詩『アンスリウム・リリー』

アンスリウムを買ったの

冬には玄関に飾る花がないと思ったから

秋に小さな鉢の花が欲しくて

お花屋さんに行ったの

そこで一目で気に入ったからね

すぐに玄関に飾ったわ


アンスリウムは美しいの

直射日光は駄目だけど

光は大好きなの

水はそんなにあげなくていいわ

手がかからないのに

いっぱい花を咲かせるの

とても健気なのね


アンスリウムが育っているの

花は普段白やピンク

だけど時間が経つと緑色

それもまた美しいのよ

でも茶色になったらいけないの

茶色くなった花はね

次の新しい芽に全てを託すのよ

だから心配いらないわ


アンスリウムが萎れたの

なんで?どうして?

水をあげなかったから?

むしろ水のあげすぎかしら?

一気にみんな茶色くなって

項垂れるばかり

ほんの数日で変わり果ててしまった

何が起こったのかしら?


アンスリウムは枯れたの

もうダメになってしまった

枯れてしまってからね

花言葉を調べたのよ

アンスリウム

白は熱心

ピンクは飾らない美しさ

緑は無垢

私には似合わない言葉

それで気付いたわ

あなたがもういなくなることを

ねえ

アンスリウム・リリー

さよならね

でも

もしも出来たら

また会いましょう


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