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Tokyoと言う魔法が解けた日

大都会Tokyo。
金/人/物/情報の集積地。
多くの人が職や豊な暮らし、夢を求めて集う街。
ネオンに吸い寄せられる羽虫のようだ。
眠らない街。成功者の街。あらゆる”最先端”の街。

この街が持つ魔力は、加速度的に強くなっている。
もっとはやく。もっと多く。もっと豊かに。もっともっと。
止まることを知らない。
いつからだろう。みんなTokyoと言う魔法にかけられていた。

 Tokyoのために産み、Tokyoのために運び、Tokyoのために働き、住む。
そうして日々、作られた豊かさの像を追い求め、みんな忘れてしまう。
荒野から、沢山の人たちが少しずつ社会を前進させてきたことに。
「奇跡」がいつしか当たり前となった幸せに。
みんな気づかない。少しずつその魔法により蝕まれている事に。

今、大きな外圧により、図らずもそも魔法が解けかけている。
あれ、こんなに働いていたのか。当たり前に通勤していたのか。
こんなにでっかいオフィスって必要なんだっけ。満員電車に疲れてた。
あれ、こんなに無駄に仕入れていたのか。意外と必要なものて少ないぞ。こんなにもお金が必要だったのか。
あれ、こんなにも近くに大切な人はいたのか。
そして呆気なくいなくなるのか。
あれ、あれ、あれ、あれ.....

無限に加速する資本主義がストップしたと同時に、
あらゆる「当たり前」の上に立っていた人たちは足元を掬われた。
無限だと思っていた物も、決してそんなことない。あらゆる事は、有限。
その事に気づいた時、怒るのか、感謝するのか。

「集積」による弊害を一気に食らい、今、Tokyoという幻惑の魔法が解けかかっている。

魔法が解けた日に何が起こるだろう。
完全に解けることはあるのだろうか。
事態が収束した時、自ら進んで再び魔法にかかりに行く人もいるだろうか。
わからないし、そこに明確な善悪は存在しない。

確信的に言える事。"それ"以前と以後で決定的に異なる事が一つだけある。

「中央集権」の是非が問われる時代が到来する。
経済のあり方も、人も、「分散」する価値が見出されるだろう。
いやむしろ前々から議題に上がって先延ばしになっていたテーマが
現実のものとして動き出すだろう。
幻惑から覚めた人は自らの頭で考え、自らで選択をする。

身体感覚を取り戻す、都会の波に埋もれる事を避けるなど、
自ら進んで都会を脱して、本当に自分に合う地を探し求める人も出るだろう。
時代にそぐわないスタンスをとる企業が選ばれなくなる。
無理な成長・拡大は正義なのか。
オフィスの場所が中心都市でなくてはならないのか。
住むために働き、働くために住む場所ではなく、機能としての都市という付き合い方もあるのではないか。

既存のメインストリーム、当たり前、マイノリティなど、あらゆる価値は今一度見直される。

いやむしろ、地球規模の代謝はこんなものではまだまだ甘いのかもしれない。
既存の価値とか言ってられないぐらい、あらゆる物、システムが崩壊するかもしれない。

けど、僕はあまり悲観していない。
歴史を見ると、常に破壊と創造は表裏一体。
何かが始まる前には、必ず何かの破壊と終焉がセット。

今はじっと耐え忍び、何を捨て、何を守り抜くべきかを考えぬこう。
僕らにできる事は、ただのそれだけ。

あとは手洗いうがい、よく食べ、よく寝る。
今日も世界を支えてくれるみんなに感謝。おやすみなさい。



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