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初対面のお客様は『嘘つき』だって知っていますか?

貯蓄が底つくかもしれない

FP相談の仕事を初めて今年で11年目になりますが最初は本当に稼げないFPでした。こんなに自分が仕事ができないなんてショックでしたし稼げない男だと言う現実を知ることになりました。

初年度の売り上げと言えば100万円台でしたし2年目の300万円台でした。サラリーマン時代の蓄えもじりじりとなくなっていき精神的にもきつくなっていきました。

様々なセミナーにいき勉強は欠かさずにしていました。出来ることはなんでもやったつもりです。でも収入は微増でも貯蓄は激減。さすがに心の余裕がなくなり『ヤバイ』と思うようになり始めました。

焦りというのはお客様にも伝わるものなのかそのうち商談自体もうまくいかなくありお客様から『永野さんの話は正しいと思います。でも・・・』なんて言葉がで始める始末でした。

でもこのお客様に言われた一言から大きなヒントを得ることになりました。そう、『でも・・・』にです。お客様は正しい理論を求めているのではなく自分のやりたいことを形にして欲しい、または期待以上の形にして欲しいから相談にきていることに気がつきました。

ここからお客様の反応も売上も全てが変わっていきました。そして決定的な相談があり今の形ができていきました。

初対面のお客様は嘘つき

表現として嘘つきと書きましたが別にお客様がわざと嘘をついているという意味ではありません。考えてみれば当たり前ですが相談にきているとはいえ目の前にいるのは初めて会う人間です。

そんな人間に向かってベラベラと本音を最初から話すでしょうか。もし本気で話すと思っているならそれは相当おめでたい人間と言えます。あなたは初めて会った人にベラベラとプライベートやお金のことをしゃべりますか?と言えばわかるかと思います。

それでもお客様自身もどうしていいか分からないから相談料を払ってでも解決したいと思っているのです。

お客様が『頭』の中で考えている言葉と『口』から出てくる言葉が違うことに気がついたのです。だから口から出てくる言葉から推測してお客様の頭の中の言葉や文章を読み取ってそれを解決してあげればいいのだと。

ある時お客様から保険の見直しをしたいという相談がありました。夫婦と面談して世間話をしていたのですがこの夫婦の会話には何か違和感を感じるのです。保険の見直しと言っているのに保険に困っているようには見えないのです。

一通り話を聞き保険に対する話をしたのですが手応えがないわけではないのですが薄いのでいつもの一言を思い切って切り出してみました。

『ところで本当の相談はなんですか?』

出てきました。超がつくほど難しい住宅ローンの相談が!夫婦の歴史から始まって今の奥様の想い。涙ながらに話しながら徐々に感情的になっていく奥様の横で小さくなる旦那様と真剣に話を聞く私。

きっと何人かのFPに相談したのでしょうね。でもみんな保険の話ししかしてくれなかったそうです。いつ話そう、いつ話そうと思っているうちに保険の商品の話になって返ってモヤモヤして終わっていたそうです。

いかにお客様との世間話から人生観や性格を読み取り、本題の内容のどこに違和感を感じるか。その違和感こそがお客様のお悩みの根幹であること。そして話を事実と意見に分けて事実の核心を理解してあげること。

お客様は自分でどう解決したらいいのかを悩んでいるのでそれを『ズバリ』指摘してあげて期待する答え以上の答えと結果を出して初めて霧の晴れたような笑顔が見ることが出来ることがわかったのです。

もしあの時保険の話に飛びついて保険を契約することにのみ専心していたらきっと今の私はなかったことでしょう。ここから売り上げ数字が大きく変わっていきました。

当たり前ですよね。
お客様の本当の悩みを解決できるようになったのですから。

こんな私でも今は普通に生活できるFPになりました。ファイナンシャルプランナーとは販売する人ではなくお客様の相談と思っている人もいることでしょう。

ちょっとした視点や心構えを変えると意外なほど成果が出るものです。そういう方には本当に頑張って欲しいですし、私も負けないように頑張ります!

永野FPオフィス 永野 修





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