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「全国省エネミーティング」について

こんにちは。Forward to 1985 energy life理事の千葉です。
今回は私の担当している、「全国省エネミーティング」について書きたいと思います。


1.全国省エネミーティングとは?

初めに行ったときは実はまだこの団体が任意団体の時、2011年になります。また、その時は“秋の大集会”といった名前でこれからこの団体が目指す方向についての集会が行われました。
その時の大会開催における大会趣意書が残っており、そこには以下のように書かれています。
◆大会開催の背景と目的
『東日本大震災以降、これからの日本における“エネルギーのあり方”についての提案や議論が様々な場面で行われています。原子力発電の様な巨大集中型エネルギー供給システムへの高度依存の再考や自然再生可能エネルギーによる発電割合を増やしていくことなども大きなテーマとなっています。
しかし、そこではエネルギー、電力の消費量が膨大であることが大きな壁となっています。それにも係わらず、日本は既に世界的に見てもエネルギー消費量が少ない国であることから、消費量をこれ以上減らすのは困難だという声があり、更に、産業・業務・運輸部門における無理な省エネは経済の停滞を招く恐れもあります。
それでもやはり、将来を見据えて日本の理想的なエネルギー需給構造を構築していく為には、エネルギー供給側での対応だけでは限度があり、同時に消費側の対応も重要な役割を担っていることは明白です。そこで、この国に住む私達が挑戦すべきなのが家庭でのエネルギー消費量と電力消費量の削減だと考えられます。何故なら、産業活動を圧迫することなく家庭で省エネに取り組み、また省エネ関連産業に費用を使うことは、経済の停滞を招くことなく、全ての人が取り組むことができ、尚且つ原子力発電リスクの削減や火力発電による地球温暖化の防止にも繋がるからです。そして省エネ省電力消費に取り組む時に重要なのが、我慢に大きく頼らずに知恵や工夫を使った快適で健康的な省エネ方法であること、そして目標をもって継続的に取り組むことです。
「FORWARD TO 1985 ENERGY LIFE(以下、1985運動と呼ぶ)」は1985年から現在にかけて約2倍になった家庭部門エネルギー消費量と電力消費量の削減を1985年レベルまで進めようというという運動です。それが実現できれば、現在の産業部門の電力消費量はそのままで原子力発電量を半分に削減できる可能性が出てきます。こうして究極の省エネルギー社会をつくることが地球温暖化防止にも繋がり、全ての問題を解決する道筋をつくることになります。
この大会では1985運動の意義や具体的な活動方法の紹介、環境運動や行政等各方面で活躍されている方を交えたパネルディスカッションを行います。大会への参加を通じて、参加者には家庭でのエネルギー消費の見直しと省エネの実施に繋げてもらい、住宅供給者には今まで以上に省エネとなる住宅供給を進めてもらうことで、政治主導ではなく「家庭」から究極の省エネルギー社会の実現を目指す1985運動の推進を目的として大会を開催いたします。』

といった内容でした。この団体が目指すべき方向を広めるための運動だったのです。
その運動自体が回を進めていくうちに、全国省エネミーティングという名前に変わり現在に至っています。

2.過去の履歴

過去の開催場所及び日程、タイトル、参加者人数、登壇者をまとめると
・第一回大会/2011年9月17日土曜日/名古屋市/中央区民ホール/475名/Forward to 1985 energy life 秋の大集会/小林光氏・濱恵介氏・上岡裕氏・三浦祐成氏・澤木久美子・野池政宏
・第二回大会/2012年9月1日土曜日/さいたま市/埼玉会館大ホール/711名/家庭の省エネから日本を変えよう/辰巳渚氏・浅羽理恵氏・澤木久美子・千葉工務店顧客・野池政宏
・第三回大会/2013年11月7日木曜日/神戸市/住まい手とつくり手で小さいエネルギーの暮らしを増やしていくアクション/中川慶子氏・中川建設・奥山建設・野池政宏
・第四回大会/2014年11月13日木曜日/福島市/コラッセふくしま/152名/再生可能エネルギーを増やしながら、小さなエネルギーで豊に暮らせる社会をつくろう!/福島市長・野池政宏
・第五回大会/2015年11月6日金曜日/長野市/ホクト文化ホール/142名/長野の先進的な取り組みと、1985アクションを重ねて、地域主導のエネルギーのあり方を探ろう/長野県副知事・信州大学 高木氏・自然エネルギー信州ネット 小田切氏・アトリエくら・野池政宏
・第六回大会/2016年7月5日火曜日/静岡市/グランシップ 会議ホール・風/310名/省エネは笑エネをつくる!~静岡で考える~小さなエネルギーで楽しく暮らせる プロが教える快適すまい術/栄光製作所 勅使河原社長・澤木久美子・野池政宏
・第七回大会/2017年7月6日木曜日/岡山市/ルネスホール/183名/もんげー省エネ ぼっけー快適 ~明日からできる省エネ快適住まい術~/マツミ住宅・水の葉設計社・近藤建設興業・中祥建設・施主・息吹木の家
・第八回大会/2018年8月19日日曜日/名古屋市/電気の科学館 電気文化会館/312名/どえりゃー省エネ でら快適な暮らし方 ~家族みんなで学んでみりん♪~/東大 前氏・PHJ 松尾氏・新建新聞社 三浦氏
・第九回大会/2019年9月11日水曜日/鹿児島市/かごしま県民交流センター/205名/わっぜか省エネでまっこて快適な暮らし方 ~地域のみんなで学んでみらんな~/野池政宏・九州ネットワークメンバー・とよたエコライフセンター 坂本氏・(特非)かごしま市民環境会議 村山氏・(特非)環境ネットワーク埼玉 秋元氏
・第十回大会/2022年11月16日水曜日/東京都/神田明神ホール/137名/行政・民間の協働をを模索する ~2050年カーボンニュートラル実現に向けて~/東京都 環境局 関氏・所沢市マチごとエコタウン推進課 石川氏・川口市地球温暖化防止活動推進センター 浅羽氏・川崎信金 山本氏・co-design
・第十一回大会/2023年11月14日火曜日/四国/レクザムホール/170名/地方都市から進めるカーボンニュートラル ~若者たちと考える未来のカタチ~/四国ネットワーク・阿南高専 加藤氏・香川大学Steeep 日笠氏・満氏・香川県地球温暖化防止推進員 片山氏・梼原町森の文化創造推進課 立道氏

と、述べ11回を13年かけて行ってきました。この11回の中で初めの3回は、“秋の大集会”として行いました。4回目以降は“全国省エネミーティング”と名前を変えて現在まで行ってきています。
また、第八回大会は住まいと暮らしの省エネギャラリー併設を行い、第十回からはオンラインとのデュアル開催となりました。

理事のみなさんに以下の質問をしてみました。「全国省エネミーティング(旧秋の大集会)の思い出、一番印象に残っている内容」
辻代表「一般社団法人になってから初の開催だった埼玉大会ですかね。大きな会場が人で埋まり、建築関係者だけでなく、一般の方も多数参加された光景を見て時代が大きく変わろうとしている期待感を抱きましたね。」

吉田理事「やはり第1回名古屋大会。震災直後の参加者全体にある意味鬼気迫るものがあった。加えるなら自分が仕切った第4回福島大会。まだ時期尚早感があったが、野池さんのたっての希望で実行委員会も開けないくらい地元メンバーがいない中、理事の皆さんに協力いただきながら、無事何事もなく終えることができた。」

事務局服部さん「静岡で登壇者がなかなか決まらなかった中、偶然テレビで見かけた栄光製作所の勅使河原社長に登壇オファーしたところご快諾頂き、勅使河原社長も人前で話すのは初めてという中、素晴らしい取り組みを発表して頂けたことです。あと静岡開催は会場の設備不良でクーラーが効かず暑かった。」

このようにそれぞれが様々な思い出とともにここまで行っています。

3.全国省エネミーティングのこれから

今年2024年は11月に広島で、そして2025年には栃木県宇都宮市で予定されています。ある実行委員長に、「全国省エネミーティングはいつまで続いていくのですか?」との質問があった時に、確かにこの全国省エネミーティングの終わりは何なのだろうかと考えました。
第五回大会からは実行委員会を立ち上げてそのメンバーが企画運営を行うようになり、そのメンバーの連帯感も育ってきています。
また、現在では行政との連携や地元の環境団体との連携が取れている地域も増え、このような活動が活発になることが目的であると考えられます。そういった意味ではまだ具体的に進んでいない地域もありますが、ほぼどの地域でも前述したような連携は、今後進んでいくものと思われます。

そうなっていくと、全国省エネミーティングの開催趣旨は小さくなっていく気がしますが、その時には全国でこのような活動しています!といったような報告会だったり、相談会だったりする会になるのではないかと考えています。そうした状況になれば、現在のこの「全国省エネミーティング」は一旦終了することになり、そこで終わりを迎えるのではないかと考えています。

このような「全国省エネミーティング」ですが、興味をお持ちになられた方はぜひ来年・再来年と続くこの会に参加してみてはいかがでしょうか?

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