断片と解釈
人が人のことを理解できるのは、毎日のように会い、毎日のように言葉を交わすからだ。要するに、情報がなければ判断ができないということだ。
だから、会話がなくなると、途端にその人のことが分からなくなる。会話がなくなるということは、その人との関係性もなんらかの形で変わっているだろうから、同じ情報でも解釈が違ってくるのが当然。だから、判断に悩むことが増える。
でも、会話とはちょっと違うところで、「ん?」と思わされる情報が飛び込んでくることがある。
それは、今の自分自身の心境と、結果としてどこかつながっている部分があるからだ。あくまで結果として、だと思うけれど。
それは、今の自分が置かれている行動とどこか似ているように思えた。
もちろん、情報は断片にすぎない。似ているように見えたのは、あくまでこちら側の想像に過ぎず、情報の解釈として自分の状況を過剰に入れ込み過ぎているのだろうとも思う。
それでも、だからこそ、気になった。きっと心の中は自分と違っているのだろうけれど、なんかわかるような気もしたからだ。
推測するに、いつもとちょっとだけ違った状況だったんじゃないだろうか。
何かが大きく変わるような状況ではないのだろうけれど、ちょっとだけ違っていて、落ちかない気分だったんじゃないだろうか。何か気になっていることがあるんだろうな。気になっているというか、待っているんだろうか。
そんなことを想像させるものだった。
何かあったのか確かめたい気分にもなったが、さすがに無粋なのでやめておいた。まあ、そこまでのことじゃないだろうしな。
会話ができるという状況、余計な推測をしないで済むという状況は、なんと素晴らしいことだろうか。
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