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【CLUE 柴山氏】真に必要とされている機能を、最速のタイミングで──「エンジニアにとって最高の喜び」がCLUEにはある

フォースタートアップス株式会社(以下、フォースタ)では、エンジニアに特化した専門チーム「エンジニアプロデュースチーム」を開設。スタートアップに対してキーマンとなりうるCTO・VPoE・エンジニアの採用支援をしております。

株式会社CLUE(以下、CLUE)は「ドローンが当たり前に飛び交う社会に」をビジョンに掲げ、建設業向けソフトウェアを展開するスタートアップ企業です。屋根外壁点検アプリ『DroneRoofer』や建設現場のDXを推進する『ドローン施工管理くん』など、ドローンを活用した課題解決型SaaSを提供しています。

柴山裕樹氏は、2021年4月に同社に入社。プロダクト開発部の部長を務める傍ら、複数のPdM(プロダクトマネージャー)としての役割も担っています。

今回は柴山氏に、入社の経緯やスタートアップで働くことのやりがい、仕事観などについて幅広くお話を伺いました。

柴山 裕樹 氏
2012年、日本IBM株式会社(以下、日本IBM)に新卒で入社。金融系のシステムSEとしてKIOSK端末アプリケーションの設計や開発に携わる。
2018年4月よりIBM Digital Makers Lab.のHead of Product and Developmentに就任。世界初・業界初のソリューションコンセプトの立案や、AI・IoT・クラウドなどの幅広い技術領域を組み合わせたソリューションの設計に携わる。
2021年4月にCLUEに入社し、現職。


新卒から興味があったスタートアップ。「ものづくりに精通している」経営陣への“共感”が入社の決め手に

──まず、柴山さんのこれまでのキャリアについてお聞かせください。

柴山:東京大学大学院でシステム情報学を学んだ後、新卒で日本IBMに入社。SEとして6年ほど金融機関のシステム設計や開発に携わりました。銀行の店舗システムの保守開発や新店舗のシステム提案が業務の中心で、技術統括として一度に5件のプロジェクトをリードしたこともあります。複数拠点にいる30名程度のチームメンバーをまとめながら、総額10億円規模のプロジェクトを動かす…今思い返してみても、なかなか根気のいる仕事でしたね。

2018年にIBM Digital Makers Lab.へ異動してからは、AI・IoT・クラウドなど最先端テクノロジーを組み合わせながら、“世界初”、“業界初”の画期的なソリューション構築を行いました。いちプロダクトオーナーとしてこの上ないやりがいを感じていましたが、より事業者目線でプロダクトを考えたいという想いが強くなり、転職を決意しました。

──ご支援を担当したヒューマンキャピタリストの町野史宜には、以前から接点があったと伺っています。

柴山:そうなんです。実はスタートアップには新卒時から興味があり、4年ほど前に転職を検討し始めたのですが、その際に複数の人から勧められたのがフォースタだったんです。

初めて町野さんにお会いしたときは、スタートアップに関する周辺情報や予備知識などあれこれ質問させてもらいました。具体例を挙げながら丁寧に説明してくださった「CTOの役割」は、その後のキャリアプランを考えるうえでも非常に参考になりました。

前回はさまざまなタイミングが合わなかったんですが、再び転職活動を始めようと決意した瞬間、町野さんから新年のご挨拶をいただいて、只ならぬご縁を感じました(笑)。長期的な視点でキャリア支援してくれる、伴走者のような存在です。

──転職活動中、選択肢は複数あったと思うのですが、最終的にCLUEに入社した決め手は何だったのでしょうか。

柴山:今回の転職では「新しい社会インフラを、自らの手でつくっていける環境があるか」に重きを置いていました。CLUEはドローンを活用したプロダクトを当時スモールチームで開発しており、事業内容、規模感ともに思い描いていたイメージにとても近かったんです。

加えて、代表含め経営層にエンジニア出身者が多く、考え方や価値観が近しいと感じられたことにも背中を押されましたね。共感を覚えながら、仕事を進められる。これこそ“働きやすい会社”なのではないか、と感じました。

また、選考中に現場のエンジニアと話したことも大きかったです。開発拠点を見学中、飛行するドローンを見ながら技術についてさまざまな質問をさせてもらったんですが、みなさん快く応対してくれました。初対面の自分をエンジニア仲間として迎え入れ、裏表なく接してくれるという組織のフラットさが垣間見えた瞬間でした。

──素晴らしい出会いだったのですね。一方、自分の価値観と近い企業に出会えないと悩まれる方も多いと思います。

柴山:私は、そういった相談を受けた際は、「自分の価値観を明確化し、市場の機会を把握するために、転職活動をしてみた方が良い」と話をします。

外の人と会話をしていく中で、自分を客観視できます。1社で頑張り続けていると、ここにしか居場所が無いのではという思いが湧いて、視野が狭まってしまうことがあります。

外に目を向けて見て、どんな会社があるか、自分はどういう形で必要とされる人材なのかを知っていると、余裕も生まれて幅を広げられるための活動もできると思います。

──大手企業からスタートアップへ転職するにあたって懸念点はありましたか?

柴山:特に不安はありませんでした。スタートアップを創業したり働いている知人が周りに多くいて、体制や働き方について日常的に話を聞いていましたし、自由度高く業務に邁進する姿を羨ましく感じてすらいました。

福利厚生や制度面に関しても、同様に懸念はありませんでした。前例がなくても、制度そのものに不足点があったとしても、使えるものがあれば使い、不足する部分は自分で調整するという考えなので、環境の違いはそこまで気にならないんです。

例えば、前職では育休を取りました。当時は男性社員が育休を取得すること自体、一般的ではなかったのですが、制度として存在したので活用しました。家族もこの転職には手放しで賛成してくれました。

──実際スタートアップに飛び込まれて、想定からのギャップなどはありましたか。

柴山:ある程度想定はしていたものの、自由度の高さは想定以上でした。
スケジュールや仕事の進め方、プロダクトについての意思決定など個々人の裁量という意味でも当然自由度は高いですが、クロスセル提案の標準化の設計を行う、マーケティング用のホワイトペーパーをデザインする、新規商材のオンボードプログラムを検討するなどもごく自然に日常的に関わることができました。

個人やチームの役割にとらわれていては会社が成長していかないので、プロダクト開発というスコープに縛られない業務はある種新鮮でしたし、刺激的でもあります。

ミッションやビジョンを体現するプロダクトだからこそ、腹落ちして開発を進められる

──あらためて、CLUEでの現在のポジションについて教えてください。

柴山:プロダクト開発部の部長として開発全体のマネジメントを行っています。入社時に比べてメンバーは増えてきていますが、一人ひとりが自立しているうえ、デイリースクラムやチャットで密にコミュニケーションしながら進行しているので、いわゆる“大所帯の苦労”を感じたことはありません。
加えて、『DroneRoofer』『RooferCloud』のプロダクトマネジメントも担当しています。

『DroneRoofer』はiPadでドローンを操縦しながら、屋根点検を行えるアプリ。屋根に上って人が点検すると2時間かかるところを、『DroneRoofer』では10分で済ませることができます。転落事故などのリスクを回避できるうえ、効率化も実現できる。工務店などユーザーのみなさまからは「一日に回れる現場の数を劇的に増やすことができ、売上アップにつながった」「事業を拡大できた」という声を多くいただいており、ステークホルダーと共に成長している実感があります。

一方の『RooferCloud』は、屋根や外装の点検・リフォーム業務などの案件管理や積算、報告書作成、見積書作成が全てできる、オールインワン型のクラウドアプリ。つまり、『DroneRoofer』も含めた全ての業務領域をカバーできるプロダクトなんです。

これらのプロダクトは形態こそ違えど、どちらも当社のミッションである「テクノロジーを社会実装し、世の中の不を解決する」やビジョンである「ドローンが当たり前に飛び交う社会に」の体現を目指しています。このことは間違いなく、私自身の仕事のやりがいにつながっていますね。

ユーザーと向き合いながら、経験したことのないスピード感で開発できる。それが今の仕事の醍醐味

──スタートアップであるCLUEならではの仕事の醍醐味を、どんなところに感じていますか。

柴山:プロダクトに対して「機能が必要だ」と思ったら、最短3日で機能拡充し、ユーザーに届けられる。これまで経験したことのなかったスピード感に楽しさを覚えています。

このスピード感は、開発サイドと事業サイドの良好な関係性によって成り立っていると考えています「何をつくるか」の裁量が開発サイドに委ねられているため、互いに役割意識を持ちながら迅速なものづくりを目指すことができるんです。

また、事業サイドとユーザーの距離が近いことも業務スピードをさらに加速させています。事業サイドのもとに寄せられたさまざまな声は開発サイドにも逐一共有されるため、ニーズや課題を把握しながら、地に足のついたブラッシュアップを進められるんです。

机上の空論ではなく、ユーザーとしっかりと向き合いながら開発ができる。この環境が何よりもありがたいです。

──理想的な環境のなかで、開発部の部長として、またPdMとして、柴山さんがプロダクト開発を前進させるために心がけていることは何ですか。

柴山:まず、「どのような価値を届けるか」はブレないように心がけています。細かい仕様やスコープが変わることは当然ありますが、この「価値」の部分はブレさせず、迷いなく開発が進められるように意識しています。
また、常に“バランス感覚”を意識しています。

ビジネスには、短期・中期・長期の視点がありますよね。例えば、事業サイドとは「こういう機能があったらユーザーが増える」というような短期的な話もよくしますし、経営層とは長期的なビジョンの話をしますが、そのどちらにも偏ってはいけない。多角的な視点で判断することがよりよい結果につながると考えているんです。

機能拡充においても、同様のことが言えると思います。「ユーザー数を伸ばす」「顧客単価を最大化する」「チャーンを防ぐ」など、どの目的も大切にしながら、その時々の状況を鑑みてバランスをチューニングするよう努めています。

馴染みやすさナンバーワン!CLUEは“エンジニアの個性”を受け入れる態勢が段違いに整っている

──CLUEのエンジニア組織について、どのような点に魅力を感じていますか。

柴山:新規メンバーを受け入れる態勢が整っていて、かつ、エンジニアとしての技量も広げやすい点です。

エンジニアと一口に言っても、こだわりやモチベーションを感じるポイントは千差万別。価値観が合わないケースもあり、チームとして団結できないということも良くあります。でも、うちの開発部は、新メンバーが段違いにフィットしやすい。お互いを認め合える文化があるというか。

これまで海外含めてさまざまなチームで仕事をしてきましたが、CLUEは間違いなく“馴染みやすさナンバーワン”ですね(笑)。

技量を広げられる点においては、CLUEがiOS・Web・画像解析・ハードウェアなど、さまざまな領域の技術を扱っていることが背景にあります。
最近では、Goのエンジニアとして入社したメンバーが、気がついたらSwiftやモバイルのコードを書いていた、なんてこともありました。かなり珍しいケースだとは思います。

──エンジニアのみなさんが伸び伸びとしている印象を受けたのですが、やはり経営陣にエンジニア出身者が多いことも関係しているのでしょうか。

柴山:そうかもしれませんね、本当に強力なチームだと思っています。個人的には、経営陣が開発に理解がある点にも魅力を感じています。

例えば、開発が想定通りに進まないこともありますし、そもそも試作して見ないと計画が立てられないこともある。このようなケースに対して、認識合わせに工数を割かなくてもいいのは本当に助かります。

また、先ほどもお話したとおり、経営陣と自分との価値観が近いところにあり、共通言語を持っていると感じているので、遠慮なく疑問をぶつけながら納得して仕事を進められるのもありがたいですね。

──最後に、柴山さんが今後挑戦していきたいことを教えてください。

柴山:CLUEのプロダクト開発に力を注ぎ、世に広めながら、再現性ある形に育てていく──これが、自分がまずやるべきことだと捉えています。
将来的には業界の枠を越えて、さまざまなサービスやプロダクトに関わりながら、自らの価値を提供していきたいですね。さまざまなプロジェクトに横断的に関わるイメージです。

──柴山さん、ありがとうございました。「ドローンが当たり前に飛び交う社会」の到来を楽しみにしています。


インタビューご協力:株式会社CLUE

執筆:福嶋聡美

取材・編集:for Startups エンジニアプロデュースチーム


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