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[VR開発#1]VRエンジニアとして

VR世界は誰でも作れる

丸みを帯びた白と黒のヘッドセットを被ると、不思議なことに、目と耳の感覚が支配されるだけで一瞬で別世界へと入り込むことができる。そこには、これまで当たり前のように過ごしていた日常はない。その世界を体験したことのある人はあまりの没入感に感動を覚えたことだろう。

そのようなVR世界はさぞ高度な技術を駆使して作られているのではないか。技術的に興味がある方ならば、一度はそのような疑問を思ったのではないだろうか。私もそのように思った一人である。

ところが、実はVR世界(VRコンテンツ)は誰でも作れる。もちろん、凝ったVR空間を表現するためにはそれなりの3DCGイメージが必要であったり、複雑な処理を行うためにはプログラミングの知識が必須であったりするのだが、用意されたアセットを組み合わせるだけでも没入感のあるVRコンテンツは十分に作成可能である。

VRコンテンツを作りたい

ここで私自身について軽く触れておきたい。
私は、大学卒業以来約17年に渡り、宇宙空間に漂う人工衛星と通信するために地上に設置する機器開発やシステム開発に携わってきたエンジニアである。ソフトウェア開発は行ってきたが、VRコンテンツの開発に関わることは一度もなかった。

私がVRコンテンツを作るきっかけの一つとして、ポケットモンスター(ポケモン)の存在がある。私はポケモンが好きで、1996年にゲームボーイ用ソフトが発売されて以来、全シリーズプレイしてきた。ポケモンゲームやアニメの世界観は丹念に作られており、あたかも現実世界において鳥や魚や虫が存在しているのと同じように、仮想世界において生き物としてのポケモンたちが存在しているかのように思わせてくれる。それならば、現実世界にポケモンが存在しなくても、仮想世界に自ら入り込めばポケモンたちと触れ合えるのではないか、というところからVR開発に興味を持ったのである。

VRコンテンツの開発に初めて触れたのは今から1年半前のことだ。VRコンテンツの開発について学びたいと思っていた私は、VR/AR/MRのプロフェッショナルスクールであるVRプロフェッショナルアカデミーに入学し、そこで1年間に渡りVRコンテンツの開発手法を学んだ。アカデミーでは6カ月の間に自ら開発するVR作品の発表の場が2回ある。1年では4回だ。この中で、個人による開発、複数人のチームによる開発を経験し、VRコンテンツ開発の基礎の基礎は習得できたはずだ。(なお、余談であるが、現在Fractal Room Projectのメンバはこのアカデミーで知り合った面々である。)

アカデミー卒業後はこのFractal Room Projectのメンバと共にVRコンテンツの開発を続けている。職としてVR開発は行っていないのでまだまだ素人の域を抜け出せていないが、常に新たなことにチャレンジすることで、少しでも一人前のVRエンジニアに近づければ良いと思っている。

マガジンの執筆にあたり

本マガジンでは、道順障害の研究に当たり鋭意作成中であるVRコンテンツの開発過程を紹介しつつ、工夫点やエピソードを交えながら記していく予定である。私は上記の通りまだまだ一人前とは言えないVRエンジニアではあるが、本マガジンをご覧になることで、少しでもVRコンテンツの開発に興味を持ったり、開発のヒントとしていただければ幸いである。

TEXT_コヒロト


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