The Green Inferno

監督は、”ホステル”などでお馴染みイーライ・ロス。

軽い気持ちで過激派環境保護団体に入った女子大生ジャスティン。ペルーの密林奥地で進む違法な土地開発に抗議する為、現地に赴き抗議活動をSNSで配信。世論を動かす一大事としてマスメディアに取り上げられ、一連の行動は成功したけど、帰りの飛行機が密林で墜落。墜落した場所は、なんと食人族の集落のすぐそば。次々と仲間が調理されて大変、という映画。

元々は、”ソーシャルジャスティスウォリアー=ネット上で浅い正義感を振りかざし、やたらに抗議する輩”なんて酷い目に遭えばいい、という発想から生まれたというこの映画。劇中冒頭にも「抗議してるフリさえ出来ればいい」という台詞があるように、昨今たった5分前にSNSのタイムラインで知ったような事柄について、大した考えも持たず自分の物差しだけで怒り、抗議したり、お手軽に偽善的な”いいね”やリツイートで行動した気になっている輩は多々いるわけだけど、ここに出てくる自称環境保護団体は、まさにそれ(いや、まだ実際に行動してるだけマシか)。なので、別にイデオロギーなんて持ち合わせてない彼ら(途中、それが露わになる台詞もある)が、とにかく密林で酷い目に遭っても、”日頃の行いが悪い”としか思えないのが、この映画の面白いところ。

密林奥地で食人の習慣がある民族に襲われる、といえば、やはりルッジェロ・デオダート監督の”食人族”が有名だけど、やはりこの映画も食人族へのオマージュが、たっぷりと盛り込まれていて、そもそもタイトルの”グリーン・インフェルノ”自体、食人族に出てくる地名だし、あの有名な”串刺し”も今回は、たっぷり特別に5種盛りで(もうちょっとあったかな?)!

食人族に襲われて食われると言っても、ただただグロテスクなだけの映画ではなく、しっかり笑いのツボを心得ているのは、監督が一流たる所以。特に後半辺り、とある方法で食人族を欺いて逃げようとするシーンがあって、そのとある方法が見事成功するシーンが、もう大爆笑。うわー!成功してるー!これはやばい!と手を叩いて笑えるくらい (詳細は、本編をご覧ください)。

結論として、大した考えも持たず薄い浅い正義を振りかざしてクソリプ飛ばしたり、何か行動したつもりになったりしてSNS上だけで暴れてるやつにロクなやつはいないし、そんなやつにまともな未来はない、という映画でした。

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