コミュニティを作りたい。

わたしの仕事は外構、エクステリアの設計・デザインがメインです。


外構と言うと住宅業界の中では「家づくりのおまけ」的な位置づけをされることが多いです。田舎なんかは特に敷地が広かったり、田んぼや畑にそのまま農機具を動かしながら行きたいから仕切り(境界ブロックとか)は無い方が都合よい事も多いし、車も一人1台だから変に区画割するのも…。と言われたりがあり要は「やった方が良いけどやらなくても困らない」工事種ではあります。


ただ、自分が住まう地域のコミュニティを作るのは外構なんです。


起業する2年ほど前に北九州の会社へ私の勉強も兼ねてお手伝いに行っていました。そこでの仕事は外構エクステリアの設計ももちろんですが戸建団地の街並み設計もさせて頂いていました。

北九州は街並みや景観を揃える事については意識が高く。古い団地を見に行くとその景観の美しさは目を見張るものがありました。


同じ頃に、ある大手ハウスメーカーさんが売り出した建売の団地が思うほど販売が伸びずにいたことで、再プロデュースをお願いされた設計士さんのお話を聞くことができました。既に売り出された建売の物件の外構に手を加えた事で販売金額は上乗せせざるを得なくなったそうで、当初はハウスメーカーの方も渋り顔。しかし実際に販売を開始してみると即完売。あまりにも売上が良かったので同じコンセプトを用いて更に宅地開発をして販売したらまたも完売し、その周辺の地価まで上がったというお話でした。

門柱のデザインを変えたとか、何かを足したとかのハード的なのではなく、どちらかというと地域のコミュニティが繋がるデザインになるように作り変えた感じのソフト面に重きを置いた話でした。

入居された方へのアンケートでも

「多少高くても子供をここで育てること、自分たちが老後を過ごすことへのメリットがあり、さらにおしゃれな町に住めている。という満足感がある。」というようなものが多かったそうです。


少子高齢化でよく聞く老人の車の運転の問題、保育園の問題、問題は今に始まったことではないのに、田舎ほど買い物に車を使って行く一極集中したショッピングセンターを作られて、高齢者の買い物は宅配サービスなどがメインになって益々歩かなくなるし、人とも話さなくなるから孤独感は増し。遠いと時間も掛かるから必然的に子供も親と行動をする。若い世代と高齢者世代は実は年々場所すら共有ができなくなっている。そうすると間に挟まれた親世代も時間がなくなる。

便利になったように見えて実は不便に拍車を掛けていっているのが今の都市開発(街づくり)だったりする。


昔からあった商店街は実は地域のコミュニティとしては最強で、ちょっと調味料が足らない時にサンダルで歩いて買い出掛けられたり、近くのお店なら子供にお留守番も言えるし、連れて行けば地域の人に顔を覚えてもらえたりして防犯にも一役買ったりする。

昔から田舎の人が家に鍵を掛けないのは「そこに誰が住んでいるか」を地域の人が知っているから。知らない顔を知っているからできる心理的な防犯。

もちろん今の時代は防犯グッズにしてもとっても便利な道具がある。

それも使えばよい。


今の時代に合ったお洒落なカフェとか、雑貨屋とか、美容院とか、お酒を飲める場所、ご飯を食べる場所、日用品を買うところ、食料を買うところ、それらが住むところにギュッとまとまった、高齢者も子供も働く世代もみんなが自然に触れあえて、自然に距離が取れる。お洒落な街並みのコミュニティを作っていきたい。


しかもコロナの時代だからこそ、こういう地域レベルのコミュニティなら必要以上の人混みにはならないソーシャルディスタンスが保てる場所って勧められる(笑)


なかなか更新しないけれど、どんなコミュニティを外構と絡ませて作っていきたいかを少しずつ書いていくようにします。


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