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ドイツに住むと汚くなるもの、それは…

ドイツ人に限らず、ドイツに住む多くの人は、お世辞でも「字がきれい」とは言えないと思うのは、僕だけではないはず。そんなわけで今回は、「ドイツに住むと筆記体が汚くなる」ナゾに迫りたいと思います。

ドイツの小学校で使われるノート

ドイツの学校では原則として、ドイツ語などの授業で用いるノートが学年によって違っていて、筆記体をしっかりと学ぶのは、せいぜい小学4年生までです。下の図が示すように、2年生までのノートには補助線が4本入っており、生徒達は文字が罫線からはみ出ないように書く練習をします。3年生になると、補助線は2本のみ。そして4年生になると、罫線が1本のみの、いわゆる普通のノートとなります。

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つまり、ドイツの場合、基本が叩き込まれるのはせいぜい2~3年生のときまでで、あとは「これまでに培ってきたノウハウと、自分のフィーリングを信じて、各々がんばって」と言わんばかりに野放しにされるのです。これは、400字詰めの原稿用紙を大人になってからも使うことがある日本とは大違いですね。

個性の形成、4年生で加速

筆記体のデフォルメは、早い場合は4年生からすでに始まります。書き順も人それぞれ。子ども達が思春期を迎えると、自分らしい筆記体を追求する動きが加速。それはまるで、杓子定規な考えに反抗するかのよう。その結果、クラスに生徒が25人いる場合、25通りの個性的な筆記体が誕生するのです。

そうした中、ドイツ語をあくまで外国語として学ぶ『外国人』は、筆記体が比較的きれいといわれます。なぜならば、彼らはドイツ語を学ぶ際、文法だけでなく、筆記体も形として覚えるからです。また、母国語にアルファベットが用いられない場合、アルファベットに先入観がないため、ドイツ語がよりきれいに書ける傾向があるようです。

というわけで今回は、「ドイツに住むと筆記体が汚くなる」謎に迫りました。まぁ・・・究極の話をすれば、「見た目よりも中身!」ということなのでしょうが、それにしてもこっちに住む多くのみなさん、字が汚すぎないか?!これじゃ、中身がいいのかすら分からん!

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