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デス・レター(zoophoriaあとがき)

大盛況のうちにzoophoriaが終わった。ほっとしている。まずは関係各位に最大級の感謝をしたい。具体的には、出演者である涅槃と概念、Fake iD、Hello11D3、ジョズエの各氏に。ありがとうございました。あなたたちがいたからこそ、Made In A Garageたりえたのです(後述します)。
新松戸Firebird、とりわけ元店主ダイゴ氏。ありがとうございました。あなたが俺たち→を信用してくれていなかったら、ダイゴさんの聞いたことのないアーティストのコンピレーションは実現しなかったでしょう。
そして見にきていただいたオーディエンスの皆様。ありがとうございました、よくもまあ、こんな遠いところまで(笑)。当初は誰かお目当てのアーティストのためにいらっしゃったかもしれませんが、どうでした?他のアーティストのファンになっていただけましたか?それともこの、Made In A Garageというイベントのファンになっていただけましたか?いずれにしろ、ご来場ありがとうございました。
それから、新松戸ジャンケンケバブの皆様へもありがとうございました。その日は寄れませんでしたが(笑)。

Made In A Garageは当初から、ライブハウス主導のイベントからの離脱を考えていたが、今回はそれが最も成功した例と言っていい。ライブハウス主導の企画にずっと持っていた違和感とは、①ブッカーのセンス、即ち、ブッカーの、「ロック」というものの捉え方と我々演奏者が持つロックスピリットの乖離、②その結果出来する、「真のアーティスト」と「アマチュアに毛が生えたようなミュージシャンもどき」の混在、③その結果出来する、イベント関係者の一体感の崩壊、④各アーティストが、イベントを「利用」して、自分の名を売ってやろうとすることだけに終始すること、あるいは「自分だけは間違いのないようにやろう」とする、無駄に真面目な意固地、などなどであるが、2/12にはそれが一切なかった!

即ち①zoophoriaのテーマは「多幸感」であり、そもそもロックとは何の関係もないものであり、従って、上記の乖離も起こりようがない。②今回(もまた)俺が声をかけたのは、真のミュージシャンだけであり、彼らは、音を鳴らすひと時に、自らの何がしかの全てを賭けていた。③そのことは、リハーサルの時から全員が分かっており、即ちお互いに対するリスペクトが、すでに始まる前からあった(リハーサル、顔合わせ直前の会話の楽しかったこと!)④その結果は、ジョズエの頭目にたないけん氏のMC中の一瞬の慟哭に現れていよう。総体的にも、各アーティストが非常に慎ましく、しかも強烈であったという、諸兄が見て感じた通りになった。

楽しかった。

トッド・ラングレンの曲にWant Of A Nailという曲がある。馬の蹄鉄に打つ釘が一本足りなかったから馬が出せず、馬が出せないから…といった具合に連鎖し、国が滅びるという歌である。俺がライブハウスに出る本数を減らすといった理由は、半分はこれである。逆に、その意味では、最も感謝すべき御仁は、ダイゴさんだったろう。

星野源の裏側には、藤井風の裏側には、こんなにも素晴らしい人々が住んでいるのである。

Sara Grace’s、富山優子、the Heals…紹介したいアーティストはまだまだ沢山いる。次回は5月か6月。メインアクトはthe BBBと決めている。オールドスクールがダンサブルに脱皮する予感を秘めた好グループである。同時に、おそらくその日は、即興ペインティングが、一晩かかって会場を覆い尽くすはずである。目で、耳で、そして匂いで夜を感じてもらいたい。

そしておそらく、8月末か9月に、もっと大きな会が待っている。

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