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外国人と仲良くなるのも『類は友を呼ぶ』


英語に限らず外国語を勉強する人や、海外に興味がある人は、「外国人と仲良くなりたい」と思うことがないだろうか。特定の国の人と仲良くなりたい、と思う人もいるだろう。


私も英語が話せない時からそう思っていたが、実際に留学してみて当たり前のことに気が付いた。そもそも人と仲良くなるには共通点が必要だ。



『類は友を呼ぶ』という言い回しは英語にも存在する。

Birds of a feather flock together 同じ鳥は仲間で集まる という意味で、類友と同じ意味だ。

話をしていて共通点の多い者同士であれば、そばにいる機会さえあれば自然と仲良くなれる。


逆にどんなに自分が仲良くなりたいと思っても、共通点のようなものがほとんどなければ、なかなか仲良くなるのは難しいだろう。



それは日本人同士だろうが外国人同士だろうが、全く関係はなくて、まずは人間として合うかどうかがとても大切なことだ。



そんなことは頭では分かっているつもりでも、「とにかく外国人と友達になりたい」と思う時、それを忘れてしまうこともあるのではないだろうか。


1、どんなに外見が気に入ったとしても


私がイギリスのブライトンで語学学校に通い始めた時、クラスにはいろいろな国から来ている人がいた。イタリア、スペイン、トルコ。その他のヨーロッパの国からもたくさんの生徒が来ていた。アジア人はと言えば韓国人が多かった。日本人はほとんどいなかった。(料金がリーズナブルな語学学校にはアジア人は少ない)



最初はうまく英語を話せなかったので、親日、親切なトルコ人や、1人でいる人を放っておけない国民性のスペイン人と仲良くして(もらって)いた。



ふとクラスにとても美人の子がいることに気がついた。長身でモデルみたいなイタリア人だった。

私は隣の席になったので、「仲良くなりたい」と期待した。けれどペアで問題を解く時になると「チッ」とまずは舌打ち。実際に一緒に取り組んでも「英語全然分かってないよね?」と睨まれてしまう。

確かにまだ英語は下手だったが、通学し始めてまだ3日と経っていなかったので、ずいぶん不親切な人、と面白くはなかった。

「どんなに外見が綺麗でも、こんな人とは絶対に仲良くなりたくない」と思った瞬間だった。


それからというもの、実は心の中に「絶対に彼女より早く英語をマスターする」という黒いエネルギーが湧いていた。いつか「ぎゃふん」と言わせてやりたいと思っていたのだが、実際にそのような出来事がのちのちあって、私は密かに満足した。


そう考えると、一生懸命勉強するきっかけをくれた彼女にも感謝しなければいけないな。

全く関係ないが、語学学校の女の先生が、イケメンのトルコ人男性の生徒に、分かりやすく『えこひいき』していたことがあった。「サッカーのレフェリーになりたくて英語を勉強している」と言っていたその生徒に、「腰が痛いなら違う椅子を持ってきてあげようか?」と言ってふわふわした椅子を持ってきたりしていた。彼が満面の笑みで「Thank you」と言うと、先生は頬を赤らめていた。


私はその様子を見て、「いくらなんでも分かりやすすぎる」と唖然としたものだ。

(本当に関係ない話ですみません)



2、同じような行動をしている人は未来の友かも

コーヒーショップで読書でもしようかと思って行ったら、偶然に同じクラスの友達に会った、海辺を1人で散歩していたら知り合いにばったり会った、そんな思い出がある。

そんな時には、「同じ行動をしているんだな」とその人に一目置いてみたりする。同じようなことを考えて、同じようなことに興味を持っているのだから、気が合う可能性がある。

留学中、語学学校の友達に「パーティーがあるからおいでよ」と言われたら、どうせ1人で暇なんだし、極力行くようにしていた。けれど自分と気が合う友達ができてから、約束があったり1人で過ごしたい日もあるので、誘われても断ることも出てきた。

当時大学に通っていたMと出会ったのはそんな頃だった。たまたま誘われて行ったパブでダンスナイトか何かやっていて、踊っている最中にぶつかって、笑いながら「ごめーん」とか言ったのが最初だ。

「日本人?私日本って興味があるんだ。私?イラン出身だよ。大学でデザインを勉強してる。またゆっくり話そうよ」と私たちはノリノリでしばらく話をした。

その頃、その場で名前を聞いてfacebookで探して友達になる、というのが結構一般的だったので、Mともそうした。目が大きくて明るくて、英語はネイティブ並に上手くて、たくさんの友人に囲まれていた。

後日facebookでやりとりして「会おうか」となった時、出会った時の印象から、「また踊るところに行くのかな」と私は思った。だとしたらどうしようかな、あの時は友達のお別れパーティーだったからダンスナイトへ行ったけど、あの子と知り合うにはもっと落ち着いたところでゆっくり話したいな、という思いが頭をよぎった。

「どこに行く?」と私のメッセージ。
「ゆっくり話そうよ。図書館の近くのカフェはどう?」

よかった、私もちょうど落ち着いたところに行きたいと思っていた。

Mとはそれから、時々2人でカフェやパブで会って話をし、誕生日がすごく近くて星座が同じ魚座であること、物事に対して意見を持ち話すのが好きなこと、アートが好きなことなど共通点がたくさんあることが分かった。

何より最初に会ったのがダンスする場所だったにも関わらず、実は2人ともそんなに騒がしい場所が好きなわけではなく、落ち着いて話せる場所が好きだった。以来会う時は、飲み物をお供にゆっくり話ができる店ばかりだった。

2人で「何しよっか?」となった時、「それ、いいねえ!」と心から言える間柄だからこそ仲良くなれる。

私は「美術館に一緒に行こう」「音楽を聴きに行こう」「瞑想サークルに行ってみよう」そんな誘いに乗ってくれるMや他の友人と、少しずつ仲を深めていった。

友達とは、「一時期あんなに仲良く遊んでいたのに、最近は全く会ってないなあ」ということも多々ある。けれど、共通点が多かったから気が合って一緒に時間を過ごしたことがなくなるわけではない。

一緒に行った場所や仲良くなった過程があって、人生を過ごしているうちに、またどこかで繋がることもあり、それは嬉しいことだ。


3、日本に住んでいる外国人たち

私は夫にイギリスで出会い、普通のイギリス人だったところを日本に連れてきたわけだが、日本に住んでいる外国人といっても、事情はみんなそれぞれである。

「日本が好きで自分で日本に来ました!」という外国人は、なぜ日本が好きなのか理由を持っていることがほとんどだ。日本の漫画が好きとか、アニメが好きとか、日本の車が好きだという人もいる。

日本の寺や神社を訪れるのが好きだという人もいるし、人や文化が好き、どこも清潔なのが好き、とさまざまである。

あるいは「仕事で日本に仕方なく来ています」という人だっているだろう。

日本が好きな外国人と仲良くなるのは、そんなに難しいことじゃない。『日本』という共通点があるから、そのことについて色々と話せるし、日本についてこちらが教えてあげられることがたくさんある。

そんな時大切なのは、相手の国にもおおいに興味を持って、色々と質問することだ。

私もイギリスで色々な国出身の人に会ってきたが、「日本ってどんなところ?」「日本ではどうするの?」といった日本に関する素朴な質問はよく受けた。

実際に会話が始まって、これから仲良くなれるかな?という段階では、お互いの国の文化や習慣なんかを自然と語り合うことになる。

だからせっかく外国人と日本で出会った時には、その人の国について色々と興味を持って聞いてみるのが、仲良くなる近道だと思う。

また『日本に住んでいる外国人同士』も、情報交換をしたりして、仲良くなりやすい存在。イギリス人の私の夫も、オーストラリア人、アメリカ人の友人と英語で気兼ねなく話す時間は大切にしている。

同時に、私も在英の時に経験があるのだが、『同じ国出身だからといって、必ず気が合うとも限らない』ということもある。確かに当たり前なのだが、私がイギリスに住んでいた頃、「日本人同士仲良くしようね」と知り合った人の中にも、当然ながら気が合わない人もいた。

気が合う人がいればそれが一番良いのだが、気が合わないからといって『友達にならなくても良い』わけではないのが海外生活ならではである。

日本人が少ない外国の地域で生活していれば、「日本語で話したいなあ」と思う時や、日本人として必要な情報を集めなければならない時がある。(具体的にはビザや学校のシステムの違い、保険や年金、子供がいれば予防接種の違いなど多岐にわたる)

だから海外生活で同じ境遇の日本人の友人を持つこと、情報交換をすることは非常に大事なことである。

それと同じで、私のような純日本人が日本で暮らすのに不便を感じていなくても、外国人として不便なことや必要な情報を、夫は在日の外国人の友人から得ている。大切なネットワークだ。

海外生活を乗り切っていくには、楽しい時間を過ごせる友達がいるかどうか、が鍵を握っている。


4、同じ鳥を探すには自分の好きなところへ

自分の好きなものや、こと。それほど大切にしなければいけないものはこの世にないかもしれない。

自分が何が好きなのか分かっていれば、どこに行けば自分に合う人がいるのか、一緒に楽しめる人に出会えるのか、自然に分かるはず。

Birds of a feather flock together   英語圏にも、似たもの同士は集まるものだ、という言い回しがあるのだから。

1人が好きだという場合も、同じように1人が好きな人と出会えると世界が広がって良い。読書だって1人で楽しいものだけど、読んだ本について人と語り合うことは、読んでいる時と同じくらい楽しいと思う。

共通の好きなことがあれば、国籍関係なく、分かり合えるもの。これは本当に私が信じていることです。

自分と同じ鳥を探すには、自分が本当に好きなこと、好きなところへ。
行きましょう。


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