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島根県益田市で週末フォトグラファーしてます。noteでは短編小説を少しづつ書いてみよう…

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島根県益田市で週末フォトグラファーしてます。noteでは短編小説を少しづつ書いてみようと思います。その他、写真や雑談とかも📸

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  • 写真まとめ

    スナップ、ポートレートなど撮った写真を載せていきます❗️

  • 短編小説まとめ

    オリジナル短編小説、書いてます。

最近の記事

撮影再開(後編)

それでは後編、雲行きが怪しくなってきてます。 しかしながら雨を待ってたりもしてました。 赤いタイル、昔からある商業ビルです。 Yさんの気合いも徐々に上がっているのがファインダー越しに分かりました。 ここは、以前からポートレートで撮りたいなと思ってた場所。 ロケーションが気に入って沢山撮りました。夜も撮ってみたいな。 仕上げに関して、トーンを統一して同じ雰囲気にした方がいいんでしょうが、どうしても変えたくなるんです。 この表情です、素晴らしい❗️クリップオンストロ

    • 一人暮らしの深淵(1)

      第一話 ご契約 「お疲れ様でした」  そう言って職場から帰路へ向かったのは十八時前だった。車を走らせ途中スーパーへ寄る。一人用のサラダとアジのみりん干、木綿豆腐、卵、牛乳をカゴに入れレジを通す。電子マネーで決済し、エコバッグに入れ替えお店を出る。いつもこんな感じだ。  一人暮らしを始めて十三年、恋人はいなかったが自由な時間を満喫し貯金残高を眺めてほくそ笑む、何の不満も感じずに暮らしてきた。仕事も概ね順調だ。しかしながらこの歳になると県庁建設課での業務は報酬に合った仕事量で

      • 哀しみと喜びの間

         月曜の朝、スマホのアラームが鳴る。五分経った頃ようやく身体を起こす。六枚切りの食パンを焼きコーヒーを煎れる。後はバナナを食べて歯磨き、着替えて出社の準備をする。いつも通りだ。ただ、気に入っていたボールペンが見当たらない、何処かへ忘れたか。まあいい、時計を嵌めて鞄を持ち家を出て会社へ向った。  火曜の朝、なんだか頭が重い、そんなに呑んだかな。晩酌は基本ビール一缶と決めていた。食べて着替えて出社の準備。相変わらずボールペンは見つからなかったが、玄関横にダンボールの束があった。

        • 撮影再開(前編)

          コロナ渦で自粛していたポートレート撮影、先日しばらくぶりに再開しました。というのも以前撮らせていただいたYさんとTwitterで都合が合うと分かり急遽撮影となりました。 撮影場所は益田市駅前町、全国的に見れば寂れた地方都市の飲み屋街。住んでいる者からすればこれくらいが丁度良い、そんな街です。 ファーストショットはこちら。 梅雨の晴れ間、強い日差しに白いワンピースが映えます。 この写真はポージングをキメてもらってなくて動きの途中です。こういうのは私の好みです。 カメラ

        撮影再開(後編)

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        • 写真まとめ
          2本
        • 短編小説まとめ
          4本

        記事

          青い傘

           今日は雨の降る朝だった。  非常事態宣言がされて以降、会社へは時間差出勤となり幾分空いた電車に揺られ、鞄と傘を持って手摺りに身を預けていた。車窓に当たった雨粒は次々と這うようにして電車の進行逆方向へ下りていく。そんな様子を眺めていると、踏切で立ち止まる青い傘が視界に入った。 紐付いた記憶に僕は、鞄を落としそうになった。  半年前、取引先の担当者で稲葉さんという方と仕事をしていた。僕よりずいぶん若いが指示主張が的確で仕事がしやすかった。それでいて人との距離感をわきまえて

          青い傘

          濡れる靴

           仕事が終わったのは二十時を回った頃だった。帰りを待ってくれる妻や彼女はおらず、途中コンビニで冷やし中華とおにぎりを買った。街灯が明るい歩道で親子とすれ違う。子供に見覚えがあるような、ないような。思い出そうとしていつの間にか妄想へ飛んでしまった。  あれは姪のアンナ、妹の子だ。どうしてここに?妹とは疎遠のままだった。おやじの葬儀で何年か振りに会って以来、何の連絡もとっていない。アンナの父親とは籍を入れなかったらしい。詳しいことは何も知らない。シングルマザーで病気にでもな

          濡れる靴