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外国債券投資「実践特化」ガイド

オンラインFP事務所アセットマネジメント・オンライン代表者 めがl元メガ損保FP

債券投資スクール代表:めが│ローリスク・ミドルリターンの「証券会社が教えない」投資メインに活動中│資産運用・保険に特化したオンラインFP事務所│投資コミュニティ運営中│元メガ損保FP&マネーサイト相談員│生徒の成果こそ命!│元ESSEマネー記事ライター│

債券や金利の難解な本ではなく
直接債券に投資(現物)するには、
どこの証券会社でどうすればいいのか
何を知っておけばOKなのか

実践のみに特化して難解な理論を極力省いた記事を書いてみました。債券投資の「実践的な本」はめったに見ないです。株の本は溢れていても債券は本自体が少ないです。

Twitterでご要望が多々ありましたし、
無いなら自分で書きます!
とはいえ長々とは書いてません(笑)
気軽にお付き合いください。

https://lit.link/FPmega

※本記事は許可なく第三者へ公開すること、または本記事の内容を転載することは禁止しております。場合によっては法的措置をとらせていただきますのでご注意ください。

第1章
債券って何?

債券とは簡単に言うと「借金の権利証」です。私が「FPめが債」というのを発行したとします。

「FPめが債」発行条件
①100万円借ります
②10年後に返します
③年1%の利息を払います

これをあなたが購入すると、
以下の権利が発生します。

①年1%の利息が貰える
②10年後に100万円返してもらう

メリット:利息が貰える
リスク:私が破産したら返ってこない

こういうことですね。
ここでは仮に1%の利息としましたが、
利息がどれくらいなのかは、
主に2つの要素から決まります。

①発行される国の金利
②発行者の破綻リスク

まず発行される国が超低金利の日本なら、
利息は雀の涙です。

発行する側(借金する側)にしてみたら、高い利息を払うくらいなら銀行で借りた方が安いですから。ちなみに私のメインバンクにこないだ付いた利息は1円でした(笑)

それから破綻リスクですが、さっきの「FPめが債」で言うと私が破産するリスクです。この「潰れるかもしれないリスク」はいろんな呼び方がありますが「信用(しんよう)リスク」と覚えるのが一番いいと思います。

「デフォルトリスク」という呼び方もありますが、ピンとこないと思います。「信用リスク」でもピンとこないと思いますが覚えましょう。

信用リスクが高い=潰れそう
信用リスクが低い=潰れなさそう

といった具合に使います。

発行される国が同じなら、
利息がどれくらい貰えるかは
この信用リスクによって決まります。

ではここでクイズです!絶対潰れなさそうなA社と今にも潰れそうなB社の債券があって利息が同じだとします。どちらを買いますか?

「A社」という方が多いはずです。そりゃそうですよね。ではB社の利息がA社よりはるかに高かったら?それなら「B社もありかも」と考える方も出てきます。

信用リスクの低い会社=利息が低い
信用リスクの高い会社=利息が高い

需要と供給から自然とこのようになるわけです。

国が発行する債券を国債(こくさい)
会社が発行する債券を社債(しゃさい)
といいます。

第2章
外国債券(外債)の魅力

外国債券とは「外国で発行された債券」です。実践に特化するのでトルコや南アフリカなどは避けます。米国の債券一択です。

そもそもみんな株の話をしているのに、
私は債券と言っているのでしょうか?

理由はただ一つ、
世界一の信用力を持つ米国の金利が
十数年ぶりの高さだからです。

ちなみにコロナとかインフレとかの
「何故金利が高いのか」は無視します。
「実践特化」なので。

1章で利息は「発行される国の金利次第」であると書きました。つまり今「米国の債券は高い利息が貰える」のです。(利息の無い債券の話は後で)

高い利息を貰えても、
潰れそうな国では危険ですよね。
しかし米国は世界一信用力の高い国です。
そして通貨米ドルは世界の基軸通貨。

つまり「世界一安全な国の金利が高い」
のです。これは絶好のチャンスです。

米国の国債を米国債(べいこくさい)といいます。米国が破綻しない限り大丈夫な債券なので、世界一安全だと言えるでしょう。

その米国債ですら3.5%前後の利回りです。一方日本国債は…なんとなくわかりますよね。ただし外国債券には日本の債券にはないリスクが一つあります。

それは米ドルの債券だということです。
つまり為替リスクです。

「為替って何?」とか
「円高円安って?」という方は
外国債券以前に勉強が必要です。
そこは割愛します。

ここまで猛スピードできましたが、次章から早くも実践に行きます。実践に特化したいので解説に時間使いたくないのです。それは他の専門書に任せます。

第3章
米ドル債券実践編

投資信託やETFで間接的にではなく、直接債券を買うことを「現物(げんぶつ)債券」とか「生(なま)債券」と言います。

私は「現物債券」で統一していますが、
ただの呼び方なので好きな名前でいいです。

まずどこの証券会社で購入するかですが、
銘柄数でも手数料でもSBI証券一択です。
富裕層なら大手証券会社がお宝債券を
持ってきてくれるかもですが。

これからはSBI証券で購入するものと仮定してお話します。考え方はどの証券会社でも同じです。

まず米国債です。さきほど出てきた米国が破綻しない限り大丈夫な世界一安全な債券ですね。

額面と単価

さて、この債券がどのような銘柄なのか理解する順番ですが、最初に「額面」と「単価」から理解しましょう。

額面金額とは「満期に還ってくる金額」です。そして債券価格は「%」で表記されます。そして「額面金額=100%」です。

さっそく混乱してきましたね?
ここは「単価」と同時に理解すると
わかりやすいです。

単価=「購入額」です。
そしてこれも「%」で表記されます。
単価とは「額面金額の何%で買えるか」
という意味です。

例を挙げましょう。この債券は100ドルから購入できますので、100ドル買ったとします。

この場合は
額面金額=100%=100ドルとなります。
単価=額面金額×95.06%=95.06ドルです。

残存期間≒9.3年ですから、「95.06ドルで買えて9.3年後に100ドル還ってくる」という意味です。これを理解してください。これだけ理解できれば債券は8割マスターです(笑)

利率

次は利率です。
これは利息のことです。
「クーポン」とも呼びます。

利息のある債券を「利付債(りつきさい)」と呼びます。利率は「額面金額に対する」利率です。「購入金額に対する」と間違えないように!

この場合だと額面金額100ドルですから、
100ドル×2.75%=2.75ドル/年
貰えます。そんなに難しくないですね。

ここで「利回り」の説明をする前に紹介したい債券があります。これを見てください。

これも米国債です。
利率を見てください。
「利率0=ゼロクーポン」です。
つまり利息がありません。

利息の無い債券を「ゼロクーポン債」と呼びます。「利息のない債券なんて誰が買うの?」と思いましたか?

ここで「単価」を見てください。
71.43%となっています。
さきほどの利付債の95.06%と比べて
非常に安いです。

さきほど同様にこの債券を100ドル買うとします。すると額面金額は100ドル。単価71.43%なので、100ドル×71.43%=71.43ドルで買えます。

つまり「71.43ドルで買えて10.1年後に100ドル還ってくる」債券ですね。利息がない代わりに安く買えます。安く買えるので「割引(ディスカウント)されている」=割引債(わりびきさい)とも呼ばれます。

このように、債券には利付債とゼロクーポン債がありますが、ゼロクーポン債は社債には滅多にありません。

なのでゼロクーポン債を買いたいなら、
基本的に米国債になります。
では「利回り」の説明にいきましょう。

利回り

「債券を満期まで持ち切った場合のリターン」を年複利で表記したものを最終利回りと呼びます。以後「利回り」=「最終利回り」とします。

利回りが高いほど「発行者が潰れなければ」リターンが大きい有利な債券ということです。

欧米の債券利回りは「複利」表記です。つまり積立NISAとかでお馴染みの「年複利〇%」とかの右肩上がりの図と同じイメージです。

上のようなイメージですね。
満期まで長いほど大きく増えます。

では利回りとはどのように決まるのでしょう?ここで前に出てきた米国債に再び登場してもらいましょう。

この債券を満期まで持ち切った場合のリターンは2つに分けられます。

1つ目はわかりやすいです。
利息ですね。

ではもう1つは?
この債券の単価は95.06%ですね。
そして額面金額は100%です。

単価=購入額<額面金額
つまり満期には「買った時より増えて戻ってくる」ということです。これを「償還差益(しょうかんさえき)」と呼びます。

必ず償還差益が発生する訳では無く、単価の高い債券の場合は逆に「買った時より減って戻ってくる」場合もあります。この場合は「償還差損(しょうかんさそん)」と言います。

つまり債券のリターンは、
「利息」+「償還差益(差損)」となります。これを年複利に直したものが利回りです。利息の無いゼロクーポン債の場合、リターンは全て償還差益です。

格付けはご説明不要だと思います。
ただし格付けを絶対視しないでください。

以上です。
米国債を例に挙げましたが、
社債でも全く同じです。

現物債券はこれだけです(笑)
そんなに難しくなかったなら嬉しいです。

最後にお勧めの債券の書籍をご紹介しておきます。今のところご紹介した方全員から良書だったと言われてます。

終わりに

株式のリターンは期待値です。積立NISAで年利5%とか7%とか言うのは、過去の統計から「これくらいではないか」という推測にすぎません。

一方債券のリターンは確定値です。
「買った瞬間にリターンが確定」です。
ここが最大の違いです。

詳しい書籍やサイトなどはいくらでもあるので、初心者さん向けにとことん易しく具体的な記事を考えています。中上級者向けではありませんのでご了承ください。

先日相談者さんのお子さん向けにゼロクーポン債を使って学資保険代わりにしました。このような使い方も可能です。

それでは失礼いたします。
お付き合いありがとうございました。

FP事務所アセットマネジメント・オンライン代表者
めがl元メガ損保FP


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