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【enechain 西村氏】「圧倒的なゲームチェンジャーに」。仲間とともにエネルギー産業の新たなインフラを創る

フォースタートアップス株式会社(以下、フォースタ)では、エンジニアに特化した専門チーム「エンジニアプロデュースチーム」を開設。スタートアップに対してキーマンとなりうるCTO・VPoE・エンジニアの採用支援をしております。

今回お話を伺うのは、株式会社enechainエンジニアリングマネージャーの西村洋一氏。

enechainは、「Building energy markets coloring your life」をミッションに掲げ、国内最大のエネルギーのマーケットプレイスを運営しています。あらゆるユーザーがオンライン上のマーケットにて、電力やLNG(液化天然ガス)といったエネルギー商品を、ワンクリックで自由に売買できる世界の実現を目指すスタートアップ企業です。

「当たり前にある電力の裏側を支えていくことに価値がある」そう語るのは、2021年9月にenechainに入社した西村氏。エンジニアリングマネージャーとして、国内最大のエネルギープラットフォーム『eSquare』のモバイルアプリを開発。エネルギー業界を躍進させようと奮闘する西村氏が考えるenechain社の魅力、スタートアップ企業ならではの経験やエンジニアとしての成長について伺いました。

西村 洋一 氏
グリー株式会社、株式会社VASILY、株式会社bitFlyerにて、モバイルサービス開発に従事。暗号資産取引アプリ『bitFlyer』の開発・運用や、マネージャーとしての各種マネジメント業務を経験した後、2021年9月enechainに入社。エネルギートレーディングプラットフォーム『eSquare』のモバイルアプリの開発マネージャーとして従事し、採用担当業務も担う。


自分の興味関心をたどった先にみつけた、運命の会社

ーーenechainに入社するまでのご経歴を教えていただけますか。

西村:グリーやVASILY、bitFlyerにて、BtoC向けのモバイルサービス開発に従事してきました。直近9年くらいに関しては、ネイティブアプリといわれる、スマートフォンやタブレット端末にインストールするアプリの開発を担っていました。

「多くのお客さんに使ってもらえるようなアプリケーションをつくりたい」という気持ちから、BtoC向けのアプリ開発をしている会社を選んでいたのですが、ここ近年で「自分のつくったサービスで、業界全体を変えるような大きな挑戦をしたい」と思うようになり、BtoB向けのサービス展開をする会社に転職をしようと決意しenechainに入社しました。

ーーBtoCからBtoBに転換した理由を詳しく伺えますか。

西村:テクノロジー時代の変化を感じたことがきっかけです。

従来までは企業が使用するソフトウェアはパッケージもしくはSIerなどと協力して開発した企業専用のソフトウェアを使用するのが主流でした。しかし、インターネット環境が整い、クラウドサービスが汎用的になったことでユーザーアカウントを登録すれば誰でも利用できるSaaSを導入する企業が増えてきました。

BtoBのSaaSが社会へインパクトを出していく姿を目の当たりにして、業界の流れが変わってきたと感じたのです。そういった経緯から、BtoB向けサービスを開発する企業に携わりたいと思ったのがきっかけです。

ーー数多くある企業の中で、enechainに入社したのはなぜでしょうか。

西村:先ほどお話した流れから、フォースタさんにBtoB向けで、SaaSを取り扱っている会社を紹介してくれないかと伝え、さまざまな会社を紹介してもらいました。

ある日、担当者の方から「SaaSではないけど、西村さんにマッチする会社がある」と言われて、enechainを紹介いただきました。はじめは「なぜSaaS以外の会社を紹介するんだ?」と疑問に思っていたのですが、enechainの事業内容を説明頂き「この会社、面白そう!」と完全に心を掴まれていました(笑)。

enechainの事業内容をみて、「SaaSをやりたい気持ちよりも、業界全体を変えるような大きな挑戦をしたい」のだと自分の気持ちに気付きました。

加えて、enechainに入社を決めた理由は大きく分けて3つあります。一つ目として、enechainが掲げるバリュー(価値観)に惹かれた点。

掲げるバリューは4つあるのですが、そのなかでも「Social good」に惹かれました。エネルギーという公共性の高いフィールドで事業をするので、このバリューは極めて重要だと感じてはいたのですが、会社のバリューの大上段に掲げていることがすばらしいと思いました。

入社前面談で、「会社としての利益を追求するよりも、いかに社会に貢献できるか」という視点を大事にしていると聞き、かつお会いする面談担当者が全員一貫して話をしていて、「こんな会社があるんだ」と強く衝撃を受けましたね。

二つ目は、enechainが将来的に業界に革命を起こすような「ゲームチェンジャー」になり得る会社だと感じた点です。日本初となる国内最大のエネルギープラットフォームを開発しているという事業内容から分かるように、enechainはこの新しい時代を牽引していく存在。この場所で、エンジニアとして挑戦と成長をし続けたいと強く感じたのです。

三つ目は、事業で取り扱う「電力」への興味です。電力価格は、世界情勢や資源、天気などでも容易に変動するので、ボラティリティが爆発的に高い。そういった流動性があるものを電力小売事業者が継続的に仕入れるためにはどうすべきか。事業主が抱える悩みを解消し、当たり前にある電力の裏側を支える仕事に価値を感じました。

ーー現在、enechainではどういった役割を担われているのでしょうか。

西村:自社モバイルサービスの開発マネージャーをしています。エンジニアとしての業務以外ですと、採用活動も積極的に行っています。

ーー開発中のサービス内容について教えてください。

西村:私たちは、発電事業者と電力小売事業者が電力の取引を行えるエネルギートレーディングプラットフォーム『eSquare』をつくっています。

2016年に電力小売が自由化され、電力小売事業者は、企業や家庭向けにも電力を自由に販売できるようになりました。発電用の燃料である石炭や石油、液化天然ガス(LNG)は、受給の変化や、生産量、天候、世界情勢などによって容易に、大きな価格変動が起こります。

電力の価格変動の振れ幅は凄まじく、身近なものを例に挙げると、500円の牛丼を食べにきたのに10万円を請求されてしまうような状況が、ここ数年で起こっているのです。こういった電力の卸価格が不安定な状況のなかで、ヘッジ取引もなく電力調達をしていくのはかなり難しくリスクが高いですよね。

私たちがつくる『eSquare』は、マーケットに流通する電力の適正価格を見える化し、その価格を元に取引を成立させ、流通させることを目的にしています。現在はBtoBをメインに取引が行われていますが、将来的には個人でも電力を売買する際の選択肢の一つとして広がっていけたらと考えています。また、電力のみならず脱炭素社会に向けて「環境価値」の取引もできるマーケットにしていくことも視野に入れています。まさにSocial good に向けたマーケットプレイスをつくっているんです。


さまざまな経験をできるスタートアップで、個性豊かなメンバーとともにカルチャーをゼロからつくる

ーー電力会社にとって、enechainさんのサービスは事業を安定的に継続させるためにも、重要な役割を担っていますね。先ほど、採用活動を担われているとお話されていましたが、enechainにはどのようなメンバーがいるのでしょうか。

西村:ビジネスサイドは総合商社や外資系コンサルティングファームなどエネルギー領域に強みのあるメンバーが多く、またエンジニアサイドはメガベンチャーやスタートアップ出身者など、さまざまなバックグラウンドを持つ人たちが集まっているので、日々刺激を受けています。

こういった個性豊かなプロフェッショナルが多く入社していること自体が、enechainの魅力のひとつだと思いますね。

ーービジネスサイド、エンジニアサイドも優秀な方々が集まっている印象ですね。さまざまなバックグラウンドの方が集まるなかで、大切にしていることはあるのでしょうか。

西村:まだアーリーフェーズだからこそ個々が目指す方向を統一するために、会社のカルチャーづくりに重きを置いています。社内では「マジでカルチャーつくり隊」を略称した「マジカル隊」をタスクフォースとして結成しています(笑)。

カルチャーづくりは、会社としての組織力をより強化させるために必要不可欠。この取り組みを全社を巻き込んで行うことによって、組織として大事にしている価値観や、意思決定するための判断軸を明確化することができます。また、つくったら終わりではなく、日々のアクションルールと紐づけて自分たちの手でアップデートし続けることで、今後新しく入ってくる仲間にもしっかりと浸透させることができると考えています。

加えて、ビジネスサイドとエンジニアサイドのコミュニケーションを大切にしています。具体的には、部署間インターンやユーザーインタビューを多く開催するなどでコミュニケーションを密に図ることで、私たちエンジニアが取り組むべき内容一つひとつに納得感を持って進められていると実感していますね。

昨年の10月に、新しくエンジニアリングマネージャーが入社したのですが、そのタイミングで代表の野澤が、今後の会社の戦略について3時間かけてじっくりと説明をしてくれました。このことからも、enechainがいかに「メンバーへの認識統一」を大切にしているのかが分かります。そして、現在の会社の立ち位置から目指す先までしっかりと共有する姿勢に、エンジニアに対するリスペクトを感じました。

実際に作業を進めるなかでも、ビジネスサイドがエンジニアサイドの意見もしっかりと汲み取り考慮してくれるので、とても働きやすい環境だと感じています。

ーー西村さんは、enechainに入社する前もスタートアップで働かれていましたが、なぜ今回もスタートアップを選ばれていたのでしょうか。

西村:スタートアップではプロダクト開発のみならず、採用や組織づくりに携われますし、さまざまな経験ができるからです。

そう感じるようになったのは、最初に入社したスタートアップであるVASILYでの経験が大きいですね。会社では「動いているものは全員採用対象」と掲げており、会社のブランディングになるなら、動物を採用してもいいと言われたことがあって、衝撃を受けました(笑)。
それまで、プロダクト開発をするのが自分の仕事だと思っていたのですが、スタートアップに入社し、考えが一変しました。会社はどんなミッションを持っているのか、その方向にいくためにはどうすべきか、どんな人を採用したらよいのか、そういった点を常に考えながら仕事をすることに面白さとやりがいを感じました。

私自身、ゼロからイチをつくる過程がとても好きなので、この経験ができるスタートアップ企業はかなり魅力的です。


会社の成長と共に、エンジニアとしての技術力も飛躍していく

ーーエンジニアとしての仕事以外でも、組織づくりや会社を構築していく過程に取り組める点が魅力なのですね。ところで、西村さんがスタートアップを選ぶ基準を教えていただけますか。

西村:個々の価値観が影響するので難しいところですが、私はひとつの業界において圧倒的なゲームチェンジャーになりうる会社を選ぶことが重要だと感じています。

数千億や数兆円の市場規模をつくっていけるようなビジネスインパクトがある会社を選ぶと、エンジニアとして勉強になることも多いと思います。会社が大きくなるにつれて、開発システムも大きくなる。そういったフェーズへの移行プロセスを考えるのもエンジニアの仕事ですし、この経験はマーケットも事業も伸びている会社でしかできないですよね。

会社の成長と共にエンジニアとしての技術力も高められ、飛躍していけるようなスタートアップを選ぶことが大切だと感じます。

ーー西村さんはエンジニアとしての成長をどのように捉えていらっしゃいますか。

西村:私の考える成長とは、より技術的に深掘りをしていくか、ビジネス観点や知識を増やしていくかだと思います。

どちらが良い悪いなどではないのですがエンジニアとして成長をしていくためには、自分自身の進みたい方向を意識する必要はあると感じます。

個人的には、ビジネス視点も持てるエンジニアは強いなという思いはありますね。将来的には、AIでプログラミングが自動化されるといった話も無きにしも非ずなので、プロダクトをつくる技術に加えて、業界の流れや求められるものを敏感に察知し、新たなプロダクトを生み出す発想も重要だと感じています。

ーーどんな方にenechainにジョインしていただきたいですか。

西村:enechainが掲げるビジョンに共感する方や、「業界を一新してしまうような、大きいことを成し遂げたい!」と考える方に来てほしいなと思います。

エネルギー業界の市場の大きさは、約20兆円規模とも言われているのですが、そこにテクノロジーは実はあまり入り込めていません。ですので、エネルギー業界×テクノロジーの可能性は無限に広がっていると思いますし、会社としてはもちろんのこと、エンジニアとしても爆発的に成長ができるのではと考えています。

現在enechainでは、一つ目のモバイルアプリ開発に着手している段階ですが、今後もWebやモバイルに関わらず新規でアプリ開発をしていく予定があります。「ゼロから新規サービスをつくりたい」「自分の力を試してみたい」「数十年先も使われるプロダクトを一からつくりたい」と考えるエンジニアにとっては、最高の挑戦の場だと思います。

ーーenechainさんと西村さんの今後のご活躍を楽しみにしています。本日はありがとうございました。



インタビューご協力:株式会社enechain

執筆:矢野 桃

取材・編集:for Startups エンジニアプロデュースチーム


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