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蛸めしが夏の到来を告げるとき、井の中の蛙大海を知る

 毎年、半夏生には蛸を食べてきた。
まさかこれが関西圏だけの文化だったなんて知らずに。
 
地方ではまた別の風習があり、幼少期から慣れ親しんだ風習がまさかの全国区ではないことを知ったのは最近のことで、だからといって蛸を食らう風習を粗末に扱うつもりはない。
 
新しい風習は、大概商業的な目論みが見え隠れしてしまうが、それに乗っかるのも酔狂。
土用の丑の日に鰻、あの日はチョコレート、誕生日とクリスマスはケーキという感じで風習とはなんぞやと思いつつも、自ら神輿に乗ってみようではないか。
楽しみのひとつとしてしまえば、幸福に恵まれそうだ。


当日の蛸は当然ながら高値になるので、前日に業務用スーパーにて安価で手に入れた。
すでに茹でてあり、刺身とは言い難いが醤油と山葵でそのまま食べることもできる。
 
とはいえ、すでに作りたい料理は決まっている。
 
お出汁で炊込んだ蛸めし。
 
蛸めし

暑い時期に炊き込みご飯を作ろうとは思わなかったが、蛸めしは別格だ。
私の場合、炊き込みご飯は秋になると食べたくなる季節のお料理。
 
実際のところ、秋でなくても食べる機会があれば食べたいと思っている。
お店でご飯の種類が、白米と16穀米でどちらにするかと問われれば後者だし、16穀米と炊き込みご飯で選べるのであれば、断然炊き込みご飯を選ぶだろう。

半夏生なので蛸。
そして季節を先取りして、蛸めし。

お疲れ気味なので、タウリンを食事から摂取しようという魂胆なのです。
季節を先取しつつ、半夏生の風習もおさえつつ健康をも手に入れる。
一石三鳥を成し遂げて、高見を目指すのみ。
 
蛸めしとは、そういう食べ物なのだ。

【 しゅん 】

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