見出し画像

何度でも訪れたい美術館 〜オルセー美術館編〜

アートを観に行くことが大好きだ。
美術館や博物館に行き、芸術作品をこの目で見ること、それは心がときめくことで、私をワクワクさせてくれる。

パリのオルセー美術館

セーヌ川ほとりのオルセー美術館

パリには二度訪れた。最後に行ったのはもう8年前..!
フランス語がしゃべれないのでもちろん不便は感じるが、大好きな街だ。

理由はアートがあふれていること、そして素晴らしい美術館がいくつもあるから。もちろん食べ物も美味しい。

オルセー美術館が大好きな理由はなんと言っても、印象派の絵画がたくさんあること。

私には自分なりのアートの楽しみ方がある。

『アートには作者のメッセージがある。それを感じるには、本物の前に立って考えるのが大切』ということだ。

だから美術館に足を運ぶ。

みなさんも経験があるかもしれない。テレビや本で紹介されていた有名絵画を実際に見てみると、「なんだか思ってたのと違った」なんてこと。
モナリザは意外と小っちゃい、とか。

逆に、全く興味はないと思っていた絵を美術館で実際に見てみたら「これは素晴らしい!」となったこと。

私はその感覚がすべてだと思っている。作品は本物で、そこには画家の魂が込められている。その実物を前にして、『分からない何か』を感じるということは、自分とその絵、その画家との間に特別な何かがあると考えて良いと思う。

以前テレビで、キュレーターであり小説家の原田マハさんが、「美術館に行って作品を目の前にした時は、こうやって腕を伸ばして絵筆を持つふりをして、その筆が絵に届く位置に立って作品を見る。そこが画家が実際に立ち続けた距離だから」と言っていて、「なるほど!」と納得した。それ以来、私もそのようにしている。よりメッセージを受け取れる可能性が上がるのではないか。

オルセー美術館で、私は最初ゴッホの作品を見るのを楽しみにしていた。世界的に有名なそれらの作品は確かに素晴らしかった。そうなのだが、実際にゴッホの絵の前に立つと、その絵から不安や焦燥感、悲しさのようなものが私を襲ってきたような気がした。そして私自身も少し不安になった。

確かに素晴らしい絵画だが、「私はこの作品が大好きか?」と問われるとそれはNoではないかと思った。

私が、期待はしていなかったけれど実際に見ると虜になってしまい、絵の前から動きたくなくなってしまったのはマネだ。

エドゥアール・マネ(フランス語: Édouard Manet, 1832年1月23日 - 1883年4月30日)は、19世紀のフランスの画家。近代化するパリの情景や人物を、伝統的な絵画の約束事にとらわれずに描き出し、絵画の革新の担い手となった。特に1860年代に発表した代表作『草上の昼食』と『オランピア』は、絵画界にスキャンダルを巻き起こした。印象派の画家にも影響を与えたことから、印象派の指導者あるいは先駆者として位置付けられる。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)

マネの『草上の昼食』からは明らかな強いメッセージと、世の中に対する意見、カリスマ的な勇気というものがビシビシと感じられた。

サイズも大きい。こちらを圧倒する迫力があった。

オルセー美術館の草上の昼食

『笛を吹く少年』からも、同じように強いエネルギーを感じた。

当時オルセー美術館の日本語のオーディオガイドは女優の松坂慶子さんで、優しく聞き取りやすい声で「少年の後ろには空気の揺らぎがあって、マネはその空気も描こうとしました」と説明があった。

笛を吹く少年

確かにそのような色の濃淡、何かの移ろいのようなものが絵に見られた。

山田五郎さん

アートが好きな友人というのは得難いものだ。と思っていたら、イギリスでは容易くたくさん見つかった。というかヨーロッパ人のアートに対する垣根というのは、ほとんど無さそうだった。イギリス人の夫も出会った頃からアートが好きで、絵心もかなりあった。

そういう友人と美術館に行って、アートについてあれこれ話すのは本当に楽しい。

イギリスで出会った日本人の友人から、「KanaにおすすめのYouTubeがあるよ」と教えてもらった。それが山田五郎さんの動画である。

山田五郎先生は、アートのあれこれ、画家のあれこれを分かりやすく、とても面白く教えてくれる。ワダさんという若い女性が色々質問するのだが、この方はアートのことはあまり詳しくないし、まだ若いから知らないことも多いので、この人の質問に答えたり説明したりしながら動画が進んでいくのが、分かりやすくて本当に面白い。

マネのことも「マネ先輩」と呼んで色々説明してくれている。マネ先輩は、若手画家の中でも兄貴キャラで、やはりかなりカリスマ性があったとのこと。

草上の昼食やオランピアで、さんざんアート界の大御所から叩かれても、自分の信念を曲げなかった。そして自分のアートの力を信じ続けた。その姿に共感し、憧れる若手画家は多く、だから山田五郎先生も「マネ先輩」と呼ぶのだった。

どんなアートでも実際に見てみる

イギリスにいた頃、「どんなアートでも見てみる価値があるんだなあ」と強く思った。街はアートにあふれているし、アマチュアでもプロでも、自分が作品の目の前に立ち「素晴らしい」と思えばそれで良いんだ、とよく分かった。

オルセー美術館では、有名絵画の前に座りこんで模写する人を多く見かけた。

日曜日には小さな子ども達も、ゴッホの絵のまわりに座ってスケッチ。

「アートが本当に身近なんだなぁ」と実感した。

実際に見てみる、感じてみることが何より大切なんだ。

そして、絵を前にして心の中で画家に語りかけるのだ。

「マネ先輩、また行きます」

オルセー美術館 大時計 Musée d'Orsay

山田五郎さんの動画

他にもマネの回あります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?