武器としての組織心理学

今年は本を読むペースが遅い、まずい。

それはさておき、今回は、いくつかある武器としてのシリーズの組織心理学編である。

ネットで本著に関する記事でよく見かけるようになったからなのか、市中の大型書店の店舗で探したが売切で見つからず。

なかなかないな、と思っていたら古本屋に並んでいたりして。
こういった本をサクッと手に入れられる日本は改めて良い国である。

さて中身の方であるが、すごく平たく書いてあり、心理学というよりは「感情」をうまく捉えてより良いチームにしていこうというもの。

組織は人で構成されていて、その中にいる人によって巧拙が決まるというのは体感的にあっている。
本書では妬みの感情のコントロール、チームの温度差の解消、隠れた不満を活用した有益化、権力との付き合い方、信用の取り戻し方、で構成される。

おそらく本著のターゲットとされる組織は大組織ではなくチームであり、そこから考えたらこのくらいのことがベースになるだろう。

ここからは完全に個人的感想だが、権力は強いが、指揮命令だけでは人は動かない。
金をもらうからプロに徹しろと言っても所詮は人の子。
好き嫌いはあるし嫉妬もする。
その感情は普遍的なくせに、意外と皆、理性ではなくそのような感情に影響されて物事は動き、処理を誤ると人が死ぬこともあるので、やはり適当には扱えない。

特に日本人は平等意識が強く倫理感が高いが故なのか嫉妬との付き合い方が下手な気もしているので、改めて振り返るよい機会にしたい。

最後に。
本著の最初の方のつかみにシレッと書いてあるのだが、いわゆるスターの割合が10割のチームより6-7割のチームの方が業績を上げやすいとある。
本著ではそこから大将ばかり集めてもチームとして機能しないという論理展開になるのだが、ここには含蓄がある気がしており、スターばかりのチームはうまくいかないし、バランスの良い組織というのはエースを集めたものではなく役割をしっかりと考えたチームビルドが大事と受け取った。

心理学は昨今、経済学や組織論に応用されており、行動経済学とか勉強しておくと面白そうだなと思った今日この頃である。

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