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ルール改悪?ふるさと納税の魅力は半減したのか

2008年からスタートした【ふるさと納税】制度。
みなさんは利用していますか?
私も数年前から利用しており、返礼品が魅力的な自治体や、生まれ故郷の市などに複数寄付をしています。

どんな制度?

現住所や出身の自治体にかかわらず、国内あらゆる自治体に寄付することができ、寄付額の2,000円以上を超える分に関しては所得税の還付、住民税の控除が受けられる制度です。
つまり3万円寄付した場合、28,000円の税金が戻ります※。

※所得税の還付金と、住民税の来年の減税額の合計額が28,000円

ここまでであれば寄付額>節税額なので、お得とは言えませんが、、、

魅力的な「返礼品」

ふるさと納税の最大の魅力と言えるのが、自治体からの「返礼品」。
多くの自治体が話題性のある【特産品】や【サービス】を積極的に提供するようになり、制度利用者拡大の原動力となりました。
ふるさと納税専門のウェブサイトも多数存在し、寄付先を通販感覚で選ぶことができます。

例えば年収500万円の人が3万円のふるさと納税を行うと、次のような流れになります

  • 好きな自治体に3万円寄付をする

  • 特産品やサービスなどの返礼品を受け取る(上限:ふるさと納税額の30%≒9,000円程度)

  • 確定申告、またはワンストップ特例申請で控除申請すると、28,000円が還付&減税となる

つまり3万円を寄付すれば、最大で約37,000円分(返礼品9,000円+節税額28,000円)のリターンとなり、寄付額<返礼品+節税額 という式が成立します。
もっと簡単に言ってしまうと、実質2,000円で全国津々浦々の良いものが手に入る、ということです。

ちなみに節税できる上限額はその年の所得によって変わります。
寄付自体はいくらでも可能ですが、一定額を超えると「お得」ではなくなるので、注意が必要です。


2023年10月に制度が改正

2019年にも「返礼品の価値が高すぎる」「返礼品が産地と関係ない」などの問題が提起され、制度改正がありました。
そして今年、2023年10月にも再度改正があり、「改悪では?」との一部報道も見られます。
ではどう改正されたのでしょうか。ふるさと納税の魅力は半減してしまったのか!?

今回の制度改正ポイントは2点です

  1. 経費ルールの改正

  2. 地場産の基準の改正

経費ルールの改正

実は、「寄付金のうち返礼品に充てる上限は30%以内」というルールと並んで、以前から「返礼品の調達費用などを含む経費は50%以内」というルールも定められていました。
ところが今回の改正で、この経費に含まれる項目が増えることになりました。

  • 返礼品の調達費用

  • 送料

  • 広報費用

  • 仲介サイト事業者に支払う手数料

  • 寄附金受領証の発行・送付費用【新】

  • ワンストップ特例にかかる事務費用【新】

  • その他の付随費用【新】

一部の自治体では返礼品の変更もありえる

新ルールで含まれることになる「隠れ経費」の項目が、どれだけの割合になるかによりますが、自治体によっては返礼品の内容を見直す(調達費用を抑える)ことになるかもしれません。

地場産の基準の改正

もうひとつ、「地場産の基準」も条件が厳しくなります。

  • 熟成肉・精米の場合、原材料は同一の都道府県産であること

  • 他地域産品とのセットの場合は、地場産のものを全体価格の7割以上にすること

これによって、「海外産の肉を地元で熟成」や「他県の米を地元で精米」といった返礼品は認められなくなります
また明らかに地場産ではない高価な家電とのセットなども、対象外となります。話題だった「ダイソン空気清浄機と地場産タオルのセット」なども厳しいでしょうね、、、。

ふるさと納税の魅力は半減するのか

さて、10月に制度改正が行われたばかりですが、サイトを見た感じ極端に返礼品の質、量が下がった印象はありませんでした。
控除率には変更はありませんし、引き続き個人にとって貴重な節税方法であることは変わりません。


ふるさと納税の注意点

最後にふるさと納税にもいくつか注意点があるので、挙げておきます。

●「払った税金」からの還付ですから、当然税金をあまり払っていない人の節税メリットは低いです。前述の通り収入や扶養控除などによって受けられるメリットの上限は変わりますので、試算サイトなどで確認してください。
住宅ローン控除やiDeCoなども入力できる詳細シミュレーションでの試算をお勧めします。

【確定申告】【ワンストップ特例申請】をしないと税金は戻ってきません。忘れず手続きしましょう。初めての方は専門用語ばかりで戸惑うこともあるようです。

●ワンストップ特例とは、確定申告を不要にし、控除手続きを住民税のみに一本化して受け取った自治体が行う制度です。ただし寄付先が5自治体以上であったり、他の医療費控除等を受けたい場合は確定申告をする必要があります。

●現住所の自治体に寄付することは可能ですが、返礼品は受け取れません。

本来の寄付の目的を忘れずに

返礼品が魅力のふるさと納税ですが、それはあくまで二次的なもの。返礼品の上限は3割ですが、もともと3割に満たないものも多数あります。

だからといって「返礼率」だけを重視するのではなく、お世話になった地元や、旅して好きになった街の発展に貢献する、という目的を見失わずに上手く利用したいものです。

私も今年のゴールデンウイークには、寄付でたまたま知った北海道早来町を訪れてみたのですが、とても雄大で牧歌的な景色に心が洗われた気持ちになりました。そんな出会いも、ふるさと納税の魅力のひとつかもしれません。

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