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「気ままにクリエイティブ観察」第7回は”広告っぽくない表現”編です。

観察が日課のFRACTA AD(アートディレクター)宮崎です。「気ままにクリエイティブ観察」第7回は”広告っぽくない表現”編です。

今回ご紹介したいのがアウトドアブランドのスノーピークです。スノーピークは新潟県三条市に本社を置くアウトドア用品の総合メーカー。材質、機能にこだわり、業界トップレベルの品質、洗練されたデザイン性により、国内外で圧倒的な人気を誇ります。日進月歩で発展するこの現代社会において、自然志向のライフスタイルをキーワードに、「人間らしい、地に足のついたゆるやかな時間」を提案しています。「自らもユーザーである」という理念を基に開発されたキャンプ用品は、沢山の魅力に溢れています。

引用元:http://feel-camp.com/2018/02/23/about-snowpeak/

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ユーザーと直接つながる

「自分たちが本当に欲しいもの」を作るために、ユーザーと直接つながりを持つことにこだわっております。本社がキャンプフィールドにあり、「Snow Peak Way」「雪峰祭」などユーザーと一緒にキャンプイベントを行っています。多くのユーザーやスタッフがお互いに顔も名前も知っていて、SNSでもつながっており、まるで家族のような関係性を築いているそうです。ユーザーの幸せを考える環境が整っていますね。

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ものではなく人にフォーカス

さて表現を観察していきましょう。スノーピークの表現の特徴として1つはものではなく人中心になっている点です。決して道具のスペックの素晴らしさを説明するようなビジュアルはありません。商品を使った体験の先にある素晴らしさを語っています。

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例えばこの焚火台の表現をみてみましょう。親子が必死に火に向かって息を送っている様子がメインに描かれており、焚火台は画面から切れています。"子供に火遊びを教える、それが一生の思い出になる"というコピーとともにコミュニケーションされています。この下に焚き火代の詳細が続いていく形のページ構成です。焚き火台ではなく、学校では勉強できないワクワクする体験を伝えることで、見る人にやってみたい気持ちにさせます。人と人との関わりが描かれており、ロマンがありますよね。豊かな生き方だなと感じさせます。

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こちらの冬のアパレルのカタログを見てみましょう。カタログのモデルは背の高い外国人ではなく、日本のファミリーのようなメンバー構成です。
服を着た人+犬やキッチンを並べて見せることで、着こなしと同時にその着ている人のリアルな暮らしがイメージできるのが特徴です。
通勤かな?家事してるのかな?遊びかな?オフの日かな?どんなシーンで着てるか説明的ではなくストーリーの中で見えてくるのが魅力的ですね。服そのものというより誰とどのように過ごすことが幸せなのか語っているように見えます。一人ひとりの幸せに寄り添った形だなと私は感じます。こういう暮らしを想像しながらお買い物するってワクワクしますよね。

まとめ

スノーピークの表現はどれも人と人との結びつきを強く感じますね。幸せの形を様々な角度から切り取って見せてあげる。そういった夢の価値を可視化することによって、不思議な親しみ感や誰もが受け入れられるようなオープンな雰囲気を作り出していると思います。スノーピークはものづくりにはかなりストイックなのですがクラフトマンシップ が前面に出るような表現はしません。なぜなら彼らは人を見て、まるで家族のように寄り添い、人の幸せを叶えるブランドだからです。そういった等身大の豊かさを体現している点が愛される1番の魅力だと考えます。これこそが広告っぽくない表現につながっているのだと思います。


*画像は全て公式サイトより引用:https://www.snowpeak.co.jp/

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