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うっかりと起業したゆくたて

独立開業・起業と言えば、熱い志や情熱をもって、さぞ準備して覚悟をもって始めたと思われがちですが、うっかりと起業してしまったのがこの私です。
今日はそんな、ヌルッと始まった私の起業スタートについて書き残しておこうと思います。

税理士事務所の仕事が好き

大学を卒業後、就職した小さな税理士事務所は、私の「勉強好き欲」「知りたい欲」を大いに満たしてくれました。学んでも学んでも知らないことがあふれ出してくる喜び。

加えて、ルーティンワークが多いため仕事の忙しさが予測しやすくコントールしやすい。なんなら在宅でもできるように先陣を切って環境を整えたことで、産休・育休を取っても重宝していただきました。

忙しさが予測でき、子どもがいても働きやすく、仕事もストレスが少なく、業務内容も嫌いじゃない。お給料は高くはありませんでしたが、そもそも私の給与は家計においてさほど重要度が高くなかったので問題なし。

そりゃあ雇われの身ですから、意にそぐわぬことも多少はありますが、それにしても余りある働きやすさでした。

FP資格は趣味の一環

税理士事務所の仕事は、言ってしまえば「なんでも屋」
税務だけにとどまらず、社会保険の手続きから不動産登記の手続き、クライアント法人の役員さんの保険の話、なんなら親子喧嘩の仲裁まで。
そう、とても色々なことが舞い込んできます。

もっとクライアントさんの役に立つためには「税務だけじゃ足りないな」と感じることが増えていました。
そこに自分の学び好きも相まって、もう少し幅広い勉強をしようかな。どうせ勉強するなら資格も取っておくか。無駄にはならんべ。ぐらいの気持ちで、FPの資格を取ることにしました。

完全になめてかかった結果、一度目のFP3級は不合格の汚名を、、、、
受験することを誰にも言ってないのに自意識過剰ヤロウの私は、自分が恥ずかしいのでFP3級は受け直しせず、次はいきなりFP2級を受験し合格しました。そのままAFP登録。

うーん、どうせならいけるところまで取っとく?そのままCFPも受験することになりました。

人生がつまらなくて

そのあたりから、プライベートでは結婚&出産イベントが始まりました。

これがびっくり、どうやら私は驚異的に子育てに向いてない。いや、向いてるも向いてないもないのだけれど、思ってたよりつまらない。可愛くないわけじゃないけど疲れるし、いつも眠いし、前向きなエネルギーは全部持ってかれるし、何といってもそんなこと言ったら罰が当たりそうだし。
周りのお母さんはみんな子どもの話ばっかり。え、子どもってそんなにかわいいのが当たり前なの。子どもの話なんてつまんない。もっと他の話がしたい。
床では寝まいと決めているかのような我が子を抱えて、バランスボールで弾みながらミヤネ屋をうつろな顔して聞き流し、そんなことばかり考えていました。

幸せなのに、つまらない。

このころの口癖は「あーあ、なんかいいことないかなぁ」

でも不思議と、育休を切り上げて仕事復帰しようとは思わなかったんですよね。ずっと一緒にいてもつまらないと思っているのに、ずっと離れるのは落ち着かない。お母さんというのは難しい生き物なのです。

とにかく、子どもを中心にすべてが決まるような、このつまらない人生からなんとかして抜け出したかった。

でも
子供も小さいし
先行投資するお金もないし
ろくなキャリアも積んでないし
人より優れた経験もないし
なにかする時間もないし
どうせやっても何も変わらないし

誰かの・何かのせいにして、グルグルぐるぐると同じことを考えながら、他にできることもないから仕方なくCFPの勉強をしていました。

CFPは5科目から成り立っていますが、飽きるから一気にとった方がいいとか、2つセットが効率がいいという独身男性の合格体験記を傍目に「ハッ、そりゃ仕事しかしてなきゃとれるだろうよ」と毒づきながら、子育てと仕事の2足の草鞋を履きつつ、1年1科目を目標にノロノロと合格していきました。

何かに向かって前向きに勉強しているわけでもなく、FPとして独立するつもりも毛頭ないまま、やることないし、仕方ないから資格を取っていた。ただそれだけです。

どうせなら名刺でも作るか、からの、、、

受験すると決めたら一直線のワタシ。下の子がまだ授乳中で3時間と離れられなかったので、時には夫と子どもを連れて東京の受験会場へ。ロビーの隅でコソコソ授乳して試験(夫はその間、子を抱っこ紐入れてお散歩)→試験が終わってまた授乳というような受験生活。いい思い出です。

最後の1科目を取り終わるころには下の子がまもなく3歳というところ。熱も圧倒的に出さなくなってきたし、子育てしながら仕事をすることにも慣れてきました。

FPの資格の一番上は一応CFP(とFP1級)
一番上まで取り終わったら、誰かの相談にのるのもいいかもな、会社にいると相談を受けられない人もいるからな。と思い始めたのがこのころです。

会社を辞めたいと思うこともなく、起業しようと思うこともなく、でも会社外で相談にのるなら、連絡先を書いた名刺ぐらいはあった方がいいかな。

そんなことを思ったのが、私の人生の分岐点だったようです。

名刺の作り方を聞きに行き

今でこそ個人事業主を経て会社の経営者ですから、名刺を作るのはごく当たり前のことですが、雇われて働くだけの一介の会社員が自分の名前だけの名刺を作ることってそうはありませんよね。趣味用の名刺などはあるだろうけど。

名刺には何を書いたらいいかな、なんてネットで検索しているうちに、見つけたのが、起業のコンサルタントのウェブサイトでした。

起業なんてしようと思ってもいなかったので、名刺の作り方聞けたらいいやと申し込んだのが、そのコンサルさんのいわゆる「フロントエンド商品」にあたるものだったのです。

起業するつもりのない私が、起業コンサルタントのフロントエンドに行く。今考えたらありえないの一言ですが、知らないってそういうことですね。

そこで私は「SNS起業」という聞いたことも見たこともない働き方と出会い、うっかりと起業という道に足を突っ込むことになるのです。

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