私を地獄から救ってくれた彼女のこと

TOKYO PLAYERS COLLECTION「IN HER TWENTIES 2020」、無事全日程終了しました。劇場に足を運んでくださったみなさま、配信を見てくださったみなさま、本当にありがとうございました。

先に宣伝的なことを載せます。

【まだ見てない方へ】2日と6日に配信した映像が16日まで買えます。それぞれの日の2週間後まで見られますのでぜひ。2日→https://t.co/AMQxEm7QTL?amp=1 6日→https://t.co/rCa0XIpdDw?amp=1

【すでに見ていただいている方へ】様々なリターンがあるクラウドファンディングが絶賛ご支援受付中です。あと3日!https://motion-gallery.net/projects/inher2020 上演台本やキャスト10人それぞれをイメージしたアロマも販売してます。https://t.co/7femlzJ1JT?amp=1 https://t.co/ztbd7vLmdl?amp=1


宣伝失礼しました。本題に入ります。

いや〜〜〜〜〜〜終わったなあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜

私にとって(前回の出演舞台の千穐楽から今回の初日まで)388日ぶりの舞台が、毎日ドキドキしながら体温を計る日々が、9人の女たちとふざけまくる日々が、胸が押し潰されそうになる不安に耐える日々が、大切な言葉を大切に喋る日々が、本当に、最後まで一人も欠けることなく、終わった。

昨日、もちろん居酒屋で打ち上げなんてことはできないのでスッと帰ったのだけど、帰り道一人二人と減っていって最後の一人とバイバイって別れた直後から喉がキュッとなって、それ以降、家について30分後くらいまで泣いてしまった。公演終わって泣くこともまあまああるような情緒的な女ではあるが、ここまでコントロールできないのは初めてだった。自分の涙の原因が安堵なのか寂しさなのか悔しさなのかよくわからないままさめざめと泣いた。当然のごとく今日の朝は目がパンパンに腫れて喉が嗄れていた。

この公演に出演が決まるまでの2020年は、私にとってマジのマジで「ゴミ」の年だった。「クソ」の年でもいい。とにかく最悪、地獄の年。生きることをはじめとするあらゆることに対するやる気は自粛により削がれに削がれ、活力なんてあったもんじゃないような暗澹たる新しい日常に絶望していた。そんな中ですがるようにオーディションを受けて、受かった。大きくガッツポーズではなく静かにしゃがみ込むように喜んだ。とにかく嬉しかった。演劇をやれること、インハートゥエンティーズに出られること、それだけで生きるに足る。初めのうちは正直、稽古をやれているだけで生き返ったような気持ちになってしまって、蘇生を終えた気になってしまって、いや、そう思い込むようにして、いつ稽古中止、公演中止になっても諦めがつくようにどうせ無理なんだろうなと心の準備をしている自分がいた。でも稽古を重ねるにつれて、10人の私たちが演じる1人の女性はどうしても舞台の上に現さなければダメだと強く思うようになった。だんだんとそれは執着になって、祈りのようになっていった。そして祈り続ける日々はすごく辛かったけど、めちゃくちゃに楽しかった。一番最後のステージが始まる瞬間までチラつく公演中止の影を見ないフリするゲーム。気力だけではどうにもならない状況ではあったけれど、舞台に立つということに強いこだわりをもてたことは、2020年の私にとって救い以外のなにものでもない。私は本当に、彼女に、お客さんに、上野さんに、共演者のみんなに、なっちゃんに地獄から救われたから、何かを必死に祈ることができて、ものづくりができて、倒れずに舞台に立つことができて、意味のわからない涙を流すことができたと思っている。地獄から救い出してくれた人たちなんて、ぐしゃぐしゃになってでもその時に感謝の気持ちを伝えるべきなのに、私はそれができない25歳だった。それが唯一の心のこり。

終わった公演を懐古する文章なんて本当は全然書きたくなかったんだけど、人生における重要ポイントの有力候補になる気がしてならなかったから、形として残そうと思った。数年後、あの時に地獄から救ってくれた人がいたなって思い出せればきっとまたその時の救いになるような気がする。

真っ暗の2020年にもらった光を少しずつかじって、これからも死なないように生きていこうと思います。ではでは。



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