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理解することは見ることである

ここでは、抽象的な概念をとりあげて、一見わずらわしい概念も、日々の行動が少し前向きになるポイントを取り出していきたい。


1回目は、『理解する』

理解するとはどういうことだろうか?

顧客を理解する、
メンバーを理解する、
中期計画を理解する、

日常的に使われる『理解する』は、そもそもそんなに難しい概念でもなさそうだが。

『理解する』を説明するとしたら、何と説明しますか?


『レトリックと人生』

ジョージ・レイコフ氏はその著書で、私たちが概念をどう捉えているかは、私たちの言語の中、"メタファー"に隠されているという。

メタファーの補足
メタファーとは、比喩や例えのこと。
Aを説明する時、Bを用いると、一段と分かりやすくなったり、新たな側面を伝えることができる。
例:人生は旅である、議論は戦いだ


『理解する』についてレイコフ氏は、

理解することは見ることである

というメタファーを挙げている。

その例題は、

"これで議論の輪郭が見えた"
"問題点を掘り下げてみて、はじめてこのことが見えてくる"

"クリアになった"
"見通しが得られた"

上記にあるように、見える=わかる、の図式である。

つまり、私たちは、"見る"ことは、自分の理解が進むという感覚を
概念上、使っているのである。

"理解できない"からの脱却

このメタファーが喜ばしいのは、
無色透明で掴みどころがない抽象概念が、
物理的な視覚現象に置き換わっていること。

物理的現象であれば、やりようはある。

メンバーを理解できない、
会社の方針を理解できない場合は、
いま見えていない何かを、『見る』ようにする。

また、もっと『見える』よう、相手に依頼することで、
理解が一歩深まるはずである。

すぐ出来る"見る"

"見る"アイディアをいくつか挙げてみたい。

1、気になっていることをポストイットに書き、机に並べる (カテゴリーにしたり、優先順位で並べ替えてもいい)

2、主題について、重要度を1から10のスケールにする (重要度や、チャレンジ度、マインドの占有度など、様々な対象をスケールにしてもよい)

3、色や、形、深さ、大きさなどを描写する (この場合、説明でなく、描写が適している。理路整然とロジカルに説明しなくても良い。描写があちこち行っても良しとする)

4、オノマトペで出来事やプロジェクトを表現する(ザワザワ、ワクワクなど)

5、レゴ®️シリアスプレイ®️で作品を作る(←ワークショップを受講済みの場)


『理解する』を容易にすることのメリット

いかがだろうか?

理解できない状態は、不安や憤りを感じ、
私たちの身体や脳の限りある
エネルギーを占有してしまう。

少しでも「理解する」抽象的な行為を容易にできれば、
より自分をポジティブに自分のやりたいことにエネルギーが使えるだろう。

『理解する』に行き詰まったら、
『見る』アプローチを、試してみていただきたい。


次回は、何を見ることが理解につながるのかを、じっくり取り上げたい。






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