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見えない問題は解決できない~顧客・行動の可視化~

フォーバルの赤羽です。現在コンサルティング事業推進本部で副部門長兼コンサルタントとして活動しています。

外部要因の大きな変化などで中小企業の経営者から、これからの営業について相談されることが増加している点を踏まえ、自らの経験と現場の声などを踏まえた内容を紹介しています。

※過去2回の記事はこちらから

今回は「見えない問題は解決できない~顧客・行動の可視化~」と題して、以下にまとめました。1つでも悩み解決のヒントになりましたら幸甚です。

見えない問題は解決できない

悩み事があってモヤモヤ思い悩んでいる時に、それを書き出してみたら思考が整理されて頭がスッキリした、という経験はありませんか。頭の中にある情報を視覚化して認識することで解決策が見えてくる、ということはよくありますよね。これはビジネスの世界でもよくあることです。

例えば売上UP対策を考える場合、ただのアイデアベースで考えるのではなく、売上推移や売上の高い取引先などのデータを見て、その傾向をとらえた方が対策は立てやすいですよね。さらにそれらがグラフ化され視覚に訴える情報に加工されていれば、直感的な理解が得やすいはずです。問題を解決するには一回視覚化した方がいい、という事が言えるようです。

問題解決のキーワード=「可視化」

組織やチーム内で問題を議論する時、このことはさらに当てはまります。

例えば「当事業部の売上が落ちている」と言葉でメンバーに伝えたとします。A君は「前年度と比較して落ちているんだ」と思いました。しかしB君は「長期で落ち続けている傾向なんだ」と思うかもしれません。さらにC君は「会社全体の売上構成比率からみて落ちてきているんだ」と思うかもしれません。このように単に「売上が落ちている」という言葉だけでは、メンバーによって捉え方はバラバラになってしまいます。

しかし配られた売上数字の資料を見た時、A君もB君もC君も「あー部長の言っている売上が落ちたってのは、3ヵ年推移の傾向のことだったんだ」というように初めて同じ問題認識に立つことが出来るのです。さらにこれがグラフ化されていればもっと分かりやすくなります。A君の言っていた前年度比較であれば棒グラフ、B君の言っていた長期傾向の変化であれば折れ線グラフ、C君の言っていた売上構成比率であれば円グラフ、というように直感的に理解が出来るようになります。

このように視覚で判断しやすくすることを、“可視化”と言います。”可視化”とは「こちらから見にいく」というよりも「いつでも見える状態にしておく」ことです。いつでも数値が見える状態にしておくことこそ、早期問題解決のカギなのです。

可視化は認識のズレを防ぎ、円滑なコミュニケーションに繋がる

これらお伝えしたのは分かりやすい例ですが、実際のビジネスシーンはもっと複雑です。様々な情報が飛び交う中、皆が同じ問題認識を持つためには、なによりもその問題を“可視化”することが重要となります。情報を視覚で捉えてから対策を立て始めると、皆の見ている方向が一つになり、議論が深まり解決策がブラッシュアップされていきます。そして皆の力がそこに集中するので解決スピードが速くなります。逆にこれらのプロセスを経ないままそれぞれが勝手に動き出すと、メンバーの動きがバラバラになりいつまで経っても解決までたどり着きません。

視覚で捉えることが慣れている組織やチームは、同じ問題認識をしているため解決策をより具体的に落とし込むことができるようになります。具体的に、というのは“数値化”するということです。なんと言っても数値は言葉と違ってメンバーの認識がぶれることはありません。目標数値が達成したか、未達だったか、の二つしかないわけですから。このように具体的な数値に向かってアクションを進めていくことが大事なのです。

ホワイトボードなどで議論内容を可視化するススメ

私は経営者と企業の問題の打合せをするとき、必ずホワイトボードを使うようにします。言葉だけでは経営者と私とで見ている問題が違うかもしれないからです。面倒くさくても議論した内容を可視化して認識を共有するようにしています。もし会議室にホワイトボードがない時は、次回までに買ってもらうようにお願いをすることもあるくらいです(笑)。

そして打合せが終わった後は必ず可視化したホワイトボードを写真に撮ります。これがそのまま今日の議事録になります。しばらく経ってからその時の打合せを思い返す時も、そのホワイトボードを見れば当時話した内容がパッと思い浮かびます。経営者も同じ可視化した内容を見ているので、後々認識がずれてくることもありません。ちなみに今はオンライン会議などが多くなってきていますが、クラウドのワークスペース上でホワイトボードと同じことができるので昔よりもいい環境になっていると思います。

可視化=数値化、数値化できるものは実行に移される

英語で「What gets measured gets done」ということわざがあります。これは「数値化できるものは実行に移される」という意味です。逆に言えば数値化できないものは実行できない、ということでもあります。そして数値化まで落とし込むためにまずやらなければならないステップは、問題の“可視化”です。売上の可視化、財務状況の可視化、生産の可視化などなど、、、可視化はすべてにおいて第一ステップです。

私は営業マネージャーとして長く動いてきました。今回は営業組織の構築にあたって、とても大事なステップである「顧客の可視化」「行動の可視化」という映像を作りました。5分くらいの短い映像なので是非ご覧ください。


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