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仏語学習のあれこれ4 読む の続き

前記事で仏語で「読む」ことについて書きました。その続きなのですが、私が読んだ本の紹介は最後に少し書くことにして、まずは「本を選ぶ」基準と前回に付け加えて「読む」についての私なりのちょっとした工夫を紹介します。

まず、本を選ぶということですが、本当は、これは絶対読みたいという本があるのが一番だと思います。そんな本は、難しくても辞書と首っ引きで時間をかけて読んでいく気力が保てるし、そういう地道な作業が実力に繋がっていく事に間違いはないと思います。もちろん文法が終わっていないのに「レ・ミゼラブル」に挑戦するとかは無謀ですが、それでも読みたい本は入手しておいて、「いつか読んでやる!」と目標にするというのもいいし、パラパラめくって分かる文章を見つけて身震いするというのも素敵な経験じゃないでしょうか。私も憧れで読んで大雑把にしか分からなかったけど、いつかまた!と決めている本が一冊あります。

さて自己学習の一環として「何か読もう」と本を探す時は、私は自分がその本を「好きになれそうか?」を一番大事にしています。仏語で読むこと自体に苦労があるので、いくら話題作でも、好みじゃないと辛いです。次に「読めそうか?」です。本屋や図書館で時間を過ごすのが好きということもありますが、あらすじや文章を実際に確認して感触を確かめてから読む本を決めます。「読めそうか」をもうちょっと具体的に言うと、話と文の長さ、文字のサイズ、フランス語を追っていける感覚があるか、描写と会話の分量、描写の部分の分かりやすさ難しさがどんなものかを見て決めます。

次に本を読む時のちょっとした工夫ですが、文法説明は分かっているけど、自分が話したり書いたりするのにはまだ不十分な点を本から学ぶ方法として、読む前に重点学習項目を決めておくことを実践しています。例えば私の場合は条件法や接続法がまだ苦手なので、そこにアンテナを張って読んでいきます。そして条件法なり接続法なりに出会えた時には「ほうほう、これは仮定なんだな」「ここは丁寧に言ってるんだな」とか、「J'ai peur que の後ろはなるほど接続法だなあ」等と注目して味わいます。口に出して読んでおくとさらにいいと思います。意識して例文のインプットを増やしておけばアウトプットに繋がるという考えからです。文法書の説明も分かるし例文を見て「ふんふん」と言うんだけど「で、いつ使おう?」となっている事でも、本の文脈の中に登場すると理解が深まるということもあります。こうして自分なりの重点項目を意識して読むことで、学べることが増やせると思います。

では、本の紹介です。苦労しながらでも、私は面白いと感じて最後まで読めた本です。

「Stupeur et Tremblements」 Amelie Nothomb

著者が日本で働いた経験をもとにした小説です。ひと昔前の日本の会社が舞台で、背景を容易に理解できるので読みやすかったです。日本の独特な会社文化にもまれる主人公の体験が描かれていて、結局主人公はどうするんだろうと思いながら最後まで読みました。

「Le premier jour du reste de ma vie 」     Virginie Grimaldi

純粋にエンターテイメント小説と言っていいと思います。ある女性が夫との関係に終止符を打って、大型客船での世界旅行へと出発します。その旅の様子と、そこで仲良しになった女性仲間たちとの交流が描かれています。既視感はありますが終始楽しく読んでるうちに最後までたどり着いたという感じでした。

「Monsieur Ibrahim et les fleurs du Coran」 Éric-Emmanuel Schmitt 

映画「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」の原作で、家族の愛を知らない少年と食料品店の老賢店主の交流の中に、ユーモアと人生の知恵が詰まっています。短いけれど得るものがあるし、ストーリーもよくできていると思った本でした。

では、今日も読んで下さり有難うございました!

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