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魅力溢れるミステリーの世界…青戸しの×FOR YOUきっての本好きゲストによる、愛読書や本への情熱を綴る。

今回はFOR YOUで “本が大好き” なお二人、
所属タレント・青戸しのさんと、広告事業部の社員・熊澤萌さんによる対談です!

それぞれの好きな作品や読書への思い、そして青戸さんが特に好きな「ミステリー」をテーマにお話していただきます。

左:熊澤 萌(FOR YOU社員)
右:青戸しの(FOR YOU所属タレント)

──青戸しのといったら“ミステリー”というイメージがあり、書評も書いていたりしますが、あらゆるジャンルの中からミステリーばかりを読むようになったきっかけは?

青戸しの(以下、青戸):昔から、休日はお父さんに書店へ連れて行ってもらうことが多く、色々な作品の種類がある中で、当時小学生だったので青い鳥文庫(講談社)」に結構目がいったんです。
「青い鳥文庫」はミステリー系とか、若干ホラーよりの作品が多かった印象があって、きらきらした童話のお話も好きだったんですけど、そこで謎解きっていう楽しさを小学生の時に覚えてしまって。もうそこから日常のようにミステリーを読んでいるという感じですね。
人生で一番最初に読んだミステリーが「そして五人がいなくなる/はやみねかおる」で小学生でも読みやすく、私にとって衝撃の一冊でした。

熊澤萌(以下、熊澤):講談社さんとお仕事をご一緒させていただいているのですが、小さい頃みんなやっぱり青い鳥文庫は読むし、思い入れのある作品の話をすると人によってばらけるから面白いよね〜って話になりました。
ちなみに私は「クレヨン王国 月のたまごシリーズ/福永 令三」っていう本が好きでした。

青戸:懐かしい……!

熊澤:ファンタジー、SF要素のある恋愛小説で面白くて、当時図書館で読んでいたのですが、大人になってから買い直しました。

──熊澤さんも昔から本が好きだったんですか?

熊澤:小学生くらいからですね。
母親が読み聞かせを頑張ってくれていたこともあって、それがきっかけで本を読み始め、家にも沢山本があり、昔から読む習慣はついていました。

──今回のテーマであるミステリーですが、お二人の好きな作品について教えてください。

青戸:最初に評論させてもらった、「○○○○○○○○殺人事件/早坂吝」が私はここ数年だと一番かな。面白いというか…ミステリー小説を読むと、だいたい先読みできたりこの人ちょっと怪しいなとか、謎が解けるようになってきちゃったりする中で、こんなの分かるわけない!っていう、凄く悔しさいっぱいの作品。これは、ミステリー初心者の方にもおすすめできる作品です。

あと個人的に好きなのは「十角館の殺人/綾辻 行人」でミステリー慣れした人でも唸らせられる作品なんじゃないかな。
綾辻 行人先生のデビュー作でかなり昔の作品だけど、今でも表紙が新しくなったり漫画にもなるくらいの人気作です。

あとは、「方舟/夕木 春央」
これは去年の1月くらいに講談社さんの書評で “多分年内にこれ以上面白い作品に出会えないだろう” って書いてるんですよ。年明け早々、絶望してて。
もう今年(2022年)これ以上の喜びはないだろうなーくらいに思ってて。
そうしたらつい最近(2023年)、夕木さんの新刊「十戒」が出たんですが、この短期間で「方舟」を超えてきたことと、もうこれ以上面白い作品ないって書いちゃったもんだから、どうしていいか分かんなくて。感想に困ったというか、もう素直に謝るしかなかったです。

熊澤:私は正直ミステリーはそんなに沢山読んできてはないのですが
人が死んでるということを前提にした作品が私の中ではミステリーだとこれまでは思ってたんですけど、最後に伏線回収をしていったり、種明かしをして気持ちよくなるみたいなことで言うと、「この女/森絵都」はミステリー要素があって面白かったなって。有名な「カラフル」の作家さんで、自分の母親にもおすすめしたりしてます。

あと、先日文壇バーに初めて行ってきたんですけど、隣の席に座ってたお姉さんに今まで読んだ本の中でおすすめを聞いたら、「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない/桜庭 一樹」が一発目に出てきて。同じだ〜!てなってめっちゃテンション上がったんです。

青戸:運命の出会い……私も行きたい!

熊澤:「私の男」で直木賞をとっている方なんですけど、元々ライトノベル作家さんだから文体が軽くてサクサク読みやすい。初心者さんにもおすすめですが、内容としてはすごく辛い作品です。

あとは、中村文則さんの作品ですかね。一番好きなのは「何もかも憂鬱な夜に」なのですが、「銃」「掏摸」の方がミステリー感が強いかもしれません。

最近、講談社さんから絶対好きだと思うよとお薦めしていただいた「無限の月/須藤古都離」もめちゃくちゃ面白かったです。
二日間で読み終えました。

私は、少し弱い立場の人が人生どうしていくのかみたいな話とか、内にこもってる話が好きなので、割と女性作家さんの作品を読むことが多くて、ミステリー作品以外だと今村夏子さんとか綿矢りささんが好きです。 

青戸:色んな作品を読んでいると、ジャンル問わず “こういう雰囲気の作品が好き” は出てくるような気がしていて、私は人が死ぬ前提のものが好きなんですけど、そうじゃなかったとしたら、疾走感のある激しい作品・感情が揺さぶられるような作品が好き。

「ひらいて/綿矢りさ」はめっちゃ好きです。 文庫本も電子書籍も映画も買っていて、常に手元に置いておきたいくらい好き。
主人公の心理描写で、好き!っていう台詞があったんですよ。

だれかが私の側を通り過ぎてゆくとき、私はいつも、それが見知らぬ人であっても、相手の手をつかんで立ち止まらせたくなる。

ひらいて/綿矢りさ

この子、すごく甘えん坊でわがままで、やっかいな子なんだろうなって思ったんですけど、
大事なのはそこじゃないってラストでひっくり返される。ただ、私はオチよりも序盤・中盤の、女の子が絶対みんな持ってるであろう、 “欲しいものが手に入らない窮屈さ” だったり “欲しいものは絶対に欲しいし溺愛されたい” みたいな思春期特有の甘ったれた部分が綺麗に描写されてて、良い意味で「うぅ…!」ってなりながら読んで忘れられない作品です。登場人物も全員好きです。

──作風の話の流れで、ミステリーといってもそのなかでさらに細分化されていますが
どんなサブジャンルが好きですか?

青戸:私が好きな作品は、ほとんどがクローズドサークルです。
現実ではあり得ないスリルとか、非日常が一番味わえると思います。
例えば街で殺人事件が起きちゃったら、現実だと警察が介入するだろうけど、そういったリアリティを完全に除外した物語として没入できるところが好きです。
さっき紹介した、「十角館の殺人」もクローズドサークルです。

──しのちゃんが好きな「十角館の殺人」を事前に熊澤さんには読んできていただきましたが、どうでしたか。

熊澤:半年前に事件が起きた十角形の奇妙な館が建つ孤島に7人の大学生が行き、そこでまた新たな事件が起きるといった話なんですけど、テンポが凄く速いんですよ。 
次から次へと色んなことが起きて全然飽きないです。
書籍の分厚さ的に、週末で読み切れるかどうか少し焦ってたんですけど、日曜日の14時ぐらいから読み始めて20時ぐらいには読み終わってました。
どんどん先が気になる作品で面白かったです。

最近は有隣堂のYouTubeチャンネルだったり、著名人が書店に行って1万円で自分が気になる本を買って紹介するみたいな企画をやっているチャンネルも見てるんですけど、虫眼鏡さん(東海オンエア)も、この”館シリーズ”を綾辻先生作品の中で特にお気に入りとして紹介していました。

本の帯に、“衝撃の一行に震える” って書いてあるんですけど、種明かしの場面で「こいつが犯人だ!」って誰が読んでもわかるような一行のことを言ってるんだろうと私は思ってたのですが、レビューを読んでいるとこの一行はラストの部分って感じている人もいたので、捉え方は人それぞれみたいです。

青戸:へ〜〜!私も「こいつが犯人だ!」の部分だと思ってました。
確かに言われてみればどっちともとれる、そんなラストだったな〜。
私が買った時ってまだその帯じゃなくて、 “衝撃の一行” っていうのがない状態でも記憶に残る一行でしたね。

──ずばり、ミステリーの魅力とは?

青戸:綿矢りささんの「ひらいて」だって、ミステリーではないものの、人が死んでもおかしくない世界線が描かれてる。自分の心の中がぐちゃぐちゃになる作品が私は好きで。
人を殺すまでに至った動機とか、誰かを殺害しなければならないほどの感情とか、愛憎とかが渦巻いているのが凄く好きだから、結果として人が死んだり、ミステリーが好きっていうだけなんですよね。
人を殺すって、だって相当じゃないですか。普通に生きてたら、殺害しようとかってならないもん。それぐらい誰かを愛してたり、悲しかったりしたんだろうなって思うのが好きなんです。 

熊澤:どのジャンルを読む時でも、あんまり人には言えないような黒い部分とか、普段は接することのできない他人の心の内に触れたくて読むことが多いです。
ミステリーは人が殺されることも多いので、犯人がどうして犯罪を犯したのかとか、その人の環境がどうだったとか割と暗部に焦点がいくことが多い。そこが魅力かなと思います。
(なので、私は謎解きみたいなことはあんまりしてなくて、フラットな気持ちで読んでるかも)

──今一番気になる作品ってありますか?

青戸:「ある閉ざされた雪の山荘で/東野圭吾」をマネージャーさんに教えてもらって早く読みたいんですよ。
これもクローズドサークルなんですけど、来年映画化するらしく、
映画化するってことは、やっぱりそれだけ面白いってことだろうから気になりますね。

熊澤:私も東野圭吾さんの新刊「あなたが誰かを殺した」を献本いただいたので読みたいのと、メフィスト賞受賞作「ゴリラ裁判の日/須藤古都離」も気になってます。

好きな文学賞の話

青戸:メフィスト、一番好き!
好きな作品をあげるとメフィスト賞受賞作ってことが多い。

熊澤:賞にも好みありますよね。
私は、女による女のためのR-18文学賞 っていうのが好きです。
一木けいさん、山内マリコさんとか好きな作家さんはだいたい受賞されてます。

青戸:私もそっち系が好きって言いたい〜良い女だもん(笑)

熊澤:実は昔、応募したかったんです。
一回、書きたいな〜書こうかなって思ってた時期があるぐらい、この賞が好きです。

まだまだ二人で語りたいことは山程ありそうですが…(笑)
今回の対談は以上となります。

ありがとうございました!

<記事見出し写真>
撮影:ともや

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