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はじめに

 虐待されて子どもが亡くなるなどという痛ましいニュースを聞くと悲しくなりますね。
 親のもとで暮らすことができない子どもたちは日本で約4万2千人いるといわれていますが、多くが児童養護施設や乳児院で暮らしています。こうした社会的養護の子どもたちは、施設ではなく里親のもとで暮らすこともできます。海外では里親や養子縁組というのは一般的ですが、日本では、古くからの「家制度」の価値観からか、里親よりも施設で暮らすという風潮が続いていました。(実親さんが我が子を他人に任せるよりも施設の方が良いと考えるようです。)

 ですが、いろいろな調査や研究で、特に乳幼児期に特定の大人からの愛情を受けないと「愛着障害(アタッチメント障害)」になってしまいます。詳細はまたお話しするとして、こうした問題はその後の発達や大人になってからもいろいろと問題として残ることわかっています。本人たちもコミュニケーションに問題を抱えたり、就職が上手くいかなかったり自立するのが難しいこともあるようです。

 厚生労働省が2017年8月「新しい社会的養育ビジョン」を発表して「家庭的養護」を推進するとして目標数値を発表しました。

  • 3歳未満の乳幼児は、5年以内に里親委託率を75%以上。

  • 未就学児童は 7年以内に里親委託率 75%以上。

  • 学童期以降の児童は概ね10年以内をめどに里親委託率50%以上。

※施設での滞在期間は原則として乳幼児は数か月以内とし、
学童期以降は1年以内とすること。
※特別なケアが必要な学童期以降の子どもであっても、3年以内を原則とすること。

本来は2022年が5年後にあたるのですが、既に目標年度が過ぎてしまったので、再度2025年、2027年、2030年と新たに目標年を作ったようです。

 施設よりも里親に委託するようにと国は示していますが、都道府県や中核都市など、自治体の児童相談所がどこへ委託するかを決定しいます。国の方針が決まっても、児童相談所は施設へこどもを送ることをなかなか止めないで、なかなか里親委託が進んでいない現状があります。どうしてなのでしょう?

また特別養子縁組がもっと知られて、望まぬ妊娠で赤ちゃんを遺棄する女性が増えないようにと思います。こうした養子縁組についても記述していきます。

この「note」に現状の課題などを記すとともに、家庭的養護を進める活動について記していきたいと思います。そして現役の里親さんたちの声も掲載していこうと思っています。
お読みいただければ嬉しいです。どうぞよろしくお願い致します。


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