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スローな武士にしてくれ〜京都 撮影所ラプソディー〜

NHKのBSで放送された「スローな武士にしてくれ〜京都 撮影所ラプソディー〜」を見た。2回見た。

これは、京都は太秦にある架空の映画会社、京映京都撮影所が舞台になっている。そこには、活動屋と呼ばれ面白い映画のためなら命だって差し出すという絶滅危惧種の職人たちが早朝から深夜まで働いている。
しかし、時代はデジタル。そんなおり、NHKから最新鋭の撮影機材を使ったチャンバラドラマのパイロット版を作りたいという依頼が来る。
東京から巨大なトラックで運ばれてきたデジタル機材に、撮影所の連中は驚く。そんな昔気質の職人たちを束ねるのがNHK技術研究所の若手の職員だ。彼はアメリカで時代劇マニアの両親のもとで育てられた時代劇オタクでマサチューセッツ工科大学出身の秀才。

撮影所長の意思決定は常に予算第一。そのため、主演にはチャンバラは抜群に上手いが、役者としては芽が出ずいまだに大部屋の斬られ役専門のシゲちゃんが選ばれる。シゲちゃんは、もとアクション女優の妻と時代劇が好きな娘たちと暮らしている。その妻は、毎日シゲちゃんのために弁当を撮影所に持って来る。その妻は、大部屋仲間みんなのヒロインで、特に劇中敵役を演じる城ちゃんはかつての恋敵でもあった。

脚本も完成し、設定は新選組の池田屋の階段落ちがメインとなる。
いよいよクランクイン。果たして、最後まで無事に撮り終えることが出来るだろうか?

私はこのような撮影所が舞台になった作品が好きだ。
かつて、松竹大船撮影所と小津安二郎の終の棲家となった北鎌倉の家のちょうど中間地点に住んでいた時、朝早く大船撮影所の周りを歩くのが好きだった。早朝からセットの建込みの槌音が聞こえ、ここから夢が生まれてくるんだと思った。そして、いつかはここで働きたいと思ったが、病気で映画の道を断念し、その後、大船撮影所は大学に地所を身売りしてしまった。

この作品、もし私の情報が間違っていなければ3月20日の午前10時からNHK総合テレビジョンで90分に再編集して放送されるはずだ。

このドラマを見ることにより、あなたは映画を観る時、その裏ではこんな大馬鹿者たちが大真面目に作っていることを知り映画がより好きになるだろう。絶対にオススメの作品だ。

京映


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