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〆切を守らん奴はやっぱ好かんな

溜まってた数本の原稿を昨晩ようやく脱稿しました。こうして夜に書いているnoteの方はまったく悩まないんですが(クオリティはともかく、です)。ここんとこ、仕事のほうでは筆が乗らず。ほとほと困っておりました。
でも、とりあえず〆切だけは死守できてホッと安堵。本日も来週〆切が待ち構えている別のインタビュー記事を書いておりました。

さて、〆切から発想を飛ばしてみましたら、時間にルーズな人の共通点ってのがいくつかあるらしいですね。
その一つに整理整頓が不得手で、予定をメモをしないってのがあるようです。そりゃあ、自身のスケジュールを管理することなく、他人の予定に縛られない生き方してるんですから、時間を守れるわけがない。

にも関わらず、あの人じゃないとこの仕事は回らない、〆切を守らないけど必ずいい仕事をしてくれる、って厄介な人がいるんです。で、そういう人に限って悪びれず、仕事のオファーも途切れない。今までの実績で以って、悪しきセルフブランディングができあがっちゃってるんです。周囲がそれを許容しているだけならまだいいんですが、ご自分でもそれでいいと思ってるからタチが悪いったらありゃしない。

わたしは、どんなに実力がおありでも、お願いしたら100%確実な結果が出せるとわかっていても、簡単に〆切を飛ばす人とは仕事をしたくありません。だって、時間を守るのは最低限の礼儀でしょ。約束を違えても「どうせ大丈夫だろう」、遅れることでどこかに皺寄せが生じても「誰かがケツを拭いてくれるだろう」、そういう甘えがあるってことです。最大出力80%の人となんとか二人三脚で頑張ってみて、100%目指すほうが楽しいと感じます。

でも、その一方で、仕事は一人じゃできないことも重々承知しています。わたしも時には誰かに負荷をかけちゃったりすることだってありますからね。そのぶん、ふだんはやるべきことをきっちりやってます(やっているつもりです)。

昔、幼いお子さんを持つママさんコピーライター氏とお仕事をご一緒させていただいたことがありまして。彼女は夕方4時になると保育所にお子さんを迎えに行かなきゃなりません。
今みたいにteamsだの、zoomだの、ありませんからね。Skypeのビデオ通話だってもうちょっとあと。打ち合わせや進捗状況の確認連絡などは、午前から午後3時前までに設定するのがベストでした。周りのスタッフは彼女のライフサイクルを慮ってほぼほぼ彼女を中心に動いていました。

これって今でこそ当たり前の働き方ではありますが、往時は生き馬の目を抜くようなブラック社会。いろいろと事情を抱えている人は、その事情がどんなに真っ当で仕方のないものであっても、フロントラインから容赦なく外され、業務に影響の少ないポジションに追いやられてしまうことなんぞ日常茶飯事でした。そんな中で、完全深夜活動型のデザイナーさんまでもが早起きして、酒灼けのガラガラ声で「おはよ〜。珈琲くれるぅ〜」ってやって来て、彼女の都合に合わせてミーティングに参加してくれていました。

彼女がどうでもいい三文コピーライターだったらそんなことになっていなかったでしょう。一緒に打ち合わせをすると、ワクワクするようなコンセプトが浮かび上がってくる。彼女の発する一言一句に、他のチームメンバーも刺激を受けてアイデアがこんこんと湧きいでてくる。各パートを担うクリエイターたちは、それに見合った仕事をするため、表情を引き締めプロの顔になる。そして数日後、最後には思いもよらなかったコピーができあがってくる。
そんな仕事のやりようを、彼女はお子さんを出産される以前から、散々っぱら我々に見せつけてきました。

そういうセルフブランディングをふだんから構築されてきたから、カメラマンさんもアートディレクターさんも、多少の不便や煩わしさを厭わず協働できるんです。チームに必要なメンバーだから支えたくなるんです。
他者に迷惑をかけやがって、シラっと開き直りやがって、〆切を守らない人のそれとは全然違います。

昔のクリエイターさんって、なーんか皆さんアウトローで。自分に厳しいけど、人にも厳しくて、パワハラ上等な方々が結構いらっしゃったんですけどね。そのくせ自分が認めた相手にだけはやたらと優しくて心が広い。嫌いになれない人ばかりだったなぁ。

わたしも一応は、彼らの薫陶を受けた三文編集者です。いいたいことはガンガンいうし、鬱陶しいくらい進行にはうるさいです。でも、そのぶん自分で書かなきゃならん時は〆切だけはちゃんと守りますし、編集としてもきっちりフォローアップします。
だからお願いします。〆切くらいは守ってくださいね。と、〆切をブッチしたライターさんにいってみるテスト(死語)。


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