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それでも、ファッションの魔法にかかりたい。

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2017年、「誰がアパレルを殺すのか」というタイトルの書籍が話題になったように現在のアパレル業界は 「沈む船」と表現されるような現状。91年には15兆円あった市場規模は17年には… もっと読む
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2018年12月の記事一覧

僕はファッションデザイナー

2018年、foufouとっても楽しかった。 これまでで一番、楽しかった。 僕はやっと自分を「デザイナーです」と 言えるようになった。 文化服装学院在学中、夏休みに課題もやらず 糸まみれになって作った服を販売した2016年夏。 なんかやれそうな気がした、なんかやらなきゃと思った。 そしてたった数着の服に、受注がついた。 会ったこともない、遠い街に住む誰かにこの情熱が届いた。 その時の感触は、今でも忘れていない。 しかし僕は自分を「デザイナーです」だなんて 口が裂けても言

"優しい消費"を考える

安いものも、高いものも、 誰かから譲り受けたものも、 そのモノへの捉え方、扱われ方で、 "いいもの"にも、"よくないもの"にも変わる。 例えそれが大量生産された安価な、 最高品質と言えないものでも、 "ちゃんと"使いたい人が使えば "ちゃんと"使い果たされていく。 "量より質"という言葉だけが独り歩きして、 「質の良いもの=価格が高い」ように思われているけれど、 一概にそうではなく、よいわるいは "使われ方"が大きく関わっているはずだ。 しかし、ちゃんと使ってもらうには

" 私に合いそうな服がやっと出たので買わせていただきます!" という言葉が染みる。

題名にある言葉を僕は頻繁にお客さんに言われるのだけど、 そのすごさ(これは僕がすごいのではなくお客さんがすごい)に 最近気づいた。 その方々は「買いたいものがないのに」 foufouのインスタやLINEを ずっと見てくれてたということだ。 "買うものがあるから見に行く店"と "買うものは(今のところ)ないけど見てる店" 実は後者のほうが、 今の時代には優位な気がしている。 特にインターネット上では 全てのコンテンツがある意味競合だ。 いかにお客さんに「思い出してもらえ

"美意識"が重要になったインターネット

ECでマーケティングをすると、大抵は 「より広がるように」設計するのが基本だ。 ただ入口を広げすぎると お客さんとなるターゲットがどこからどういう気持ちで 入ってきて、なにを目的として購買してくれたのかが判断できなくなったり 入口が広い分、綺麗に整えるのが難しくなってしまう。 インターネットがインフラ化した昨今、 消費者は大量の情報を浴び続けた結果、 稚拙な広告や打ち出しを嫌う。 より「美意識」が重要になったと思う。 例えば、分かりやすい例では 終戦直後は物がそもそ