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【アンドパッド 浅葉氏】建設×DXを下支えする「仕組み作り」のプロフェショナル

フォースタートアップス(以下、フォースタ)では、エンジニアに特化した専門チームであるエンジニアプロデュースチームを作り、スタートアップに対してキーマンとなりうるCTO・VPoE・エンジニアのご支援をしております。

今回紹介するのは「幸せを築く人を、幸せに。」をミッションに、建設・建築業界において現場の効率化から経営改善まで一元管理できるサービス『ANDPAD』を展開する株式会社アンドパッド。直近はAPIを活用した外部サービス連携を強化し、建設業界全体のデジタル化を推進するプラットフォーム『ANDPADアプリマーケット』を公開。13万社の企業、33万人のユーザーが使用するプラットフォームとして多数のマイクロサービス化されたプロダクト開発が走る中、その共通基盤を支える浅葉氏にお話を伺いました。

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浅葉 喬史氏
株式会社フルキャストテクノロジー(現:株式会社夢テクノロジー)にてテスターとしてキャリアをスタート。その後、エンジニアにキャリアチェンジし、組み込みソフトウェアの開発などを担当。2011年に株式会社情報戦略テクノロジーに転職し、金融領域を中心とした業務システムの開発に従事。これまでにテックリードからプロジェクト管理、ピープルマネジメントなどを経験している。 2020年末からアンドパッドに参画。


アンドパッド入社は、「できること」をやるのではなく「やりたいこと」をやるための一歩

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──アンドパッドでの業務内容を教えてください。
浅葉:開発部の基盤チームに在籍しています。アンドパッドでは、施工管理、ERP、アプリマーケットなどさまざまなプロダクトが存在します。このチームではそれらのプロダクトに共通する機能を開発しています。

──アンドパッドさんに入社される前はどのようなご経験を積まれていたのですか。
浅葉:新卒からは、QAに4年間ほど携わりました。その後、開発がしたいと感じ、当時会社で実施していた研修を受けてソフトウェアエンジニアに転向。そこから複合機の組み込みソフトウェアの開発に3〜4年携わっていました。ただ、このままではエンジニアとして使える技術が限られてしまうと感じていたので、Web開発に携わるために転職したのが前職のSIerです。FXのトレードシステムや銀行の外貨預金システム、QRコード決済、ほかにはブロックチェーンを使ったPoCなどを担当していました。

──なぜ、そこから転職を考えられたのですか。
浅葉:前職のSIerで8〜9年キャリアを積んで、自分がコントロールできるステージをもっと上げたい思ったからです。クライアントの課題を解決するためにフラットな立場で技術選定をするなどの自由度はSIerにもありました。

しかし、事業の方向性を決める立場になることは当然ながら難しい。また、クライアントから要望を聞いて対応をするものの、本質的にそれがクライアントの欲しいものなのかを疑いながら仕事する場面もあったんです。
こうした背景から、より事業の方向性を見据えながら開発ができる場所を探していました。

──アンドパッドに入社を決意された際、社会問題への関心も転職の要因になったとか。
浅葉:そうですね、社会がよりよく回ってた方が未来も幸せだと思っています。それまで経験を積んできた金融業界より、もっとITを活用することで大きなインパクトを生み出せる領域があるんじゃないかなと考えていました。

そんなときに、フォースタの中田さんからアンドパッドをご紹介いただき、建設業界でのDXにとてもやりがいがありそうだと感じました。

建設業界は俯瞰すると労働集約的で、大きくDXしていかないと限界がくるのは明らかです。ただ範囲が広いんですね。戸建て、マンション、ビルディング、インフラと単純にこの四領域だけでも大きい。

アンドパッドは、建築DXとしてはトップを走る企業のひとつですが、まだまだ建築業界全体から見ると、十分に存在感を示していません。しかし、これはこれからやれることが多いことを意味していると思います。今までの自分の経験を生かしながら、新しいチャレンジをしていくことに非常にやりがいを感じています。

──全く違う領域へのチャレンジに抵抗はなかったのですか。
浅葉:業務知識やスキルはこれまでの経験を生かしながら、新しいものに関してもキャッチアップできる自信があったので、金融系とは違う領域の事業会社へとジョインすることにためらいはありませんでした。

「仕組み」を作り、やるべき多数のマイクロサービス開発に集中できる環境を作る

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──ここからはアンドパッドに入社した後のお話を聞かせてください。現在のチームで大切にしていることは何でしょうか。
浅葉:社内の開発者がプロダクトを開発しやすい「仕組みづくり」を大切にしています。私たちが共通のソフトやモジュールを受け持つことで、それぞれが本質的なサービス開発に集中し、バグが少なく安定した機能を提供できるように環境を整えています。

──「仕組みづくり」に対する浅葉さんのこだわりはありますか。
浅葉:いかに働き手の効率性を高められるかについて、こだわりがありますね。単純作業や繰り返しが続く煩わしい作業をできるだけシステムやプラットフォームに任せて、人間が本来やるべきことや新しいことに集中できるような仕組みをづくりを目指しています。

──「仕組みづくり」の必要性を感じた原体験もあるそうですね。
浅葉:前職で複合機のシステム開発をしてたときですね。非常に障害が多いモジュール開発に加わり、1ヶ月ほど他のチームが書いた仕様から担当モジュールの指標書を起こし、ひたすらに手作業でその仕様書からコードを作ることを繰り返していました。ただ、このやり方だと上手く進まなかったため、隙間時間でツールを作って自動化。結果的には、月10時間以上の工数削減とバグの低減に成功しました。

「ちりも積もれば山となる」という言葉があるように、簡単なことであっても反復作業は積み上がると、ものすごい時間になるんですよね。それからは、仕組み化できそうな作業があれば自発的に対応してきました。

──ルーティン業務をいかに圧縮するかは重要ですよね。一方、仕組み化しすぎるとモチベーションも下がる場合もあります。
浅葉:そうですね。そうならないように、人を巻き込んでの仕組み化の際は、「なぜ仕組み化すべきなのか」といった理由や背景説明をきちんと伝えることも欠かせません。
開発場面でも「この仕組みは、どうして作ったんだっけ?」と後から迷わないように、背景まで記録することは意識しています。

1度つくった仕組みは、3〜5年は使うつもりで作っていますが、先にソフトウェアやOSが古くなることもあります。仕組みとしての寿命が切れた時には、柔軟にリビルドできるようにすることも重視しています。この理由付けを疎かにすると一から取り組まないといけなくなってしまうこともあります。

失敗も経験のひとつ。そこから学びを得たり行動に移すことが大切。

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──エンジニアのキャリアに対する浅葉さんの考え方も教えてください。
浅葉:これまでいわゆるテックリード、プロジェクト管理、ピープルマネジメント、全部経験してきましたが、私のようにどれでもやるような方は今は少なく、領域を決める方が多い印象です。加えて、どれかを目指さなければならないのでは、と思い込んでしまっている人も多いと思うんですよね。

会社の中での役割なら、業務であれ技術であれ何かしらに特化することが出来れば、そのキャリアを続けていくことはできると思っています。
ただし、今のポジションで留まり続けるならどういう価値があるかを示せないと厳しい。極端な話、IT業界は新しく入ってくる人がより時代に即した新しい技術が使えるので、今まで使える技術を維持して使えることってキャリアの選択肢を狭めてしまうんですよね。

IT 業界で技術というと「言語・F/Wの知識」や「業務知識」、「システム全体のアーキテクチャの検討ができること」が大きな要素です。担当する現場を変える、転職するなどの環境を変える際に、いずれかを磨くことがキャリアアップにつながるのではないでしょうか。

私の場合も、組み込みから SIer に代わる際は C/C++ の「言語・F/W の知識」をとっかかりにしてますし、SIer で2つ目の現場については「外国為替取引」という「業務知識」を使って C++ から Java に言語を変更しています。

私は、「言語・F/Wの知識」より「業務知識」や「システム全体のアーキテクチャの検討」という経験の方が、よりキャリアの寿命が長いと考えています。

──後進のエンジニア、例えば浅葉さんと同じSIerで転職を考えている方へのアドバイスはありますか。
浅葉:失敗を経験としてポジティブに捉える視点が大切だと思います。ソフトウェア業界もしくはエンジニアリングにおいて、開発でいかにバグを出さないかがひとつの評価基準になります。そういう世界で生きていると自然と失敗を恐れるようになってしまいます。

ただバグを起こしたことに対して学びに変えられてるのであれば、実はその経験を評価してくれる企業はたくさんある。視野を広く持ち、経験を棚卸しすることが必要だと思います。
特に新しいことをやりたい人には、巡り合わせが大事。会社に所属している中で見る世界は狭い。今は面接じゃなくてもカジュアルな面談をできるとこが多くあるので、自分から早く動いて、機会を活かしていくとやりたい領域に出会えると思います。

──エンジニアの方はリファラルで巡り合わせを求める方も多いですよね。
浅葉:そうですね。ただリファラル中心だと紹介者がその企業の良い面を強調しすぎてしまう部分はあると思います。どうしても入ってもらいたいという気持ちが強いので。
転職エージェントを活用するときには、自分のやりたいことは明確にしておくことを勧めたいですね。考えていることはオープンにする方がコミュニケーションはうまくいきます。

フォースタさんは、これから成長するスタートアップに飛び込んでいきたい人には、とても良いと思います。アンドパッド以外にも幅広くご提案いただき、自分のやってきたこととマッチング度の高い案件をいくつも紹介してくれました。

──最後に、今後のチャレンジについて教えてください。
浅葉:アンドパッドは建築DX企業にしてはトップ企業なのですが、業界全体で見た時のシェアはまだまだです。逆に言うと、新しくやれる領域は広がっていて、取り組めるチャンスはふんだんにあります。

3年後には10倍の組織にしたいと考えているので、新しいことに取り組みたい方は、ぜひ当社にもジョインしていただければと思います。

浅葉さんが大切にされているお考えからキャリアのお話までありがとうございました!これからのアンドパッドさんのプロダクトにも期待しております!

インタビューご協力:株式会社アンドパッド


取材・編集:for Startups エンジニアプロデュースチーム