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【介護日記】#20 卒寿を祝う


◎二人そろって90歳おめでとう!

11月17日は母の、19日は父の90歳の誕生日でした。

卒寿という節目の年でもあり、ひ孫を会わせたいということもあり、勤労感謝の祝日だった23日、子、孫、ひ孫、総勢7名で施設を訪問しました。

ちなみに卒寿とは卆寿とも書き、の文字を分解するとになるため90歳を祝うお祝いとして設定されたもので、決して人生を卒業するという意味の卒ではありません。

また卒寿は中国から伝来したものではなく、日本独自に設定したもののようです。


父は寝たきりで、滑舌も悪く会話にはなりませんでしたが、意識ははっきりしていました。

母の方は相変わらず同じ話をなん度も繰り返すし、孫と娘の区別もつかないのか、名前を間違えたりしますが、足が痛い他はいたって元気でした。

たまたま施設から買って欲しいものがあるとの連絡があった際、23日に訪問することを伝えていました。

施設で誕生祝いをやってくれるようで、家族の訪問を待って盛大に祝ってくださいました。

スタッフの方からは寄せ書きの色紙とプレゼントをいただきました。

スタッフの皆さんと家族に囲まれて、ハッピーバースデーの歌で祝ってもらい、90歳を賑やかに祝いました。

寒がりの母は膝掛けをプレゼントされ、とても嬉しそうでした。

父はプレゼントのリクエストに「お酒が飲みたい」と言ったらしく、寝たきりになってもお酒が飲みたいなんて、本当に酒飲みってやつは…と呆れました。

プレゼントの日本酒はスポンジに含ませて舐めるような感じでしたが、

「味がしない」と言っており、もしかしたらがっかりしていたかもしれません。

「スプレーで香りだけでも楽しんでもらうようにしてみます」とスタッフの方は言ってくださいましたが、あの調子だと香りなども感じていないかもしれないなと思いました。

姪の旦那さんとひ孫のベビちゃんとも初対面。

歳の差90歳のコラボ。

ベビちゃんのはちきれんばかりのむちむちのお肌が羨ましかったです。

弾力が違いました。笑


父はどんどんベッドの端に寄ってきてずり落ちそうになるし、

母はベビちゃんを抱きたがるし

ベビちゃんは慣れない場所のせいかギャン泣きだしで大変でした。

リビング的なところに出ていた他の入居者さん達もガン見するほど、ベビちゃんの泣き声が響き渡りました。

ベビちゃんは眠いし空腹だけど、ミルクも飲まず30分ほど母のベッドで寝た他はずっと泣いていました。

帰った途端にミルクをいっぱい飲んだようです。

なにはともあれ、二人揃って卒寿を迎えられてなによりでした。

娘が買ってきた紅葉が透けて見える秋らしい羊羹を、母は「美味しい」といいながら食べていました。

父用にプリンも持参しましたが、もはやプリンさえも固形物扱いとなっているようで食べることはできませんでした。

それでも、父は自ら起き上がろうとする意思を見せ、少しの間車いすに座ったりしました。

お昼前に到着しましたが、施設を出たのは2時過ぎとなり、正直私もくたくたでした。

30年ぶりに慣れない赤子を抱っこしてあやしたり、普段と違うことをしたせいもあったのか帰宅してから2時間ほど横になってしまいました。

昨日も疲れが抜けず、夜9時にはもう横になっていたくらいです。

体力の衰えを感じました。

◎一夜明けて…

2時間ほど前、妹のところに施設から連絡があったようです。

どうやら母は昨日から発熱したようです。

食欲も元気もあるようですが、大勢押し掛けたので感染症のリスクを考慮して72時間個室で過ごすことになったようです。

父の方は食事も水分も取れず、サチュレーションも80台まで下がってしまったとのこと。

力を使い果たしてしまったのかもしれません。

ここ1週間が山と言われ、一応覚悟しておいてくださいとのことでした。

万一の時、だれが母に知らせるかも考えておくようにとのことでした。

母は、毎朝父の部屋に通っているようなので、夜中や早朝に亡くなった場合家族が来るまで伝えずに引き延ばすのか、到着を待たずに伝えてよいのか決めて連絡くださいと言われたようです。

つまり、かなり危ないのだろうと思います。

ばたばたと過ぎたこの半年、やっと施設に入って4ヶ月。

なんだか実感がわきません。

母はすっかり施設になじんでいるようで、もしかしたら今が一番幸せなのかもと思うくらいです。

訪問した日、帰り際に介護スタッフの方から、父は来年の誕生日は迎えられないと思うと言われました。

食事もほとんど食べないので、おやつも止めますと言われたところでした。

先週の日曜は、朝から実家の片付けに行き、冷蔵庫や食料品のストックなど、食べ物をすべて処分してきました。

45Lのゴミ袋が10個以上になり、プラやペットボトルの分別などにも時間がかかりました。

毎日が怒涛のように過ぎていくため、覚悟をと言われてもなんだか実感がわきません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

ここ数日の出来事を通じて、いまさらながら実感していることがあります。

人が生きること、死ぬこと、そういうことが連なって歴史が作られていくんだということ。

教科書に出てくるような壮大な歴史ではないけれど、人の人生が連なりつながって歴史ができていくのだなと思いました。

我が家の歴史は娘の代で途切れそうですが、それもまた家族の一つの歴史なのだなと思ったり。

若い頃は何百年も前の出来事がどうしても遠い世界のような感じがしてあまり歴史に興味が持てなかった私ですが、

ここ数ヶ月の出来事を通して、小さな歴史を感じています。

昨日の温かさから10度以上も気温が下がり、一転真冬になった今日。

体温調節が難しいですが、みなさま風邪などひかないようにご自愛ください。

よい週末をお過ごし下さい。

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