です。』と会見の内容範囲を明確にしていました。

質問を発散させないためにも、この範囲の明確化はとても有効でした。範囲を明確にすることでKDDI側は記者会見での内容を絞ることができますし、記者側もその範囲を超えた質問をしなくなります。

⑩、リモート会見に切り替えた点も好印象

7月3日(日)の会見は、KDDI側と記者が対面でした。広い会議スペースに講義形式でテーブルが配置されていました。対して、7月4日(月)の記者会見は、記者がzoomで参加していたようです。

おそらく、前回の記者会見を受けて感染症対策について誰かが言及したのでしょう。しかし、それを受けて即座にリモート会見に切り替えた点は好印象でした。

✅4、まとめ

おそらく今回の通信障害の事象は、日経コンピュータなどが書籍にまとめて出版する流れになるのではないでしょうか。『結局、こういった事故もコンテンツとして消費されるのではないか。』と思いつつも、みずほ銀行のシステム障害をまとめた『ポストモーテム』のように、『事象の詳細と各人の行動が適切だったのかという分析を見てみたいな』と思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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