カメラと外構パースの関係

私は基本的には図面の作図サービス+コンサル的なことを主に同業者向けにしていますが、年に2~3回程度工事も含めてお願いされることがあります。

私がお願いしている職人達は本当に腕も性格も良くて、私が思う以上の仕上がりにいつもしてくれるのですが、それをもっとよく見せたい。と独立をした時に一眼レフカメラを購入しました。

でも購入して初めて一眼レフカメラって沢山のダイヤルがついてて、F値だとかSSだとかWBだとかの設定を細かくして美しい写真を撮っていることを知りました。

いや、オートで撮れよ!撮れるよ!ってのもわかります。

でも、私の性格的に「匠」になりたい(笑)

でもなれなくて、買ってしばらくして挫折したんです。それからそのカメラは私の旅行に「ちょっと良いデジカメ」扱いでお供しておりました。

購入して5年の月日が経ち、なぜか去年の5月にポルトガルへ行って撮った写真で開眼をします。

画像1

わかりますか?

いくらカメラが良くても撮るセンスがないと一体何を映したいのかもわからないというひどい写真が!!(笑)

指まで見切れてしまって…。一切のセンスがないのがわかります。またも挫折しました。凹みました。わざわざ遠くへ出向き、デジカメよりも重い一眼レフカメラを携え撮った写真がコレ。

しかし、私には信じている言葉があります。

それは「センスは知識量の差」センスは一朝一夕ではない。磨かれたセンスは膨大な知識量で差が出てくるものだ。と言うのをどこかで目にしてから、こと外構に関しては常に学びの姿勢を貫いているつもりなのですが…。

なぜかこの時はこの言葉が私の挫折したカメラ習得の心に深く突き刺さり、次に予定しているドイツ旅行までには良い写真を撮ろうと半年ほど近場ばかりで色んな景色を撮り、勉強をはじめました。

そして話は外構のパース図面に…。外構パースとはこういう感じです。

い

まだ見ぬ我が家の完成イメージをグラフィックで表現したものです。

こういったパースもCADを始めた頃に、沢山の営業さんに怒られながら美しく見える角度を模索したものです。正面よりは少し斜めから、目線よりは少し下げる…など、家と外構が美しく見えて、かつ(家も外構も含めて)提案しているこだわりの箇所が見えるようにも配慮をしています。

外構図面は大体2枚、多くて3枚程度の提案図面で契約を結ぶことが多いです。現物を見ずに決めることを考えれば、工事に200万掛かるのなら図面1枚は100万円の価値を持つということなのです。

その1枚100万円の提案図面の中にパースは3~4点程度入れ込みます。1点25~30万円するパースです。こう考えるとパースは美しく配慮がないとダメなんです。失礼なんです。

同じ図面を書いてもパースの撮り方が下手だとお客様は夢も描けない。一生に一度のお買い物。我が家にしかない「見せ所」を、提案する側だからこそ見せないといけないと思っています。


話をさらにカメラに戻します。写真を撮る時に、なぜか外構や建物の写真は技術はともかくアングルが上手に撮れていることに気づきました。そう長年パースに命を吹き込んできたからです。笑

よく写真を撮る時にホワイトバランス(明るさ)やF値(ぼけ具合)よりも構図(全体のバランス)が整っていないと全てを台無しにすると言うのですが、写真を撮る時に「この景色をプレゼンするならどこから見せるのが良いだろう」って少し考えて撮るようすると(まだまだですが)キレイな写真が撮れるようになりました。

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建物の全景も

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建物の内観も

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街並みの景色も。

見せたいものは魅せたいもの。カメラを練習するうちにすっかり写真を撮る事にはまりました。

私がカメラにはまった理由は外構と同じように考えて景色を切り取っているから、という事に気づきました。

特に旅行中は常に移動しながら、一瞬で「ここを切り取りたい!」で決めるので、瞬時にその景色の魅せ所を探して「みんな同じ条件で見てたのに私だけが美しく切り取れた」となることがたまらなく刺激的なんだと思います。


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