見出し画像

元カメラ修理者が語る#3 プロの静電気対策教えます!

みなさんこんにちは。fotomotiの中の人 『HIRO』です。

『元カメラ修理者が語る』シリーズの第3弾をお送りします。#1と#2では、カメラを取り扱う上で注意すべき、梅雨時期ならではのポイントをご紹介しました。まだ読んでない方はこちらをチェック!!

元カメラ修理者が語る#1 梅雨の時期はご用心!

元カメラ修理者が語る#2 梅雨時期のカビ対策

話は変わりますが、よく聞かれるのが『カメラの修理ってどうやってやるんですか?』とか『どんな道具を使って修理するんですか?』というご質問。

画像7

こういった質問にも、このnoteの記事でお伝えしていきたいと思います。

そこで本日は、変化球にはなりますが、『修理のプロ』がカメラ・レンズを修理する際にどんな道具を使っているのか、ご紹介しようと思います。

たくさん紹介したい御用達の道具があるのですが、一回では伝えきれないので、今日は静電気対策で使用しているツールについてお伝えします。

■修理の敵の一つ 静電気

画像5

修理する際に注意すべきポイントの一つとして、「静電気」があります。

デジタルカメラは、シャッターのように、それ自身が動くメカ駆動部品に加え、画像をデジタル処理する撮像素子やなど、多数の電子部品が搭載されています。この電子部品は静電気に弱く、壊れやすいリスクがあります。

この静電気が、修理者にとっては本当に恐ろしい…

通常、電化製品や精密機器は外側がカバーで覆われ、内部の電子部品が静電気の影響を受けないように設計されていますが、修理の際は電子部品がむき出しになるので、細心の注意が必要なわけです。

画像2

■静電気発生の仕組みを知ろう

体質や健康状態など、静電気の発生しやすさは人によって異なりますが、何よりも影響を受けるのが身に付けている衣類です。

実は静電気はプラスに帯電しやすい素材と、マイナスに帯電しやすい素材がこすれた時に発生します。

衣類の素材は様々ですが、
・プラスに帯電しやすい代表的な素材は「ナイロン」「ウール」
・マイナスに帯電しやすい代表的な素材は「アクリル」「ポリエステル」
です。

画像5

ポリエステルのスカートにナイロンのストッキングは静電気が非常に貯まりやすい状況ですので、「バチッ」となるわけですね。冬の時期、皆さんも経験ありますよね?

一方で衣類の素材の中には、プラス・マイナスに帯電しにくいものがあります。「麻」「綿」「絹」といった素材です。こういった素材を身に付ければバチッとなりにくいのです。

■静電気を防止するグッズ

ですので、修理に取り掛かる前はまずこういった素材の衣類を羽織ります。
それがこちら!

作業着置き

素敵なユニフォームでしょ!サラリーマンなので、通勤スタイルはスーツにワイシャツですが、仕事中はこの格好に変身します!

愛着あるので、他部門との打ち合わせなんかもこれを着たまま参加。浮いているというか、目立つというか。。。本人が気にしてないからいいですけどね。

他にもいくつかの工夫もしています。まずは靴。

靴のインソール、底面が特殊な素材と構造で作られていて、体内にたまった静電気を靴底を通じて地面に逃がしてくれます。

こんな感じのものですね。

作業靴2

こちらの靴。もともと通気性が良くないのか、私が汗っかきだからか分かりませんが、夏場は蒸れることが多いです。。不快な臭いが発生しないよう、消臭スプレーしたり、乾燥剤突っ込んだりと、色々対策を実施してました。

更にはこんなものも。なんだか分かりますか?

グランド

こちらは、「アースバンド」(他にも呼び方があるかもしれません)といい、写真のように手首の部分に装着して使用します。こちらも体内にたまった静電気を逃がしてくれる働きがあります。

ついつい外すのを忘れたまま帰宅することがあって、周りの人に「不思議な時計だなぁ」という目で見られて、つけっぱなしなことに気づくことがありましたね。。

グリーンの背景にもご注目。テーブルにゴム製の作業用マットを敷いていますが、こちらも静電気が貯まりにくい工夫の一つになります。

ここまでやれば静電気対策はバッチリ!やっと作業のスタートですね。

■まとめ

修理のプロの静電気対策、いかがだったでしょうか?

皆さんの大切なカメラをしっかり修理できるよう、細心の注意万全の対策をしていることが少しでも分かっていただければ幸いです。

どんなに注意していても、絶対に壊れない製品なんてありません。万が一あなたのカメラが壊れてしまって、入院することになったとしても、、、

安心してください!

万全な体制で修理に臨み、しっかり直してくれる修理の『プロ』がいますから!

*************************

次回はカメラを分解・組立する際に使用しているドライバーやピンセットにスポットを当ててご紹介する予定です。

読者のみなさんの質問も受け付けてますので、気軽にコメントいただければと思います!!

【参考】

*************************

fotomotiって何?という方は下記のマガジンをご参考に♪

まだfotomotiの会員登録(無料)がお済みでない方は、登録をぜひお願いします!

↓会員登録はこちらから↓
「ユーザー登録 ログイン」よりCanonIDの作成をお願いします。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?