wakatte.tvに出演した話。
ぐるくんの人です。
こんにちは。
汐留のD社へ打合せに行く途中でwakatte.tvに出てしまったので、インタビューの残り香の話をしておこうと(企画書や提案書でも無いというのに)重い筆を取る次第です。いや、Magicキーボードで書いているので相当軽いですが。今、放送を見たので、構成も校正もせず一気に書きなぐりますので誤字脱字等はいずれ直します。すいません。
そもそも(インタビューでも言いましたが)私自身はFランに限りなく近い国立最底辺大学こと室蘭工業大学出身(1996年度修了)です(CASTDICEのナカハシさんによれば、一番入りやすい国立工学部のようです。マジでそうなんですがw)。いわば「学歴フィルターにひっかかるんじゃね?」と皆さんが思うあたりのランク帯ではありますが、当時、今で言う東証プライム(当時の東証一部)企業やその子会社あたりで就職活動をしたところ、少なくとも民間においては、このあたりの国立大学卒であればフィルターらしきものを意識することもなかったので、多くの企業においては「学歴は判断要素の一つかもしれないけれど、積極的利用はしていない」んじゃないかと思われます(但し、学部卒ではなく修士です)。
周囲がどうだったか思い出してみましたが、ほぼほぼ研究室の指導教授からの推薦で決まっていたので(工学部あるある)、あまりアテにならないのですが、少なくとも修士課程で一緒だったメンツは「フィルターで弾かれた」みたいなことは無かったと思います。しかもわりと大手に行っていました。
あの頃は内定承諾をすると(実質)そこで就職活動を終わらせなければならなかったのですが(今で言うオワハラがまかり通っていた)、新卒で入った会社(当時はキャリアじゃなく、ソフトウェア流通や出版がメインの事業で、私は出版事業部配属なので雑誌編集でした。その後、出版部門は分社されました)から内々定を頂いたタイミングでは、他社(といっても数社しか受けようとしていなかったのですが)においても書類提出でお祈りもありませんでしたし、面接でダメだったところも無かったので、企業は学歴だけで人をみている訳では無いと理解していました(ちなみに他で受けていたのは、ゲーム、出版、地方局です)。
そして、実際に社会に出て、もう30年近くになり、初手の会社から転職し、その後、総合商社(五大商社)の子会社(インタビューでは子会社という事実がカットされていますがw)で事業部長まで昇進したり、(恐らく)日本最大の某アニメ系グループの孫会社社長(子会社と思わず言いましたがよく考えたら孫でした。すいません)になったり……そして今は国内大手(東証プライム上場)の音楽レーベルでA&Rとして働いており、そのどこでも学歴云々という話は、大学時代の思い出語りという酒の席での出来事程度でしか聞いたことが無いので、こと、私が長年働いているエンタテインメント領域(初手から順に、出版、アニメーション、ゲーム、音楽)においては、学歴を気にする必要は無いと言って問題ないでしょう。
特に、転職する際は、実績や能力(できること)が問われることがほとんどですので、実質学歴が何らかの作用をする可能性があるのは、初手の新卒採用くらいなんじゃないかなぁと思います。新卒だとしても、学生時代に何らかの実績を上げれば、そっちの方が優先されますし、私の新卒採用は恐らくそうやって決まったんじゃないかと思います(当時のインターネット界隈wでは随分名前が売れていましたし、雑誌連載も技術書も出していましたし、同人ソフトも作っていました。つまりインタビューで言ったことを繰り返すと「何かある側」だったというわけです)。
じゃ、それでも学歴を気にする人たちがいるってどういうことよ? という話を解説しておきます。もちろんこれは私の持論に過ぎません。何らかの組織を代表する意見ではなく、居酒屋で面倒な大人がクダを巻いているようなニュアンスで捉えて頂けると助かります。
そもそも、旧来の学歴制度は(AO・推薦などもあり、最近はだいぶ変わっていますが)既知の事象の理解もしくは記憶という軸を元に設計されており、また、それも(ほとんどの場合)18~19歳のタイミングかつ同年代間での比較でしかありません。
かつては、この「記憶・知識ベース」の評価が有効なシチュエーションもあったと思います。今と違い、google検索もChatGPTも無い世界においては、何を調べれば答えにたどり着くのか、どんなやり方をすればいいのか「正確に知っている」という短絡経路を持っている人が有利だったわけで、これは「公式を覚えている」とか「六法全書を暗記している」といった、いちいち調べる手間を省き、正確に速く処理するという「時間短縮(=仕事の効率化)」と直結しているからにほかなりません。これは、従来の一般受験の暗記競争と同一の能力を問われている状況なので、そりゃ「学歴を評価軸にするのは鉄板」というのは間違いないということになります。今は、「短絡経路がある」というざっくりとした理解をしたうえで「組み合わせから未知の未来を推測する」という思考部分が重要なことからして、コンピュータとネットワークの発達により「正確な暗記」や「単純な処理」の重要性が相対的に低くなったということでしょう。
現代社会においては、答えが決まっていない(自分なりチームでゴールを設定する)仕事もたくさんあり、その解法自体を生み出していかなければならないシチュエーションも多々あるわけですから、いわゆる「論理性」なり「思考」の能力の部分が問われるわけです。ですから、「なぜ?」を起点に考える能力が高い人ほど優位に立つ可能性が高く、主に暗記主体である高校までの勉強とは一線を画しており、いわば、大学入学以降の4年間(理系は院卒が多いので6年ですが)において、獲得する「論理的思考」能力に重きが置かれているということです。
もちろん、高学歴者がこの「論理的思考」能力を獲得している可能性が高いというのは事実ですし、学部時代に実験レポートで徹底的にしごかれ、研究室に入るやいなや、今度は論文やら学会地獄に堕とされる理系の学生があらゆる知的産業で優位に立っているのは、企業の多くも「論理思考」を重視した採用をしているからなのです。
論理性以外にも2つの能力について(協調性・自主性)インタビューでは話しましたが(カットされていましたがw)、これらは経団連の「新卒採用に関するアンケート調査」を見てもわかる通り、業種を問わず重視されていることですので、この能力の獲得が重要であり、企業自体も新卒採用において学歴よりも能力を重視しているようです(最近の採用では、ここらへんが問われます)。
ただし、だからといって、手放しに学歴が要らないかというとそうでもありません。大学の4年なり大学院の+2年できちんと社会で必要な能力を手に入れたかというのは重要です。特に専門職に就くには最低限そのジャンルで必要な知識や能力を習得していなければなりませんし、複数の事象が絡んだ課題を解決をしていくには、広範囲の知識(興味、入力)が必要となってきます。これを手に入れるには自ら考え行動しなければならないのですが(これがよく言われるガクチカ)、多くの人は何をしていいのかもわからないし、自分でやれるような気力もありません。となれば、気付いて自らやれない人ほど環境が必要ですので、周囲にやれる人が多いであろう、高いレベルの集団に所属することは集団論的な観点からも優位になるのは必然です。
そして、社会に出てからもずーっと形が変わるだけで勉強を続けなければなりません。でも好きだからやれるでしょ? って感じで。これは学習の仕組みを理解している必要があるので、そういう意味では資質が無いときついかもしれません。
つまり、本来ならば理系に進まずとも、大学進学せずとも、自らこの能力を何らかの手法で獲得すればいいだけの話です(伏線)。
では、なんで学歴の話題はよくあがるのでしょうか?
それは「学歴獲得」こそが、巨大なソシャゲだからです!!
「学歴獲得」をゲームととらえると、
・説明不要な共通のルール認識(参加のハードルが低い)
・膨大な参加人数(話題の共通性)
・初期能力の差がある(能力/地域差といったランダム要素)
・基礎トレーニングは無料(義務教育)
・課金による能力アップ(塾など)
・パラメータの可視化とバトル(試験など)
・完成品の自慢(承認欲求)
といった、ヒットするゲームでは絶対的に必要な要素が全て詰め込まれているので、そりゃ、皆さん脳内麻薬出しまくって凸ります。
余談ですが、課金を極めていくと、1人に重課金したほうがいい結果を招くことくらいわかることですから、少子化もどんどん進みますね!
誰しも自分のポ〇モンが弱い! と、罵られるより、キミのポケ〇ンは最高だね! と、褒められたいわけです。しゃーない。
(もちろん、大学には研究という本筋があり、その話を書き出すと大学がなぜ増え続けるのかまで言及しなければならいので、こちらも需要があれば書きます)
で、いわば「大卒」というのはバッジの一つですから、資格ビジネスとして価値を維持しなければならないわけです。つまり「大卒=重要!」というイメージ戦略が成功しているのは、ゲームのバッジを持っている人が自慢してくるところに起因するわけです!
となると、このゲーム内にショップを出して「難バッジの攻略法を教えます!」と一儲けと考える人たちが現れるわけで、これが受験ビジネスで、ゲームにおけるTireリストこそが偏差値一覧です。
あまりにも美しい設計なので、若手開発者には「学歴ゲー」の分析は絶対に必要! と、いつも唱えるくらいです。
インタビュー内では山に例えて話しましたが、18歳くらいまでは参加できるゲームの数が少なく、特に「学歴山」は政府によって全員強制参加を強いられてスタートするわけですから、一番話題にあがって当然なんですね。
ですが、社会人になると、この「山」がたくさんあることに気付きます。野球の山、将棋の山、アニメの山、ゲームの山、音楽の山、YouTubeの山、それぞれ自分に向いた山を登ればいいわけですから、学歴とは相関関係が必ずしもあるというわけではありません。人はそれぞれ自分に向いたことをやって、社会に貢献していけばいいのではないでしょうか?
また、インタビューでは言及しませんでしたが、私自身が採用ポジに立つこともありますし、育成ポジに立つこともあります。
育成ポジとしては、副業で専門学校にてエンタテイメント領域へ人材を送り出す教育活動を6年ほどしています。独自のコーチング手法をもって、基礎3能力の習得と、エンタテイメント独自の思考・知識の習熟をさせ、ここ数年は自身の担当する学生はかなりの確率(70~80%)はエンタテイメント領域へ就職しています(能力獲得の方法論はいずれ学生向けにまとめようかと思っています)。
一気に書きなぐったので駄文になってしまいましたが、社会は多様な価値観が存在しており、となれば、学歴も要素の1つになってしまい、その重要度が下がってしまうだけのことなので、あまり深刻にとらえず、自身の能力向上のため日々勉強、努力を続けて、お互い人間の豊かさに貢献できるように頑張ればいいと思います!
ふーみんさんもびーやまさんも(ある意味予想通り)とても良い方だったので、ぜひともYouTubeを通じてエンタテイメントの発展に寄与していって頂ければなーと思います。めざせ、教育エンタテインメントナンバーワンYouTuber! ご健闘をお祈りいたします。またどこかですれ違うことがあればよろしくお願いします!
また、読者の方で何かご質問・ご意見など、ご連絡が必要なことが起きましたらX(旧:twitter)にアカウントを作っておきましたので、そちらからお願いします(返信を確約するものではありません。すいません)。
https://x.com/frankbotto48190
それではみなさんすきなことで生きていきましょう!
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