母の日、姉と妹
5/8。
今日は母の日。
お母さんに感謝をする日です。
コンには、感謝したいお母さんはいません。
死別した、という訳ではありません。
産みの親、ママは生きてはいます。
ただ、とても感謝する気にはなれない、という事です。
簡単に言ってしまえば、コンはずっとママから虐待を受けていました。
暴力、屈辱、罵倒、精神的にも肉体的にも耐えがたい苦痛を毎日浴びていました。あの日々のトラウマが、鬱やパニック障害などの精神病の発症、深刻化に大きく関わっています。
そんな地獄のような生活から救い出してくれたのが、10年近く歳が離れ、早くに自立したお姉ちゃんでした。
逃げ出したコン、守ってくれたお姉ちゃん。
しばらく、2人きりの生活が続きました。
コンにはもう1人姉妹がいます。10年近く歳の離れた妹がいます。
虐待の矛先であるコンを失った母親が、妹を標的にする恐れがありました。
お姉ちゃんは、妹の親権を巡って、ママと裁判で争う事になりました。
生活力がある事の証明のため、借金扱いされてしまう奨学金の完全返済を済ませ、コンの手術代や治療費、さらに裁判費用を稼ぐため…
お姉ちゃんは、本業とは別に夜のお店、はっきり言うと風俗店で働き、まさに体を張ってコン達妹の為に頑張ってくれました。
結果的に、ママから親権が剥奪されて、お姉ちゃんは妹の後見人という事となりました。
名実ともに、お姉ちゃんは妹の母親代わりになりました。
あれから数年。
いまでは、姉妹三人で仲良く、楽しく暮らしています。
めでたし、めでたし、おわり。
終われないよ!
本題に、入ってないよ!
今日お昼頃、いつもコンの活動を応援してくれているゆうゆさんから、サポートが届きました。
確かに、今年の5/5、こどもの日。
コンは、お祝いの気持ちで、中学生の妹にエビを贈りました。
でも、正直なところ、お姉ちゃんに対して『母』というイメージがなくて、母の日をする考えはありませんでした。
でも、ゆうゆさんの言葉で、ハッとしました。
お姉ちゃんは、コンにとっても母親のような存在だ。
感謝を形にしないと!
といっても、いいアイデアが思いつかなかったので、
妹に相談してみると・・・
妹は、当たり前のように姉に対して母の日を用意していました。
「私にとっては完全に母親みたいなものだけど、お姉ちゃんにとっては○○さんは普通に姉だからと思って、今までひとりで勝手にやってたよ。ごめんね。」
※妹は長女を名前で呼びます。
※妹がお姉ちゃんと呼ぶのはコンだけです。
今まで勝手にやってた・・・
つまり、三姉妹で暮らすようになって早数年。
これまで妹は、一人でちゃんとお姉ちゃんに母の日をしていたのですね。
本当にしっかりした子です。
でも、今年は、コンも参戦です!
さぁ、どうしようか。
コンの思いついた作戦は全部で4つ。
その①、飲んで食べてラーメン屋さん作戦。
近所にすごくおいしいラーメン屋さんがあって、そこで久しぶりにお姉ちゃんにビールを飲んでもらおう!という作戦です。
でも、きっとお姉ちゃんは何かと理由をつけて、遠慮して一番安いラーメンを食べておしまいでしょう。
ヘタをしたら、コンの食べ残しをケアしようとして、ラーメンすら自分では頼まないかもしれません。
この案は、没です。
その②、王道深紅のカーネーション作戦。
母の日といえば、真っ赤なカーネーションらしいです。
でもコンがアレルギーなので、花束を買っても部屋に飾れません。
この案も没です。
その③、女子力爆発オシャレアイテム作戦
香水や、小物、マニキュアセットなどオシャレな何かをプレゼントする、という作戦です。
これは今をトキメク20代女子から、美人オトナ女子に贈るものとしてピッタリでは!と一瞬思いましたが…
コンはトキメイテもいなければ、オシャレも美容もなにも知らない干物女である事を思い出してしまいました。
趣味の合わない、オシャレアイテムは、ありがた迷惑だろうな・・・
低刺激、抗アレルゲンしか気にしないコンに、オシャレ女子を喜ばせるセンスはありません。
この案も、没。
困った時は、妹に聞くべし。
妹が用意したのは、美容院のヘアエステ予約券でした。
事前にお姉ちゃんの通っている美容院に電話して、「いつも節約のためカラーリングもせずカットしかしないけれど、本当はどんなヘアケアをしたがっているのか」をリサーチするようお願いしていたそうです。
調査結果をもとに、予算と相談して、希望に近いプランを特別に組んでもらい、その予約券をプレゼントする予定らしい。
まじか。めちゃいいね。
ラーメン屋でビール飲ませるプランが限界だったコンと、同じ母体から生まれてきたとは思えない、10歳近く年下の妹。
我が妹ながら、センスがいい。
みんなで使うもの、食べるものではなくて、姉一人の為だけのモノをあげたい。
遠慮せずこちらの贈った通りのモノを受け取ってほしい。
妹もコンと同じ事を考えていたようです。
だから、サービス金券とかではなく、もうプランを決めてしまったそうです。
最高じゃん、と思いましたが・・・妹には少し悔いがあるそうです。
予算の都合で、少し施術プランのグレードを下げたところがあるそうです。
「もっとお金があれば、私の考えた最強のヘアエステをプレゼントできたんだけどね。まぁ、ここから先は、私が大人になってからのお楽しみかな・・・」
と、妹が言ってピンときました!
オトナならおるぞ!お金を珍しく持っているぞ!コンの稼いだお金ではないですが。
という事で、コンも妹の作戦に参加する事にしました!
今思えば、よい案の思いつかない私を仲間にしてくれた、妹の優しさだった気がしますが…
とにかく、コンのいただいたサポートも足して、妹の考えた最強のヘアエステを姉にプレゼントすることができました!
妹にとっては、モチロン。
ママから逃げ出した10代の頃から、ずっとコンを守ってくれているお姉ちゃんは、コンにとっても『ママ』なんだって、改めて思いました。
これからは、普通の姉のレベルを超えて、コンたちの為に頑張ってくれるお姉ちゃんに、もっとちゃんと感謝を行動で示していきたいと思いました!
今回のブログはここまで。
おしまい。
ばいばい、またね。
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