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「EC担当者が会社を辞めたくなる瞬間5選」と、業務改善の秘策

株式会社フラクタの代表河野です。
フラクタで企業のブランディングを推進するサービス・テクノロジーを提供しており、Shopifyのエバンジェリストとして、EC担当者の支援や教育も行なっています。

近年、多くのEC担当者が「システム維持や保守などの業務が多いため、店舗と比べれば売上も成長率も低く肩身が狭い」「業務に対する上司の理解が浅く、正当な評価がもらえない」といった理由で退職するケースを見てきました。そんな状況を打破しEC担当者を救うべく、今回は上司のみなさんへ向けてEC担当者の方から聞いた「会社を辞めたくなる瞬間」をぶっちゃけて共有します。それに伴う「業務改善の秘訣」も伝授しますので、今後ECチームを強化していきたいマネージャーの方、必見です。

1.日々のルーチン作業に追われ新しいことができない

これは本当によく聞く話です。
全体の業務の中でルーチンワークの締める割合が過剰に増大し、それらを改善する時間すらなくなり、結果同じ業務をただ繰り返すだけになってしまっている...といった「負のループ」に陥っている状況です。

この状況における改善策は、3つ。

1.人的リソースを追加する
2.マネージャーが業務改善を担当し、フィードバックを行う
3.ルーチンワークの一部を一時的にマネージャーが肩代わりし、そこで生まれた時間で担当者自ら改善を行う

この問題はあらゆる現場で頻出しており、担当者のモチベーションを下げる大きな要因となっています。放置しても改善することはないので、早急かつ確実に介入と対策が必要です。

2.業務量が多すぎて、一つ一つの業務の精度が上げられない

EC担当者はあくまで「EC」の担当者であり、Webサイトの管理者ではありません。
担当者に企業サイトの更新や、求人サイトの更新、バナー制作、場合によっては広報まで兼任させている企業様をよく見受けますが、それらの業務すべてを1人の人間にカバーさせるのは非現実的です。

そのため、まずはEC担当者には「EC」に専念できる環境を作るべきです。

3.会社にカンヅメ状態になることが多く、息が詰まる

EC担当者は日々のルーチンワークの性質上、デスクワークが多くなりがちです。
規模によってはCS(カスタマーサポート)業務を兼任する場合もあるので、「席をたつのも憚れる・・・」といった声をよく聞きます。

しかし、ECこそ最先端の世界。日々技術や流行が移り変わり、猛スピードで進んでいます。自社ブランドのECを時代遅れの代物にさせないためにも、担当者が情報取集や体験を経験できる環境を作り上げることは必要不可欠でしょう。

もし担当者が毎日カンヅメ状態になっていたら、アシスタントを採用してでもインプットを増やす時間を生み出すことが必要です。

4.仕事自体が簡単だと思われがち

システム開発・保守などにも言えることですが、業務の内容を知らない人からすると「出来てあたりまえ」と思われることが多く、失敗があると強く責任を問われることが多いのが「EC担当者」。

ECは簡単そうに見られることもありますが、ビジネス領域を全方位でカバーする高度な業務です。デジタルとアナログの両方を考える必要があるという点を理解し、関係各所に理解を求めることもマネージャーが担当者にできることの一つです。

5.方針がころころ変わり、それごとにすべてのルーチンワークの内容を組み直す必要がある


これはEC担当者だけではなく、会社や部署が抱える普遍的な問題かもしれません。

この解決策は、担当者やメンバーを意思決定の場に同席させることです。

現場に同席してもらうことで、方針が変わった理由に納得してもらえることはもちろん、「さらに変わりそうな気配」を肌で感じ、一旦作業に落とし込むことをストップする、といった判断もできるようになります。

覆せない決定事項としてただマネージャーから担当者に下ろすよりも、決定が行われる現場に立ち会ってもらい、状況によっては意見を求め、議論に参加してもらうことが重要です。

まとめ


ECの世界は成長産業ですし、様々なチャレンジが可能なのでとても魅力的だと思っています。一方で多くの担当者が、人手不足や経験不足で日々苦しんでいます。

EC担当者は、これからの日本を支える人材の一翼を担っていると私は確信しています。
しかし先ほど挙げたような問題を放置したままでは、ECという仕事にやりがいを見出せなくなり、つまらない仕事というレッテルを貼られ、結果もついてこなくなり辞めてしまう...そんな結末になりかねません。そのような状況は、あまりに勿体無く思います。

EC担当者は自分の仕事に誇りを。そしてマネージャーはEC担当者が働きやすくなるように正しく評価し、支援できる体制を作っていければ、きっとみんなハッピーになると信じています。

この記事が皆さんの業務改善のヒントになれば幸いです。