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私がやってしまった保険設計の失敗。その結果・・・

 今月も住宅ローンの引き渡しが何件かあります。土地の決済や表題登記などウッドショックなるものが進行中ではありますが全体的に見れば順調に進んでいるようです。

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 引き渡し日が決まると金銭消費貸借契約に必要な書類や住所変更、表題登記や火災保険の話をしますがそれとは別に団体信用保険の説明をします。ここでしっかり説明しておき再度銀行で聞いていただくようにしています。

 この時に生命保険のことにも触れておきます。今の団体信用保険は適用するのは死亡や高度障害だけではなく銀行によってはがん団信や3大疾病、そして入院一時金が出るものまで様々なものがあります。

 医療保険の話をするにでも前出の入院一時金の話だけではなく高額療養費制度の話や附加給付、傷病手当金の話をして合理的に保険設計を案内します。

 中でも必ずする話があります。それは奥様の団体信用保険です。熊本の住宅ローンの団体信用保険は連帯債務が中心となります。なので団体信用保険は旦那様だけのケースが大半です。

 となると旦那様ががんや死亡した時は住宅ローンは支払うことなしでそのまま住宅に住むことができます。ですが奥様が死亡したらどうでしょうか。住宅ローンはそのまま旦那様が支払うことになります。

 これを奥様にも収入保障保険を使って団信のようにしてしまうのです。なぜこの保険の話をするのかというと私自身が『失敗した!』と後悔するようなことが実際にあったからです。もう2度としないぞと思っているからです

 保険を安くしたいんです

 お客様からの依頼はマイホームを購入するのでその前に保険の見直しをして保険料を安くしたいという依頼でした。家も住宅ローンも既に決まっているので上記のように団信を加味して合理的に設計しました。

 その時に『奥様の保険はどうなっているのですか』と聞いたところ奥さまは旦那様の保険には関心があるようですがいざ自分の話になるとあまり関心がないようでした。

 後日保険証券を揃えておきますということで実際に見てみると死亡保障が一切ありませんでした。医療保険も少なくさすがにこれでは心許ないという感じでした。

 これでは、ということで奥様にも保険を提案しました。

 でも断られました。これでは保険料が前よりも高くなってしまうからです。保険料を安くしたい、お子様の教育資金も貯めたいという希望が強かったのでお客様の希望を加味して積立型の終身保険の加入となりました。

 その時は依頼内容が保険料を安くするということでしたが結果的に高くなってしまった。申し訳ないなという気持ちでした。もしあの時に戻れるならここのタイミングに戻りたい。なぜもう一声強く言えなかったのか、と。

 まさか、が本当に起こるもの

 この世に確実なことがもしあるなら生まれたら死ぬことです。そう、確実に人間は死にます。同級生や年下の人の葬式に出るたびに『本当に人間って死ぬんだ』と明日は我が身と思って生きてきました。

 そう、本当にその『まさか』が。

 葬式の途中でこのことに気がつきました。その後のことはほとんど覚えていません。覚えているのは『なぜもっと強く言えなかったのか』です。きっと死と言うものが私自身も現実ではなかったのです。

 もし住宅ローンが一括できていればこの後のご家族の人生は大きく変わったはずです。ご家族からは保険がなかったところ話をしてくれたから立派に葬式ができましたと言われましたが・・・。失敗は失敗です。

 男性に取って奥様の死は人生を全て変えてしまいます。勤務にも影響は大きいですし当然子育てにだって大きな影響があります。その上お金の心配もすると言うことがどんなことか。

 全部断られました、それでも私はこの話だけはする

 マイホームの引き渡しがあるたびにこの話をしますが私の力が足りないばかりに断られることが多いです。今日も2件断られました。そう、みんな死なんて現実味がないのです。

でもまさかは起こるのです。本当に起こるのです。

 保険不要論が台頭し投資と貯蓄の区別すらできない人が闊歩するご時世となっています。ですが私は基本通りに人生は不安定で何が起こるかわからないと言うスタンスです。

 元もと人生こそ不確実でギャンブルでありリスクが高いものです。振れ幅が大きな人生ですがその振れ幅を緩やかにしてくれるのが保険という金融商品です。

 住宅ローン案内が中心の業務ですがもう2度こういった失敗はしたくない。お客様がどう思おうともこの話だけは今後ともしていきます。たった2千円台なんですけどね、それでリスクが大幅に軽減できるんですけどね。


  

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