フォーラム
犯罪被害者支援フォーラム2023 夢があるから頑張れる!~共に夢見る絆の力~
※ 例によってメモ書きからテキストにしています。誤記等あるかもしれません。
事故被害者で、のちに音楽教師となった前川さんとその恩師中村先生。
中村先生の熱い指導から、希望をもって中学~高校と吹奏楽に打ち込んだ女子生徒、前川さん。
高校の時にプロのトランペット奏者になるための音楽大学の入試へ向かう車に、飲酒無免許運転の車が正面衝突。報道では「軽傷」と報じられた。実際には、トランペットを吹くのに必要な唇がさけ、前歯は4本根元から折れ。手には無数のガラスくずが刺さり、それをブラシで落とす治療も。
事故の前の記憶は10年たった今もなく、車に乗ったあと、治療室に寝ている状態から記憶があるそうです。日頃怖いお父様が、涙を流しているのも見て、驚かれ大事なのだと自覚されたそうです。
顔や手に傷があり、演奏は無理だろうと誰もが思っていたのですが、事故の3日の後のテレビ取材に「くよくよしていられない」「今まで以上にうまくなれたら」と話していた前川さん。
先生が良く話されていた「赤ちゃんの頃から悪い人はいない、罪を憎んで人を憎まず」という言葉が心にあったそうです。(しかし、たまたま命があって運転していたお母様も命があったので、そう思えるのです、とも話されました。)
先生のほうが絶望して自分の教えたことも忘れていたそうですが、前川さんの気持ちを知って、世界中を敵に回しても彼女の夢を応援する、と決意されたそうです。
その後、多くの支援や本人の努力で、音楽の教師となって生徒に教え、同じ学園の短大のほうで中村先生指導されているとのこと。
後に、警察から、事故の加害者がまたやった、と聞いて中村先生は教師としていろいろと考えられたそうです。
いじめでも、犯罪でも被害者になることは防ぐのが難しい。家にいても車が飛び込んでくることもある。
人が加害者にならないようにすることはできる。
いじめであれば、たとえばまず相手が嫌がるあだ名をつけないなど、相手を思いやれる人間になれば。
そうして加害者がいなくなればと思われたそうです。
自動車の運転や整備、自動車の仕組みなどで気をつければ事故が減らせる、とも。
支援してくれる方も多かったそうですが、前川さんを支援することに反対する人も多かったそうです。生徒に実現しない夢を追わせるなとかや、おおごとにしてくれるな、など。
よその講演の際にいじめをなくす話をしていて、そんなのは無理だと笑う大人もいたそうですが、先生は「あなたみたいな人がいるからなくならない」と言われたそうです。
前川さんは、事故についてなんで私が!?と考えたり、大好きな音楽をやめようとしたこともあったそうです。
しかし、本人の気持ちは本人にしかわからないが、理解や知ろうとしてくれる人がたくさんいて今の自分がある、と思われたそうです。
音大ではみんなすごい人ばかりで、自分の音が怖いし、同情も嫌だと思われたそうで、なんで元通りに吹けないのか悲嘆もされたそうです。
しかし、昨日出せなかった音が出せるようになったことで、いままでずっと他人と自分を比べていたことに気づかれました。
昨日の自分と比べること、過去の自分と比較することのほうが大切だと感じられたそうです。
トランペットをあきらめないこと。
また、報道では軽傷だったが実際にはひどい怪我であったし、こうして演奏にも困難がある、報道が伝えていることは事実なのか?
あの時命を失っていたら、わからないまま夢を失っていたかもしれない。
いのちは今はあるけど、明日はないかもしれない。
一日一日、やり残しがないようにしっかり生きること。
それを伝えるべくして、今、生きていると。
事故の後、たくさんの人に支えられた。
新たな世代に教えていきたい。
音で恩返しをしたい。
困難にあっても支援する人々の存在が、人を強くまっすぐにするのだと感じました。
同時に、そうなれる方はとても幸運なのだとも思いました。
最後のVOISSの副理事長岩永さんのお話で、亡くなった方は伝えることもできないということを思いました。
第二部は佐賀県警音楽隊の素晴らしい演奏で、太陽にほえろ!のテーマや、刑事が走る場面のGパンのテーマも。武術の稽古の道場でよく聴く佐賀国スポのテーマ曲、Batons~キミの夢が叶う時~も隊員女性の歌と素晴らしい演奏で聴けました。