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能登半島地震被災地の現状を聞く 〜 ピザーラキャラバン、被災地で支援を継続中。

『震源に近い町へ行けば行くほど、被害が甚大で言葉を失いました。自然の恐怖を感じました。』

・・・齊藤さんのこの言葉がとても心に残りました。

ピザーラでは、今年1月に起きた能登半島地震以降、毎月「フードトラック」にて被災地で炊き出しを行っております。

実は、私の夫がフォーシーズの社員で、この能登半島地震の炊き出しに毎回参加しています。

無事に帰ってこれるようにと送る身としても毎回心は穏やかではないですし、帰宅後に現地の様子を聞くと、胸が締め付けられる思いがしています。
地震からもうじき4ヵ月経ちますが、徐々にニュース報道で取り上げられることも、SNSで見かけることも減りました。

なんだか、風化してないだろうか?
今、被災地はどうなっているんだろう?
被災した人たちは今、どうしてる?

家族から聞く話だけではなく、リアルな被災地の状況をもっと知りたいと思いました。

そこで、ピザーラで被災地支援の陣頭指揮をとられている、ピザーラ事業本部常務執行役員齊藤将志さんに現地の様子などをインタビューいたしました。

ー 毎月、炊き出しに行かれていると伺っていますが、人々の様子、被災地の様子はどうですか?

齊藤さん:1月8日に初めて七尾市に行きました。
地震から1週間経ったばかりの頃です。
最初は街のあちこちで常に緊急車両のサイレンが鳴り響いており、スタッフ全員が緊張感でいっぱいでした。
そんな中で、どんな顔をしてピザをお渡ししたらいいのか?「頑張ってくださいね」と言っていいものなのか?とても悩みました。
でも地元の皆様は私たちが思っていた以上に明るく、ピザを喜んで食べていただけたのでホッとしました。
避難している7、8割の方は高齢者の方ですが、いつも気軽に話しかけてくださったり、元気に明るく過ごしているように感じます。

避難所の現状としては、多くの方が自宅を修理しに戻られたり、自宅の庭にテントやインスタントハウスを建てて住まれたり、金沢の仮設住宅に移られたりして、被災者が100人以上いる避難所はもうほとんどありません。
現在炊き出しは、小学校、道の駅、公民館など、皆さんが集まりやすい場所で開催しています。

街の様子ですが、2月に能登半島穴水町に行ったときが驚愕でした。
七尾市でも多くの家屋が崩壊していましたが、さらに激しい家屋の崩壊と地面の荒れを目の当たりにしました。
その後、輪島市、珠洲市と震源に近い町へ行けば行くほど、被害が甚大で言葉を失いました。自然の恐怖を感じました。

ー インフラはどのくらい復旧しているのですか?

齊藤さん:1月に七尾市に行ったときはすべてのライフラインが停止していましたが、電気とガスは現在は1か月くらいで復旧しています。
ガソリンスタンドも2月には営業再開しています。
ただ、3月に輪島を訪れたとき、まだ自宅の水道が復旧していないと地元の方に聞きました。
(3月7日時点で輪島市の水道復旧率は4割)

また、インフラで驚いたことがありました。

1月は七尾市、2月は穴水町、3月は輪島市と珠洲市というように、徐々に能登半島を北上して炊き出しを行なっていたのですが、毎回金沢市からフードトラックで出発して、月が進むごとにどんどん能登半島の奥地に進んでいるのに、炊き出しの場所までかかる時間が、毎月5時間くらいなんですよ。どういうことか解りますか?

道路がどんどん復旧しているんです。
先月はなかった道が、次の炊き出しのときに出来ていたりしています。元の道がもうダメだから違う道を作っていたり。道の復旧はすごく早いなと感じました。

ー ニュースなどでは報道されておらず、現地で知ったことはありますか?

齊藤さん:2月に初めて訪れた場所でのことですが、地震から2ヵ月近く経つのに自衛隊以外の第三者機関の炊き出しは、ピザーラが初めてだと地元の方に言われました。
ニュースで報道されている避難所などは、大きく取り上げられているため、多くの第三者機関が炊き出しを行っていたようですが、報道されていなくて第三者機関があまり訪れない避難所はまだ炊き出しが行き届いていないんだ・・・と痛感しました。

また、3月に訪れたときにびっくりしたことがあります。
地震から2ヵ月経つのに、まだ車中泊で過ごされている方がいらっしゃったんです。
訳を聞くと、ペットと一緒に避難されていた方でした。
ペットと過ごせる避難所は少ないようですし、自宅も被災していて戻れない。
仮設住宅も入居待ちだけど、ペットを飼っている人はどうしても後回しになっているように感じました。

あと、炊き出し開催のご相談をしている方より、「被災者の方々の栄養状態の偏りが懸念されるので、野菜をメインとしたピザを提供していただけないか?」との打診がありました。そこで、私たちはトマトをメインとした野菜系のピザ「イタリアーナ」を提案させていただくなど、状況に応じてリクエストにもお応えしております。

ー 今、私たちにできること、募金や買い物による被災地応援くらいしか思い浮かばなくて・・・それ以外に何かできることはありますか?

齊藤さん:今回、被災された現地の方とお話をしていて、非常に印象的だった言葉が、「宣伝でも売名行為でもいいから、そんなこと気にしないで来て欲しい」と。
「話題になることで、いろんな企業や支援者の方が目を向けてくれるんです」と。

また主観ではありますが、募金はその後、お金がどこで使われるのか、ご自身で理解し、納得してから行うのが良いと思います。

買い物による被災地応援も良いと思います。
石川県には美味しいもの、良いものがたくさんありますからね。

ー 日頃から災害に備えた準備はしているつもりですが、被災地を実際にみられて、やっておいたらいいと思ったことはありますか?

齊藤さん:日頃からキャンプをしている人は強いなと感じました。
テントも張れるし、簡易トイレも準備しているし。
またキャンプ用品は、避難用具にもなることも解りました。

ー 今後の炊き出しのご予定があれば教えてください。

齊藤さん:4月は輪島、5月と6月も能登半島のいずれかに訪問予定です。
もちろん、6月以降も訪問する予定です。

最後に、齊藤さんが話されていたのが、現地で起こっている窃盗や詐欺被害の話でした。ニュース等でも報道はされていましたが、それ以上の被害が現在もまだ起こっているようです。
お話を伺っていて、私も強い憤りと悲しみを感じています。

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「長閑ですごくいいところ」

去年、夫がフードトラックの出店で初めて訪れた石川県珠洲市。
送られてきた写真は、深い深いコバルトブルーの海の写真と、ホテルがなくて急遽泊まることになった旅館の看板猫の写真でした。

私はこの2枚の写真にひとめぼれして、いつか絶対訪れたいところのひとつが珠洲市です。
少し先になるかもしれませんが、いつか絶対訪れようと思っています。

※残念ながら看板猫のいる谷野旅館さんは支援者の方々の宿泊利用が終わり次第、廃業なさるとのこと。

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フードトラックを使った移動販売事業の「ピザーラキャラバン」では、このような支援活動も行っている他、全国のピザーラがお届けできない地域の方にも、ピザーラのピザを召し上がっていただけるよう、日々、フードトラックにて移動販売を実施しております。

■「ピザーラキャラバン」のスケジュールは随時公式サイトに掲載しております。
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https://www.four-seeds.co.jp/brand/pizzala_caravan