【初投稿】偏屈なレンズ選び① 〜プチ贅沢 復刻版Summaron-M 28mm f/5.6〜
1.はじめまして
今回が初投稿です。宜しくお願いします。
趣味程度の撮影素人でありますが、布団の上から防湿庫を見ると、
500円のプラ製キットレンズや1.3kgの28mm F1.4などなど…
偏屈そうなレンズのラインナップが見え、少しnoteを書いてみようと
思い筆を執りました。
2.機材のプチ贅沢とは
会社帰りのスイーツ、日々の疲れを癒す温泉等色々あるかと思いますが、
カメラオタクとしてのプチ贅沢、これまでを振り返って初めて
少し贅沢だなと感じた機材がこれでした。
それまではキットレンズと2万円台の50mm F1.8、ちょっと勇気を出した
5万円くらいの35mm F1.8を使っていました。
初めてのZEISS、初めての10万円近いレンズで、会社帰りにヤマダ電機で
ドキドキしながら新品を買い、「ツァイス買っちゃった〜」と
ウキウキしながら帰った覚えがあります。
おかげで今でもZEISSが一番好きなブランドです。2017年12月のことです。
そしてその7年後、2024年8月、買ったレンズがタイトルにある
復刻版Leica Classic Series Summaron-M 28mmf/5.6(11695)です。
3.これの何が贅沢なのか?
本レンズ、新品購入で45万円でした。
45万円あれば、どんなレンズが買えるだろう?
ソニーFE 70-200mm F2.8 GM OSS II(SEL70200GM2)
ニコンNIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena
キヤノンRF 50mm F1.2 L USM
いずれもメーカー自慢のレンズですが10万円近くお釣りが返ってきます。
F値は5.6、焦点距離は所詮28mm、これに45万。
なるほどこれがプチ贅沢なんだなあと、買って1ヶ月半、身にしみています。
これ買う金で最新のAFレンズ2〜3本買えるなと気づくも後の祭りです。
では何故これを買ったのか。
記憶の引き出しを開けても先月の記憶がはっきり蘇ってきません。
多分見た目が可愛いなと感じたのだと思います。
某氏曰く「カメラは見た目が100パーセント」だそうですが、当然レンズも見た目が100パーセント。
レンズを買う理由など「可愛いから」で十分なのです。
4.サンプルショット
復刻版Summaron-M 28mm f/5.6の簡単な、かつ重要なスペック
焦点距離:28mm
開放F値:5.6
最短撮影距離:1m
最大撮影倍率:0.299倍
重量:165g
ライカMマウント,6bitコード付き
構成:4群6枚オルソメター(旧ズマロンのまま)
このスペックから分かることは…
「小型軽量」「大きく写せない(≒寄れない)」「暗い」
まさにオリジナルのズマロンの特徴を引き継いています。 故に、必然的に引きのスナップ的な使い方やライカの静音シャッターを活かした ノーファインダー撮影となります。
引きや寄り目でどんな風に写るのか、以下参考にならないサンプルショット群です。
全てF5.6開放で、CaptureOne Proにて、Leica Mフィルムモードの
スムースに近づけるようレタッチが入っています。
5.使ってみての感想
現設計は1950年代の本レンズですが、素直に驚きました。
F5.6と現代目線ではかなり無理のない設計なのかもしれませんが、
最周辺部以外は破綻がなく、安心して開放からバンバン使っていいと感じます。
最周辺部の若干の流れはありますが、本レンズのもう一つの特徴である
強烈な周辺減光で、結果的にはあまり目立たなくなっています。
いわゆる「線が細い」繊細な写りのタイプではなく、ハイコントラストで
マッシブな力強い描写だと感じます。
線が細くはありませんが、しっかり細かい部分まで解像し描写してくれています。
光学系そのものは古いのですが、逆光対策としてコーティングは最新のものに
置き換わっているのでフレアもあまり心配はしなくてもよいでしょう。
そして使い方として、本レンズはライカ判(35mmフルサイズ)ですが、
28mmかつF5.6なので開放でも5mほど距離を空ければ、
無限遠固定でほぼピントは問題ありません。
絞りと被写体までの距離に少しだけ気を使えばノーファインダー撮影も
楽でしょう。
基本的に昼間しか使えないレンズですが、しっかり写るレンズなので、
特徴さえ理解すれば安心してバシバシシバいていける良いレンズです
6.誰に向いてるレンズ?
確実にオールラウンドモデルではありません。
「強い周辺減光を活かしたい」「一癖ほしい」「可愛いレンズ」
「なんか一本ライカ」「アポズミは買えん」
こんな人に向いていると思います。
ちなみに、個人的にはライカを始め、レンジファインダーカメラでの使用が
前提の場合、ライカレンジファインダーレンズは新品で買えるものは
極力新品での購入をお勧めします。
新品も中古も価格差が小さい等もありますが、なにより、
ヘリコイドがガタついてくると露骨にピント精度が出なくなり、
かつ、根本解決するにはヘリコイドごと部品交換しかないので、
3年保証がつく新品での購入を強く推奨します。
(実際ヘタったヘリコイドの中古品で痛い目を見たことがあるので)
なお、パチモンと言わざるを得ない中華レンズもありますので、
見た目だけほしいなら中華もありです。
7.愚痴
相変わらず製造品質が悪い。ライカレンズは新品でも中にゴミやら傷やら多すぎる。
こと製造の品質ではコシナのほうがどう考えても上ですね。
8.最後に
また気が向いたら偏屈なラインナップ出してみようかなと思います。