見出し画像

【STORES 立石氏】「何でも屋」から事業を伸ばすスペシャリストへ。スタートアップで目指す理想のPdMとは

フォースタートアップス株式会社(以下、フォースタ)では、エンジニアに特化した専門チーム「エンジニアプロデュースチーム」を開設。スタートアップに対してキーマンとなりうるCTO・VPoE・エンジニアの採用支援をしております。

今回ご紹介する STORES 株式会社 (以下、STORES )は「Just for Fun」をミッションに掲げ、ネットショップ開設、POSレジ、キャッシュレス決済、オンライン予約システム、店舗アプリ作成など、お店のデジタル化を支援するスタートアップ企業です。

お話を伺うのは、STORES でプロダクトマネージャー(以下、PdM)を務める立石 祐将氏。STORES に入社するまで、プロダクト開発からエンジニアリング組織のマネジメント、企業とのやりとりまで幅広い業務を経験したといいます。「今後は、PdMで自分のバリューを発揮していきたい。」そう語る立石氏に、転職に至った経緯、仕事観の変化やスタートアップ企業の魅力まで伺いました。


立石祐将氏
新卒で株式会社DONUTSにてプロダクトマネージャーとして、動画ストリーミングアプリ「MixChannel」(現・ミクチャ)ディレクターに従事する傍らプロダクト企画、エンジニアリング組織のマネジメント、プロジェクトマネジメントなどを担当。
2019年からはレッドフォックス株式会社の開発部⻑として、経営ラインでの戦略・戦術策定、エンジニアリング組織と経営管理の繋ぎ込み、組織マネジメント、部門間の調整・実行など幅広い業務に携わる。
2022年に、PdMとして STORES に入社。


組織とプロダクト。自分のバリューを究められるPdMとしての転職を決意

ーー STORES に入社するまでのご経歴をお聞かせいただけますか。

立石:株式会社DONUTSに新卒で入社し、PdMとしてのキャリアをスタートしました。ライブ配信アプリのミクチャというライブ配信アプリやバーチャルユーチューバー事業のプロデュースも担当しました。その後、レッドフォックス株式会社に転職し、プロジェクトマネジメントを行うほか、約10名のエンジニアメンバーをマネジメントしたり、外部会社とのやり取りも行っていましたね。

 
ーープロダクト制作の部分から外部会社とのやりとりまで、幅広い業務に携わっていらっしゃったのですね。転職を考える機会になった経験はあるのでしょうか?
 
立石:DONUTSとレッドフォックスで様々な業務に携わってきました。いろんなことに手を出しすぎて自分がどういう役割なのかよくわからないことも多かったです。
 
割と器用になんでもこなせるタイプであると自覚はあった反面、強みと言えるものが無いことに不安もありました。これから30代に入るタイミングで、ずっと「何でも屋」であり続けるのは難しい。事業・プロダクトをグッと伸ばせる人間になるため、何か一つ、強烈な強みを手に入れたいと思い始めました。
 
手に入れたい強みを考えた時、半分は憧れもありますが、やはりプロダクトとしての質の高い意思決定を通して事業を伸ばせる人間になりたいと考えました。
その経験と実績を得られる場所を求めて転職活動を始めました。
  

ーーPdMとしてのキャリア構築を選ばれた理由を詳しくお聞かせいただけますか?
 
立石:当初は、中長期のキャリアにおいて、PdMとエンジニアリングマネージャー(以下、EM)のどちらにキャリアを深めていくべきかを悩みました。
事業を作るのは人であり、その力を最大限引き出せる環境を作る、というのも面白いと思ったんです。
 
ただ、結局この道は難しいという結論になりました。EMとしての役割を考えた時、対個人の話だけでなく、エンジニアリング組織全体のことを考える必要が出てきます。コンウェイの法則にあるように、ソフトウェア開発において組織とソフトウェアの構造が似通うというのは肌で感じていて、エンジニアリング畑出身でない自分が素晴らしいソフトウェア・素晴らしい組織体制を作っていくのには限界があると思ったんです。
 
その点、PdMは、決して楽ではないですが、自分がバリューを発揮する上で可能性がある、見込みがあると判断しました。
 

共感できるプロダクトの開発に携わりたい。チームでユーザーに寄り添える環境

ーーご転職の軸について理解が深まりました。次に、数ある企業のなかで STORES を転職先に選んだ理由を教えてください。
 
立石:3、4社から内定をもらっていたのですが、それぞれの会社でかなり特徴が分かれていました。
 
事業を作ることに強い、エンジニアリング組織が強い、プロダクトが強い、と、どの会社もそれぞれ魅力的でした。プロダクトが強く、PdMへの周囲からの期待値も大きいという点。そして、スモールチームの経営支援をするという、PdMとして向き合う課題に手触り感や意義を感じた点から STORES に決めました。
また、かねてから、個性ある面白い商品が世の中には少ないと感じていました。自分が強烈に熱中出来るような、そんな面白い商品がもっと世に出てきてくれないかな、と。そのような背景もあり、ファンになれるような商品・サービスを生み出したい、という考えも、STORES のビジョンとマッチしていました。
 

ーー転職先はスタートアップに行くことは決めていたのですか?
 
立石:スタートアップを志向したわけではないですが、面白そうなソフトウェアサービスかつ自社プロダクトの企業となると、結果的にほとんどの選択肢がスタートアップになってしまった、という印象です。

 
ーースタートアップに挑戦するのは勇気がいるという声もあります。

立石:率直に言うと、どの規模の会社でも多少の不確実性やリスクはあると思っています。とはいえ、転職という話であれば、事前調査である程度不確実性やリスクは低減できます。私自身、転職活動では、公開情報やIR情報を見て理解を深めた上で、会話する中で価値観や判断軸が合うか、というところを確かめながら進めていました。
 
不確実性やリスクを低減させ、一定許容できれば、スタートアップキャリアは思った程不安定ではないと思います。特にキャリアの観点で言えば、ソフトウェア業界は横移動がしやすいという利点がありますからね。
 
その点をクリアできれば、給与をちゃんと出す会社も増えてきてますし、事業の手触り感を持って、早いスピードで成長していきたい人にとっては、スタートアップ界隈は悪く無い業界ではないでしょうか。

ーー転職活動にフォースタを利用してみてどうでしたか?
 
立石:サポートが手厚いという印象が強いです。初めての転職の際は自分で進めていたのですが、当時と比較して、各企業との面接の度に選択軸を整理できたため、安心しながら転職活動を進められました。
 
EMとPdMでキャリアを迷っていた時期でもあったので、フォースタさんとの面談を通して、自分の考えを整理できたのは有意義だったと思います。
 
 
ーー STORES に入社されて半年経過しました。現在はどのような業務に携わられているのですか?
 
立石:PdMとして開発チームをひとつ担当しながら、来年のプロダクトのロードマップを考えています。入社早々から大量のオーナーさんの声をインプットしつつ、現状の事業・プロダクトの課題を仮説立てることができ、よい機会になったと考えています。

ーー転職されてみて気付いた STORES の魅力を教えてください。
 
立石:チーム意識が強く、プロダクトマネジメントに集中できることが魅力的です。
 
PdMはプロダクトにとって価値のあることは何でもやる、「何でも屋」という側面があると思っています。ただ、何もかもに手を出していては何も前に進みません。STORES では 一個人がどうにかする、ではなくオーナーさんに対してチームで価値を届けるという風土で、PdM同士はもちろんビジネスやエンジニアとも同じ目線で協働して仕事をすることができます。
慣れるまでは戸惑う部分もありましたが、いまでは凄く仕事しやすい環境だなと感じています。
 

意思決定と成果を出すのがPdMの仕事。顧客理解を深めるための経験とは

 
ーーここからは、PdMという仕事について伺います。立石さんが考える優秀なPdM像を教えてください。
 
立石:圧倒的に高い顧客解像度をもつ人でしょうか。優れたPdMは、ユーザーインサイトの考察がとても深いと感じます。表面上の情報のみを受け取るのではなく、さらに踏み込んで考察し、顧客理解に努め、それをプロダクトに反映できるPdMは非常に優秀だと思っています。
 
ーーそう考えられるに至ったご経験などはありますか?
 
立石:最初に携わったMixChannelというライブ配信サービスでの経験ですね。
配信者が女子高生などの若い女性で、ユーザーも若年層がメイン。知名度をあげたい配信者とそれを応援したいユーザーのインサイトを見事に掴んだプロダクトだったのですが、新卒で入った当初、自分とかけ離れたターゲット像への理解が追いつきませんでした。
なんで課金するの?自宅の様子も流していいの?と新しい価値観にひたすら戸惑ってしまったのですが、じっくりとユーザーを観察し、大胆な仮説を立て、プロダクト開発を進めていた先輩の姿を見て、膨大な調査や仮説検証を経つつインサイトを捉えることの重要性を感じました。



ーーどういった経験をすると、その能力開発ができるのでしょうか?
 
立石:じっくり観察して、じっくり考える場数を踏むことでしょうか。その人の表出する行動から、どういう欲望・欲求に従ってその行動を選択しているんだろう、というのを把握するのが重要で、仮説立てと検証の場数を繰り返すしかないのかなと思います。
ユーザーインサイトを深掘りする能力はtoCの方が重要と捉えられる場面は多いですが、個人的にはあまりそう感じません。toBも同じです。
 
ーー立石さん自身が理想のPdMになるために意識していることはありますか?
 
立石:PdMは、意思決定と成果を出すのが仕事。よくわからない場面でも腹を括って決めきるというのは日頃から意識していますね。他部署との関わりでは、些細なことかもしれないですが、明るく話すことです(笑)。
 
事業と直接関係のない部分が意思決定に影響することは出来るだけ避けたいと考えているので、人間関係を大事にしています。また、頭から「こうだよね」と決めつけないこと、自分は常に素人だというスタンスで会話することも大事にしています。
もちろん、仮説は自分なりに用意していくのですが、事業責任者などの各々の考えを最大限引き出していく。その上で、言うべきことは誰であっても臆せず言う、ということがプロダクトを磨いていくためには必要だと考えています。
 
 
ーー今後、立石さんがチャレンジしたいことを教えてください。
 
立石:中長期的な視点では事業を伸ばすことに注力していきたいです。ユーザーインサイトを的確に考察できるPdMとして、事業の成功パターンを検討し、経験と実績を積んでいきたいと思います。
 
ーーPdMとしての立石さんのますますの活躍を楽しみにしております。本日はありがとうございました!


インタビューご協力:STORES 株式会社

執筆:矢野 桃

取材・編集:フォースタートアップス エンジニアプロデュースチーム


この記事が参加している募集