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仏語学習者の友「プチニコラ」

古本屋さんのバンデシネ(フランスのマンガ本)のコーナーをぶらぶらしていて、大好きな「プチニコラ」を見つけました。私が知っているのは短編物語の形なので、マンガってどういうことかと思ったら、中に説明があり1955年に「プチニコラ」が最初に世に出た時は、バンデシネだったそうです。

「プチニコラ」は、学校の成績はいまいちなんだけど、なかなか利発なところもあるわんぱく小学生ニコラの、クラスメートや家族との日常の話がユーモア満載で描かれた児童書です。文はゴシニ氏、イラストはサンペ氏が担当していました。
クラスメートとの遊びの話、先生を怒らせちゃう話、無邪気なニコラの行動で大人が振り回されるエピソードなど、くすっと笑ってしまう話ばかり。そしてフランスの文化(学校現場は古い話になってますが)や、フランス的発想だなあと異文化を感じる場面が多々あって、そういう角度からも興味深いです。

私が「プチニコラ」のシリーズに出会ったのは大学生の時、フランス語版を当時は辞書と首っ引きで読みました。初級者に適当な本が少ない中、簡単すぎず難しすぎず、話が面白いので、“どんどん読みたい”“理解したい”という気持ちをキープできるテキストでした。
ニコラが出来事を語っている口調で書かれていて、読めるようになった後は、自分が「話す」「書く」際の時制の使い分けの練習として、動詞を隠して考えることをやっていました。繰り返し読んだ本の中でも、プチニコラのシリーズに一番お世話になったんじゃないかと思います。
ゴシニ氏の文章もいいけど、サンペ氏のイラストも可愛くて、もっとイラストがあったらいいのになあと思っていたぐらい。そして、サンペ氏の他のイラストの仕事も知るようになり、楽しい気分になる、ちょっと力が抜ける、そんな絵が多くてすっかりファンになったのでした。興味のある方のためにフルネームを書いておくと、ジャン=ジャック・サンペ 氏です。

今月、サンペ氏の訃報を聞き残念ですが、フランス語を楽しく勉強させてもらったことに感謝です!

今日も読んで下さって有難うございました!

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