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『ときめきメモリアル Girl's Side 4th Heart』を買わずにはいられない

『ときめきメモリアル Girl's Side 4th Heart』を先ほど購入した。ちょうど3分くらい前の出来事で、ダウンロード完了までにあと20分かかる。ゲームソフトのダウンロード版は気軽にポチることができて便利だが、いつもこの時間がもどかしい。

33歳にして初めての「ときメモ」購入である。せっかくなので購入に至るまでの記録をこのnoteにまとめておく。


「ときメモ」との出会いと再会

「ときメモ」と初めて出会ったのは小学校の時のことだ。実家のお向かいに住んでいた2歳年上のまみちゃんはゲームが得意で、『バイオハザード』や『トゥームレイダー』でよく遊んでいた。私はそれを横でキャーキャー言いながら見学していた。

私は大人になってからようやく『ゼルダの伝説』を遊びはじめ、リンクさんをバチボコに“GAME OVER”させている人間であり、小さい頃からアクション系のゲームは苦手だった。ただ、まみちゃんのどんな強敵にも立ち向かっていくゲームプレイが面白くて、よく観戦させてもらっていた。

まみちゃんはたまに、『ときめきメモリアル』もプレイしていた。彼女のお兄さんのものらしいそのゲームの印象は、「主人公の男の子が目のキラキラした女の子に告白をするゲーム」というもの。ただ、まみちゃんの引っ越しを機に一緒に遊ぶ時間も減り、彼女とそれらのゲームとはいつの間にか疎遠になってしまった。

時は流れて20年後である。私は夏と冬に実施される「RTA in JAPAN」という、ゲームのタイムアタックイベントを体力の許す限り欠かさず見ているのだが(2024年夏は初の7日間ぶち抜き開催になる予定らしい)、2021年に開催されたそのイベントで私は異様なものを見た。有名ときメモRTA走者・Kazupoon氏が走る(RTAはプレイすることを「走る」という)姿である。

『ときめきメモリアル』初代のメインヒロインを予定タイム1時間10分で恋に落とし、クリアを迎えるというRTAである。いや、恋愛シミュレーションゲームって、恋人になるまでの「うれしはずかしキャッキャウフフ」プロセスを楽しむものじゃないん?私がまみちゃんの家で見たときメモってそんなゲームだったよ?

私の動揺を他所に、走者はノイローゼを駆使しながら主人公のパロメーターを爆上げし、大切なイベントにはほぼ参加せず、メインヒロインとの公園デートをたった数回こなし、無事に彼女と結ばれていた。時間にして48分36秒。学校のマドンナがなんでこんな「おもしれー男(ほめていない)」に爆速でひっかかってんだYO……。

そんなことを思いつつ、私はひとり大爆笑しながらこの走りを見ていた。そして、意味不明すぎるこの「ときメモ」との再会が、『ときめきメモリアル Girl's Side 4th Heart』購入に導いたきっかけになることを、当時の私は知る由もない。

男性すらも落とす「ときメモGS」の威力

そこから1年くらい経ってから、私は死ぬほど仕事に忙殺されていた。「死ぬほど」「忙殺」って二重表現ぽいけれど、まぁそれくらい大変だったので仕方がない。

繁忙期で出張も多く、現地の仕事が終わってへとへとになってホテルに帰り、「もう何もしたくない……」という感情が脳のほとんどを支配しているとき、私の支えになったのが配信者のゲーム実況だった。とりわけ癒しになっていたのが、有名ゲーム実況者・牛沢氏の『ときめきメモリアル Girl's Side 4th Heart』実況である。

牛沢氏のことは『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』の実況で知った。それまでゲーム実況をほぼ見たことなかったのだが、自分と同じシーンで絶叫している様子を見て親近感を覚え、ちょこちょこ動画を見るようになった。『ブレワイ』の実況をちょうど見終えた頃に『ときメモGS4』の動画を見つけ、そういや「RTA in JAPAN」でときメモのヤバい走りを観戦したな……ということを思い出し、気軽な気持ちで見始めた。

実は私、このときまで「ときめきメモリアル Girl's Side(ときメモGS)」――女性向けのときメモがあることを知らなかった。だが、そこにはえげつない沼があった。

何もしたくないという気持ちから気まぐれに見始めた実況だったが、牛沢氏がものの見事にキャラクターたちの魅力に翻弄されていく。ときメモはキャラクターを攻略するゲームじゃなかったんか?なんなら牛沢氏、1回クリアしてから2周目もプレイして動画上げてくれているんだが?

でもそれもそのはずで、登場するキャラクターたちの魅力がすごい。深すぎる。これ、沼じゃない。海溝。1万983メートルの深さがある。

キャラクターがどんな感情をもち、何を考え、どうしてそんな発言や行動をするのか。彼らの行動に、人ひとり分の背景がしっかり結びついている。その背景がめちゃくちゃ心に刺さる。ずるい。こんなの全員好きになっちゃうじゃん……。

やっと会えたね『ときめきメモリアル Girl's Side 4th Heart』

そうこうしているうちに2023年、再びあの男がやってきた。有名ときメモRTA走者でときメモ星人のKazupoon氏である。今度は目隠しでメインヒロインを攻略するという。どういうことなの?「恋は盲目」を物理的に実践することある?

チャートの目視確認ができないためコマンドをすべて暗記し、2001年生まれの走者にもかかわらずゲームの舞台となる1995~1996年の祝日はすべて覚え、連休という名のラスボスを回避、音でイベント発生を確認し、失敗はすべて感覚でリカバリー。そしてクリア後のメインヒロインの台詞をすべて暗唱する……。狂気の愛に満ちた走りは圧巻である。何かつらいことがあったとき、私はこの動画を見るようにしている。この走りを見ていると、なぜか悩んでいることのだいたいはどうでもよくなる。

ときメモ熱を深めた私は、有名ゲーム実況者であるジャック・オ・蘭たん氏のときメモGS動画を見始めた。彼はときメモGSシリーズの過去作全てを、素人の私でも分かるくらいの愛をもってプレイしており、その姿に救われた人間が大勢いる。YouTubeのコメント欄が愛にあふれまくっていて、そういうのすごく、なんていうか、その……好き。

特に蘭たん氏の『ときめきメモリアル Girl's Side 3rd Story』実況は、地獄の親友編と救済の一途純愛編があり、怒涛 of 怒涛の展開に息をつく暇もない。YouTubeを再生する手が止められない。ときメモでそんな修羅の道を歩むことあるん……?結末を迎えたときは感動してガチめに涙しちゃったよ……。幸せになれよ、せつらく……。

さて、これまで様々な人のゲームプレイの様子を見てきたが、とうとう「この場面、自分だったらどうするのかな……?」と思い始めた。ときメモでは相手と会話するときに3つの選択肢から回答を選ぶことができるが、誰かのプレイ動画ではあくまで自分は第三者。自分が何かを選び取って、それがキャラクターとの関係性に影響することは、もちろんない。

超高速効率プレイをする人もいれば、一途に相手を想い続ける人、みんなで仲良く学園生活を送る人、ちょっとの選択のズレから修羅の道を歩んだ人もいた。自分がどんな選択をするのか、そろそろ身をもって体験してもよいのでは?

ということで今回、『ときめきメモリアル Girl's Side 4th Heart』の購入に至ったというわけである。いや、これはもう買わずにはいられないだろう。

ちなみに、夫にはこのことは口が裂けてもいわない。当面ゲームを買わない宣言をつい先日前にしたし、男性と本気で向き合ってデートするのも内緒にしておきたい。これは遊びじゃないからな。本気の恋愛だからな(謎の宣言)。

20分のダウンロード待ちの間にちょっとした文章を書くだけの気持ちでいたが、気付いたらこんな量になってしまった。未プレイにも関わらず、この感情の入れ込みようはなんだ。

さて、今回はじめて、物語の「当事者」となる私である。情緒が乱れに乱れて息ができなくなることが予想されるが、それも楽しみのひとつにしておきたい。

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