私の工場経営ノウハウ(3) うまくいった?話3/3

私は経営ノウハウ(1)でお話したVPM(View Point Management)を工場長視点から事業部長視点に変えると次のようになりました。

グローバルアロケーション:高信頼性電子回路板について自社の国内、海外の複数工場を認定しておいて、各社のコストパフォーマンスに応じて物量配分すなわち「グローバルアロケーション」を行いました。技術力のある工場は比較的コストが高い傾向にあります。国内工場にそういう傾向がありました。一方、機械設備や自動車、ロボットなどを作る顧客は難度も数量もまちまちな50品種以上の電子回路板を常時必要としています。そこで、電子回路板について顧客の全量を受注してしまい、それを品種毎にグローバルアロケーションを掛けることで、顧客には物量対応、価格対応、BCP(Business Continuity Plan)対応、事業部として物量変動リスク対応、利益最大化、グループ会社の技術力向上ができ、一石六鳥くらいのメリットがありました。事業部の中にグローバルアロケーションプロジェクトを置き、営業、技術、品証を管理しました。受注増ができ回収過となりました。グループ会社のやる気も出てアロケーションが回る度に技術力とコストパフォーマンスが良くなりました。

 ポイントは、国内工場と海外工場を比べるのでなく多様性を認めることと、事業部が工場を活かした戦略を立て実行したことでした。その上で、大きなサプライチエーンを構築して、リスクを減らしながらマスプロダクションのメリットを活かす戦略です。技術・品証部隊はこれらグループ会社を回遊魚のように回って追加品種の認定や品質改善などメンテナンスするのです。顧客の購買担当にとってみても、価格低減ロードマップを守り品質も納期もサプライヤー1社をフォローすれば済むのですから楽です。実際には100%受注1社、70%程度が1社、50%1社・・・という感じです。すでに回収過状態です。

*次回は、「製造現場の歩き方」をシェアします。

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