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奨学金でフランスの高校に行く

奨学金というと大学のイメージがありますが、フランスでは高校からbourseと呼ばれる奨学金を申請できます。我が家もこの奨学金のおかげでとても助かっていますので、今日は少しご紹介したいと思います。

フランスの公立は学費は無料なのですが、給食費や学校の旅行など細かいお金はかかります(給食費は私立も公立も同じですが、意外と高いです)私立は学費がかかりますが、我が家のところは家庭の収入にあわせて学費も一律ではなく、5段階くらいにわかれています。私立の学費は日本と同じくその学校、地域にもよってかなり違うと思います。
奨学金と話はずれますが、都会はわかりませんが田舎の場合は私立のほうが公立より優れているとかもとくにないように思います。

●奨学金の申請方法

申請方法はいくつかあるようですが、もし高校1年目から申請したい場合は中学4年目(3ème)のときに申請書類をだします。

公立中学校の場合:ネットから
私立中学校の場合:学校経由
※どちらにしろ申請用紙はインターネットで手にはいります。

このとき 前年度のavis d'imposition と呼ばれる申告の証明書、いわゆる「納税通知書」を一緒に提出します。

●実際の金額は?

奨学金の金額は子供の数と所得の額によって自動的に計算されます。所得金額のカテゴリは6段階にわかれていて、当然ですが、所得が低くて子供が多いほど奨学金が受け取れます。もちろん最初から平均以上の所得の家庭は申請はできません。

例えば今年の場合(2019年度)ですが、1番安い金額でも1学期146ユーロ(1ユーロを120円で計算:2019年11月末のレート)で日本円で17.600円、3学期あるので年間で438ユーロ(52.800円)になります。最高金額は年間112.000円ほどもらえます。日本の私立の学費からすれば「それだけ?」となるかもしれませんが、フランスでは大きい額です。

私が住んでいるところは田舎なので高校が公立と私立の2しかなく、学費が無料の公立は子供の数が膨れあがりマンモス校になってしまったため、我が家の子供たちは中学から私立に通っていました。

そこで高校からこの奨学金を申請しました。この制度のおかげでうちのようなシングルマザーの家庭でも学校に通う事ができています。

●申請結果

申請が通れば、だいたい新学期すぎて11月くらいに直接手紙で連絡がきます。学費はその受け取れる奨学金を差し引いたものを支払うことになります。

例えばこの奨学金以外にも8月に「L'allocation de rentrée scolaire」という、9月からの新学期手当なるものも収入にあわせて受け取ることができます。対象年齢は6~18歳まで。これは、児童手当などを管轄するCAF(Caisse d'allocations familiales)からの手当です。フランスは教科書はレンタルシステムで、毎年使いまわしなのですが(カバーだけは各家庭でかけます)文房具は全て自分たちで用意しなくてはなりません。

毎夏、新学期の準備のために親子でノートやペンなど文房具を買いにスーパーや文房具店などにむらがるのが、フランスの夏の風物詩なのですが、その文具などの購入代金の援助というわけです。金額は意外と高く毎年これで助かっていました。毎年金額は微妙に変わるのですが、だいたい日本円で4~5万円くらいでしょうか。

フランスは本当に教育にかかるお金が、日本などに比べて安いと思います。日本の教育費の高さは有名ですが、フランスでは誰でも平等に教育が受けられるように、このような援助の制度があることはとてもありがたいと思っています。

奨学金についてのURL




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