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【PKSHA Technology 清時氏】SIerで培ったマネジメント力を活かせる環境がスタートアップにある。PMとSWEの二刀流を目指して

フォースタートアップス株式会社(以下、フォースタ)では、エンジニアに特化した専門チーム「エンジニアプロデュースチーム」を開設。スタートアップに対してキーマンとなりうるCTO・VPoE・エンジニアの採用支援をしております。

今回ご紹介する株式会社PKSHA Technology(以下、PKSHA)は、「未来のソフトウェアを形にする」というミッションを掲げ、2012年に創業したスタートアップ企業です。PKSHAは、自然言語処理、画像認識、機械学習/深層学習技術を用いたアルゴリズムソリューションの開発・AI SaaSの提供を企業向けに行っています。

お話を伺うのは、PKSHAでSWE(ソフトウェアエンジニア)とPM(プロジェクトマネージャー)を務める清時 康平氏。入社以前は、SIer企業でPMとして、5年半の勤務経験を持ちます。

「エンジニアとして、技術力を向上させたい」

その思いを叶えるべく、PKSHAへ転職。入社半年後には実装スキルを身につけSWEとしても活躍する清時氏に、転職に至った経緯、仕事観の変化やスタートアップ企業の魅力まで伺ってきました。

清時 康平 氏
2014年、新卒で野村総合研究所に入社。プロジェクトマネージャーとして経験を積み、2019年12月にPKSHATechnology社に入社。現在は、SWEとPMの役割を担い、自社開発プロダクト作りや現場全体の管理を行うなど幅広い業務を担う。


スタートアップとの協業により、技術力の高さに衝撃。新たな機会でエンジニアとしても成長を目指す

ーーPKSHAでの業務内容を教えてください。

清時:現在、PM(プロジェクトマネージャー)とSWE(ソフトウェアエンジニア)の仕事を半分ずつ担当しています。上流工程といわれる要件定義の設計を行うところから、開発プロダクトのコードも書いていますね。

ーー現在は、SWEとしてもご活躍されているのですね。元々いた会社では、PMとして勤務されていましたが、転職を考えはじめたきっかけを教えてください。

清時:エンジニアとしての技術力をあげ、納品レベルまでコードを書けるようになりたかったからです。

新卒で野村総合研究所(NRI)に入社後、主な仕事内容は業務システム開発のPMや上流工程を中心としたものでした。比較的早い段階でPMを任せてもらう機会に恵まれたので、お客様とのやりとりや、システム設計に落とし込むまでの作業は慣れていた一方、コードを書く機会はほとんどありませんでした。

この先10年くらいは、同じような働き方がつづくのかと考えた時に、率直に「PMとしての経験を積むだけでいいのか」と考え始めていたのです。

上流工程の一連の流れについては把握できているものの、エンジニアとしてコードの理解や技術力を身につければ、よりよいものをお客様に提案したり、つくれるようになるのではと考えるようになり、今の自分のスキルにもどかしさを感じていました。

そんな矢先、あるプロジェクトでスタートアップ企業と協業することに。エンジニアの方々との関わりで、彼らの知識量や能力の高さに驚きました。自分の能力不足を痛感しましたね。この経験が後押しになり、エンジニアとしての技術力を向上させようと転職を決意しました。

――エンジニアとしても成長したいと思われたのですね。なぜ、PKSHAに転職をしようと思われたのですか。

清時:PKSHAならエンジニアとして成長できるし、自分の経験が活かせると確信したからです。実は、フォースタさんに転職相談をする前、自分で目星をつけた会社の採用面接を2〜3社ほど受けていました。

他の会社の選考を受けて感じた事は、即戦力の技術者を求めており、入社するのであれば未経験扱いになると言われたこともありました。想定される給与額は、新卒時に貰っていた金額の半分程度。正直、その金額では生活もままならないですし、PM経験を活かしつつ、技術者として経験を積んでいきたい自分としては、転職する一歩を踏み出せずにいたのです。

そこで、SIer企業からスタートアップ企業に転職した友人に相談したところ、フォースタさんでエンジニア専門の転職支援をしていると紹介してくれました。

担当者に、PMとしての経験を活かしたいこと、技術者としても経験をつむことができ、給与額も新卒同等ではない企業はないかと相談したところ、PKSHAを紹介してもらいました。その後、カジュアル面談に進み、双方の条件を確認しました。

PKSHAでは、プロジェクトマネジメントができる人材を求めていること、技術開発においては、半年間で納品レベルまでコードを書けるよう指導ができるとのことでした。

双方の求めるものが、あまりに合致していたことに驚きながらも、ここが「自分の求める会社だ!」と強く感じたのです。そこからトントン拍子に話が進み、エンジニアとしてPKSHAに入社が決まりました。

苦難の技術キャッチアップを乗り越え、スピード感を持って「三方よし」の開発に取り組む

ーー見事に転職を叶えられたのですね!開発技術をいちから習得するのに、苦労はありましたか。

清時:正直、最初は苦労ばかりでしたね。

エンジニアの経験をしっかりと積んでいる方であれば、すぐに着手できることすら分からなかったので恥ずかしかったです。

業務依頼を受けたときには、「わかりました」と言いながら必死にGoogle検索をして、作業に取り組んでいました。

ーーゼロから習得するのは大変ですよね。どのように技術習得をされたのですか。

清時:PKSHAの方々の丁寧な指導のおかげです。

入社時に聞いていた通り、今では1人でコードを書けるまでに成長しました。とはいえ、自分が作ったコードを仕事として納品するまでは、「頂いている給料分、きちんと働けていない」という焦りがあったので、土日もカフェに籠り、勉強の日々。まさに受験生のような生活を送っていました。

ーー清時さんの努力が垣間見えます。スタートアップ企業であるPKSHAの魅力を教えていただけますか。

清時:「スピード感」が魅力のひとつですね。

一般的な大手企業のプロダクト開発では、社内調整や申請手続きなどの関係で3ヶ月ほどの準備期間を要します。

一方、PKSHAの場合は、その場でプロジェクトの方針が決定するのです。客先との初期会議において、ビジネスサイドのみならず、アルゴリズムエンジニアやソフトウエアエンジニアも同席しているので、その場で話が進みます。「この作業は、来週までにやりますよ」なんてことも日常茶飯事です。

ーーまさに、スタートアップならではですね。清時さんが所属するチームの魅力を教えてください。

清時:ビジネスサイドもエンジニアサイドも互いの仕事内容についてきちんと理解し、協力し合っている点でしょうか。

今でこそ、コミュニケーションを密に行い、一致団結して仕事に取り組んでいますが、結成当初はうまく回っていませんでした。組織改編なども重なり、8名いたメンバーが2名にまで減少したこともあります。理由の1つとして考えられるのは、互いの仕事内容を理解するためのコミュニケーションを怠っていたから。ビジネスサイドはエンジニア側の、エンジニア側はビジネスサイドの苦悩を理解できていなかったのです。

ある日、メンバーの1人がポロっと「あのプロジェクトのここがキツかった」と話をしてくれたことがありました。そこで初めて「そんなことを思っていたんだ!」と気付かされたのと同時に、チーム内でのコミュニケーションの重要性を実感しましたね。

そこからは、互いの仕事の過程や苦悩を共有するようになり、密なコミュニケーションを意識していったので、結束感の強いチームになっていきました。

現在では、6名にまでメンバーが増えたのですが、当時のことを振り返る度に「ここまで戻してこれたんだなあ」となんだか感慨深い気持ちになります。

ーーお互いの仕事内容を理解し共有したことで、より強いチームになっていったのですね。清時さんご自身の仕事観の変化などはありますか。

清時:PKSHAに入社してから大きく変わりました。

前職ではすでに決定した案件を納品に向けて、「どのようにさばいていくか」を考えていたのですが、PKSHAに入社してからは、受注しようとする案件が社会的にも、お客様にとってもPKSHAにとっても意義がある「三方よし」なのかを深く考えるようになりました。

たとえば、2018年に開発したトレンド追従型のアルゴリズム。このシステムは、従来では検知することができなかったクレジットカードの不正利用を高い精度で検知し、相当額のクレジットカードの不正利用を防いでいます。

このシステムを導入することで、クレジットカード会社や保険会社は補償対応が減少しますし、カード利用者も安心して決済ができる。もちろんPKSHAにとっても利益があるので、まさに「三方よし」の案件ですよね。

この「三方よし」の方向に持っていくために、必要なスキルセットはなにかと考えたり、人材確保はどうするのかなど広い視野で考えられるようになりました。


やりきったと言えるスキルがあれば、必ず機会がある。マネジメントと技術力の二刀流を目指して

ーー清時さん自身の視座が上がったのですね。今後の展望をお聞かせいただけますか。

清時:欲張りだと自負しているのですが、「PMとしてのマネジメント能力」と「エンジニアとしての技術力」の両方を伸ばしていきたいです。

私自身が、両方の能力をしっかりと向上させていくことで、実務内容の深い理解に繋がります。そうなれば、ビジネスサイドとしてお客様の課題解決支援はもちろんのこと、エンジニアの作業工程や労力を理解したうえでの作業管理が行えます。

両視点をもつことで、よりよいプロダクト開発ができると考えていますし、私が双方の「橋渡し役」として一端を担えればと思っています。

ーー清時さんと同様のバックボーンを持ちながらも、転職に踏み出せない方へ伝えたいことはありますか。

清時:転職を躊躇する理由のひとつに、「給与額が下がってしまうのでは」という不安があると思います。実績や経験を積み、次のステップに挑戦しようと考えていても、面接時に、新卒1年目もしくは2年目くらいの給与額を提示されると、ショックを受けますよね。

「自分はここまでの人間なんだ」と挑戦を諦めることにつながると思います。

ですが、これまで積み上げてきたPM経験を評価してくれる会社は、必ずあります。私が入社したPKSHAはもちろんのこと、業界全体としてそういった会社が増えているように感じているので、挑戦を諦めないで欲しいですね。

特にDXやSaaSは顧客の課題解決に向き合うことが重要であるからこそ、その課題を理解し、解像度を高めシステムに落とせるSIerのスキルは十分に活きると考えています。

企業は、PM力を持つ人材を求めています。スタートアップの悩みのひとつとして、「難易度の高い開発プロジェクトの立て直しに苦戦」はあると思います。

PM経験を積んだメンバーからすれば、なぜ苦戦しているのかという原因が明確に分かりますが、企業側からすれば、原因が分からずに悩んでいる。そういった点からも、企業にとって課題解決ができるPMはとても魅力的ですし、プロジェクト管理能力は、円滑に業務を遂行するための要とも言えます。

転職時の私もそうでしたが、そういった業界の動向を知らない場合が多いですよね。自分を求めている会社があるのに、情報を知らないことで選択の幅が狭まってしまうのは、非常に勿体ないです。ですので、エンジニア専門の転職支援を行っているフォースタさんなどに相談し、外部の情報を取りにいくことが大切だと感じます。

ーー情報を取りにいくだけでも、視野が広がりますよね。転職するにあたって、事前に学習しておくべきことはありますか。

清時:スタートアップ企業に転職するから、AWS(Amazon Web Services)などを事前に勉強するというよりは、自分がいままでやってきた仕事を自信をもってこなせるかが重要です。PMとして経験してきたことに関しては、「120点できます!」と言い切れるかが問われると思いますね。

というのも、スタートアップ企業のPMとして入社するのであれば、転職した自分が上流工程に関して、社内で有識者としてのポジションを務めることが多々あります。会社としてどちらの方向に行くべきかと悩んだときに、先導していく立ち位置として、的確に判断する力や経験を求められるのです。

そういった場面にしっかりと対応できるように、力をつけることが大切だと感じますね。その経験は、転職したときに必ず活きてきますし、今後の活躍にも繋がると思います。

ーーまずは、自分にできることをやりきることが大切なんですね。今後の清時さんのますますの活躍を楽しみにしております。本日はありがとうございました!


インタビューご協力:株式会社 PKSHA Technology

執筆:矢野 桃

取材・編集:for Startups エンジニアプロデュースチーム


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