本日の本請け(2022.4月・5月)
読んだ本とそのときの飲み物とお菓子(本請け)の記録。
『古代中国の日常生活 24の仕事と生活でたどる1日』著・荘奕傑 訳・小林朋則(原書房)
ツイッターで見かけて気になってネットで購入した本。
勝手に24のお仕事のイラストや解説と一緒に文章が書いているムック本的なものを想像していたのですが、全面文章。
ひとつひとつの職業について、物語風に実際の生活を紡いだものになっていて、コラムもついています。
登場人物たちに親しみを覚えると、古代中国の市井の人々の様子を具体的に思い浮かべることがどんどんできるようになっていきます。
これは中国茶と一緒に読もう!と思ってお茶を淹れたのですが、飲んでいるとぽかぽかしてきておいしかった!
『アリーテ姫の冒険』著・ダイアナ・コールス 絵・ロス・アスクィス 訳・グループ ウィメンズ・プレイス
監訳・公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会(大月書店)
会話の中で「アリーテ姫思い出した」と言っていた友達がいたのと、「アリーテ姫の冒険の映画見ようと思って」と言っていた人がいて、タイミングが重なったので気になってきて購入。
幼い頃に読んでみたかった!と思う一冊。
びっくりしたのは物語にありがちな三つの願い事の使いどころ。それ!?って思ったけれど、自分で自分を労わったり、使いどころを見誤らないのって案外難しいんだよなとも思った。
『旅』入江亜季(青騎士コミックス)
温泉施設に置いてあった『北北西に曇と往け』をなんとなく読んでどハマりしてから入江さんの漫画を集めてきました。
『北北西』は電子で集めたのですが、ワイド版というのがあると知って気になっていたのですが……新刊もワイド版が出る!と知って購入しました。大きくて装丁も凝っていて宝物です。
「乱と灰色の世界」の番外編が載っていて嬉しかった!
『清少納言を求めて、フィンランドから京都へ』著・ミア・カンキマキ 訳・末延弘子(草思社)
実はこのケーキ、すっごくキレイでうわあ!と思ったけれどとてもお高くてその日は家に帰ったのですが、どうしても忘れられず後日購入することに。
せっかくならこのケーキみたいなステキな本が読みたいなと思って本屋さんに寄り、ぱっと目に入った本を購入しました。
清少納言が好きな筆者が、休暇を取って日本で清少納言のことを調べ、京都で四苦八苦しながら自分が書くことの意味を考えて日々を過ごす。
清少納言の書いたことと、筆者の書いたこと、いろいろな思考、セイ、という呼びかけが軽やかで読むのが楽しかった!
そういえば中学生の頃、社会の資料集で国風文化のところにイラストとコラムがあったことを思い出しました。
そこには「紫式部と清少納言のその後」が書いてあり、イラストは、ちょっと疲れた女の人がため息をつきながらボロボロの服を干しているものでした。
清少納言が高飛車なふるまいをした人物で、老後はとても苦労した……みたいな書き方で。
なんかこう、「紫式部の方が謙虚で、清少納言はえらそうなやつでその報いを受けた」という印象を持ったんですよね。
詳しい描写はもう思い出せないんですけれど。
そのときの印象が強くて、なんとなーく清少納言は微妙なイメージでした。筆者も紫式部の資料はたくさんあるのに清少納言はないことに苦悩しているけれども、おそらく、このイメージに引っ張られた結果は大きいのかもしれないです。
歴史上の人物は評価が変わるし、イメージだけでとらわれず自分の好きなものを見つけて探して実際にかたちにできた筆者がとても羨ましい。いいものを読んだ気がします。
『狼の王子』クリスチャン・モルク 堀川志乃舞訳(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
恩田陸の本で紹介されていて、読みたいなと思って購入しました。
アイルランドが舞台。監禁され、殺された女性の日記を郵便局員が見つけ、彼女の日記に沿って話が進んでいきます。
日記の主、フィオナは偶然出会ったジムに惹かれてしまう。ジムはアイルランド中を旅をしてパブで物語を聞かせる不思議な魅力を持つ男。彼の話す狼が登場する寓話も絡んで、物語全体に良いアクセントを生んでいます。
こんなに日記、長く書けるかなあ……などと余計なことを考えたり、結末が予想できてしまったのですが、アイルランドの雰囲気と相まって情景が浮かぶ小説でした。
『明日の子供たち』有川浩(幻冬者文庫)
営業マンだった三田村慎平は児童養護施設の職員に転職したばかり。ドキュメンタリーを見て感銘を受け、やる気に満ち溢れていたが、先輩職員にいきなり釘を刺されてしまう。
子どもたちと接する中で、主人公は成長していき、周りにも良い影響を与えていきます。
読書会で紹介してもらったもの。
児童養護施設ってどういうところ?の入門編としてエンタメに落とし込んであって面白かったです。
とてもご都合主義なところはありますが、有川さんってすごく、ドラマチックに表現するの上手だなと思います。
『かがみの孤城 5』漫画・武富智 原作・辻村深月(ヤングジャンプコミックス)
『かがみの孤城』が大好きで、漫画も完結を楽しみにしてきました。
特に、漫画で追加された要素がすばらしい!
原作が書かれてから時間が経って、連載形式で現在進行形で描かれている漫画だったからこそできたものだなと思いました。うるうるしてしまった。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』アンディ・ウィアー(早川書房)
星野源さんのオールナイトニッポンで紹介されていて気になって購入しました。
「できたら帯すら見ないで読んでほしい」とおっしゃっていたので、「電子書籍で買えば帯見えないじゃん」と思って電子書籍で購入。
ライトノベルっぽいような語り口でさくさく読めます。
なんともネタバレが悩ましい作品なのですが、とにかく面白かったのでいろいろな人に読んでほしい。
もちろん創作部分はあるのですが、今の科学の考え方で説明されているのがすばらしい!
主人公の思考を追体験することで、ああこういう風に考えればよいのか!とわかる部分もあります。
もっと少しずつ読もうと思っていたのに最後の方はぐいぐい行ってしまいました。
『レジェンドアニメ!』辻村深月(マガジンハウス)
発売して購入したもののすっかり忘れていたのですが、それでよかったかも。
「ハケンアニメ!」の映画が公開されて観に行った後、「うわああああ!」という大興奮な気持ちで映画館を出た後に「あっそういえばレジェンドアニメまだ読んでない!続きが読める!」となったときのわくわくする気持ちったらなかったです。
自分の記憶も曖昧になっていたので、もちろん映画と違うところもあるんだけれど、思い出して読めてよかったのかも。
「声と音の冒険」が好きでした。
「あの夜を覚えてる」というラジオ局を使った演劇配信を見たときに、音響さんにすごく興味を持って。音に関わる人の裏側を見られたような気持ちになれるこのお話がすごくよかった。
「ハケンじゃないアニメ」も好きでした。
あ、あのアニメがモデルかな〜と思い当たるのがふたつほどあった(笑)。大御所の前でビビりまくる主人公の気持ちがもう、手に取るほどにわかってしまって心の中で応援しました。
太陽くんのことも知れてよかった!
でも、最後の書き下ろし読んでいてさらに続きが読みたくなってしまいました。この話で王子が手がけようとしている作中作、大好きなんですよね。とても見たい。
映画も良かった。アニメ業界の労働時間等については少々考えてしまいますが……。
主題歌、先に聴いたときと映画を見てから聴いたときとで違って、帰り道で購入して何度も聴いています。「遠くを見てつくるの」が好き……。
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